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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
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 今日カシムは鍛冶屋(カシムが作った。)で武器を作っている。先日百ほど武器を作ったが、それでは三万いるのこの里住人全員に武器を与えることができない。そのため今日は本格的に武器を量産しようとしているのだ。勿論手を向く気はない。カシムはスキル【思考加速】と魔法をを使い、武器を早く作るつもりなのだ。【思考加速】のスキルはその名の通り、思考を加速させる。一言で言うと、スローモーションだ。さらに魔法を使うことで素早く鉱石を柔らかくし、武器を作る。この方法で武器を作れば、かなりの短期間で三万の武器もできるだろう。


 今カシムは一万の武器を作り上げた。第三者が見たら、人間らしき影が次々と鉱石の山から武器を取出しているように見えただろう。


 「フゥー。」


 カシムはスキルを解き、額に滲んだ汗を拭くの袖で拭う。


 ジー。


 カシムは自分への視線を感じて、鍛冶場の入り口を見る。


 「ハワワ!」


 視線の主はカシムが自分に気が付いたことに気が付き、慌てて隠れる。


 「隠れられてないぞ。」


 視線の主は女の子なのだろう。入り口から半分はみ出ているスカートが、びくっと揺れた。


 「ソー。」


 「いや、自分でいうなよ。」


 カシムの突っ込みに、少女はハッとして少し後ずさった。


 「あなたは何者?」


 少女は青いワンピースを着た、西洋の人形のような外見をしていた。髪は金色で腰まで伸びており、目は青で今にも吸い込まれそうだ。その少女は、胡散臭いものを見るような目でカシムを見ている。


 「ここはカシム様とカシム様が許可した人以外立ち入り禁止だよ。」


 少女はカシムを咎めるように言う。


 「プッ、ハハハハハハハハ!」


 「何がおかしいんですか!?早くここから出て行ってください!」


 ちなみにカシムは今顔は煤で汚れており、服もだぼだぼのTシャツに厚いジーンズのようなものなので、とてもいつものカシムに見えない。


 「俺はカシムだよ。ほら『クリーン』」


 カシムは生活魔法のクリーンを使い、体の汚れを取る。


 「あ!?」


 少女はあからさまに驚いている。


 「ご、ごめんなさい!」


 「いいって。それよりほら、これをやろう。」


 カシムは今にも泣きそうな少女をなだめるために、飴を取り出す。


 「何?これ?」


 「飴だ。食ってみろ甘いぞ。」


 少女は飴を恐る恐る口に入れる。すると、顔がパァと明るくなり、飴を機嫌よさそうに舐め始める。


 「気に入ったか?」


 カシムは飴を何個か取り出し、袋に入れると少女に渡した。


 「ここは危ないからもう来ちゃだめだぞ。」


 カシムはにっこり笑って少女にそう言った。少女はこくこくとうなずくと鍛冶場を出ていこうとする。


 「あ、君名前は?」


 カシムは今更ながらに少女に名前を聞いた。


 「サナ!私はサナだよ!」


 少女改めサナは元気いっぱいにそう言って鍛冶場を出て行った。





 後日飴のうわさを聞いた里の龍人たちがカシムに飴をくれと迫った。

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