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今日は、これで最後です。
自分はカナダに住んでいるので、所々前書きや後書きで変なことを言うかもしれません。よろしくお願いします。
朝が来た。
(こんな憂鬱な朝は久しぶりだ。)
優が心の中で愚痴っていると、いつの間にか、集合場所である門の前まで来ていた。
今日の予定は、みんなで馬車に乗り、迷宮に行き、そこで魔物を倒し、各自のレベルアップを図る。
優たちには、各々特異な武器が配られている。優は、スキルを持っているので、剣を支給された。
「お、優、起きたのか。」
クラスメイトの一人が話しかけてきたが、優は名前が思い出せない。
「ああ、まあな。」
しかし優は、そんなことはおくびにも出さずに、そう返した。
「注目!」
他数名のクラスメイト達と話していると、暑苦しい声が聞こえてきた。
「お!優、起きたのか!あの戦い、実に見事だったぞ!」
無様に負けたはずなのに、ユーリがそう言ってくる。
なんでも、ほかの生徒だと、ユーリの動きすら見えないため、一回も剣を交えられないのだとか。
なんとか、勇人がユーリの初激を受け止めたが、それが限界だったとか。
つまり、このクラスで、ユーリと数合でも打ち合えたのは優だけらしい。
剣なしの格闘戦なら、園香がいい線いっていたらしいのだが、あと一歩届かなかったらしい。
(どんなステータスしてんだあの人!?)
優は、こっそり園香に鑑定をかけてみた。
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名前:武田園香
性別:女
レベル:1
生命力:2000/2000
魔力:50/50
筋力:700
敏捷:60
防御:40
魔攻:10
魔防:25
運:50
スキル:異世界言語、剛腕
称号:異世界の勇者、まごうことなき脳筋
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剛腕:発動すれば、筋力が上がる。
まごうことなき脳筋:筋力に、プラス500。筋力のステータスが上がりやすくなる。
優は、見なかったことにした。
優が、叔母のあまりにも偏ったステータスに、言葉を失っているうちに、迷宮についたようだ。
「それでは、訓練を始める!この訓練は、4人一組のグループを作り、そのグループで、迷宮に潜ってもらう!グループ決めは、こちらでさせてもらったので、発表する。」
こうして、優はこの世界に来てから二日目(優の体感)で、迷宮に潜ることになった。
ちなみに、優のグループは、園香、勇人、それと、魔法使いの女子生徒だ。これといった特徴はないが、どこか美しさを感じる容姿をしている。
「よし、行くか。」
勇人の掛け声で、迷宮探索を開始する。
しばらく歩くと、魔物に遭遇した。
醜い容姿、低い背丈、緑色の肌。おそらく、ゴブリンだろう。武器も石でできた棒しかもっていない。
(鑑定。)
優は、とりあえず鑑定をかけてみる。
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名前:
性別:オス
種族:ゴブリン
レベル:5
生命力:400/400
魔力:10/10
筋力:100
敏捷:20
防御:50
魔攻:5
魔防:27
運:10
スキル:棒術
種族スキル:異種族繁殖
称号:
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棒術:棒を扱いやすくなる。
異種族繁殖:ほかの種族とでも繁殖できる。
ステータスと、その詳細を見て胸糞が悪くなった優は、瞬時にゴブリンに近づき、その首を落とした。
「お、おまえ、今の何をどうしたんだ?」
勇人が、恐る恐る聞いてきた。
「ああ、今のは、身体強化で足を集中して強化して、ゴブリンに近づいて、剣で首を落としたんだ。」
昨日寝る前に行った実験では、普通に身体強化をした場合、二倍ほどステータスになった。集中強化だと、やりようによってはその六倍。つまり、さっきの優は敏捷のステータスが大体1200あった。敏捷がせいぜい300程度しかない勇人には、優が何かをしたのはわかっても、何をしたのかはわからなかったのだろう。
「お前のステータス今どれぐらいなんだ?」
勇人がそんなことを聞いてくる。優は、ステータスプレートを出し、勇人に見せる。
「お前の倍ぐらいしかなかったが、さっきの奴は、身体強化を、足だけにかけて、集中的に強化して、大体いつもの六倍の力を出したんだ。」
優は、丁寧にさっき自分がしたことを説明したが、勇人は何も反応しない。
「おい、聞いている…。」
「優君、君、ステータスをあの後確認したかい?」
優が勇人に声をかけようとすると、それを優が遮って質問してきた。
「いや、まだだけど。」
勇人はその答えを聞くと、無言でステータスプレートを優に返した。
「な!?」
そこに書いてあったステータスみた優は、思わず声を出してしまった。
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名前:ユウ・ウミハラ
性別:男
種族:人間
レベル:2
生命力:1950/1950
魔力:2200/2210
筋力:405
敏捷:430
防御:450
魔攻:515
魔防:482
運:90
スキル:異世界言語、鑑定、剣術、身体強化、棒術、異種族繁殖
ユニークスキル:還元、武才
称号:異世界の勇者、武の天才
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これが、今の優のステータスだ。
(なんだこれ!?て、いうかこのすきり、ゴブリンのじゃないか!?確か、俺たち勇者は、レベルが1上がるごとに、生命力と魔力は大体500、ほか運以外が100ずつ上がるんじゃなかったか?でもこれは、明らかにそれ以上上がっている。
!?まさかゴブリンのステータスか!?)
「なるほど、だから還元か。」
園香が、そうつぶやいた。
「還元?」
勇人は、首をかしげている。
「優のユニークスキルだ。効果は確か、『還元する』だから、おそらく倒した魔物のステータスや、スキルを自便の力に還元できるのだろう。」
「な、なるほど。」
優のユニークスキルの全貌が明らかになった瞬間であった。
「帰ったら、王様に報告に行くか。」
「ああ、それがいいね。」
優のユニークスキルの効果がわかったところで、四人は狩りを再開した。
そのあと、優たちはゴブリンアーチャー、ゴブリンソードマン、ゴブリンメイジ、ホーンラビットなど、比較的弱い魔物を、一人十体ずつ狩っていった。
訓練が終わった時の優のステータスは、
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名前:ユウ・ウミハラ
性別:男
種族:人間
レベル:8
生命力:12520/12520
魔力:9980/13800
筋力:2260
敏捷:2590
防御:2010
魔攻:3100
魔防:2555
運:250
スキル:異世界言語、鑑定、剣術、身体強化、棒術、魔力操作、火魔法、水魔法、跳躍、弓術
ユニークスキル:還元、武才、魔才
称号:異世界の勇者、武の天才、魔の天才
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魔力操作:体内の魔力を自由に操れる。
火魔法:火魔法が使える。
水魔法:水魔法が使える。
跳躍:ジャンプをするときに足に魔力を込めると、ジャンプ力が上がる。
弓術:弓が扱えるようになる。
と、なった。
ちなみに、異種族繁殖がないのは、優が気合で消したからである。
さて、優君たったの四話で人外になってしまいましたね。