表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
46/148

44

 一つ真面目な話をしよう。カシムはまだこの世界では米を食べていない。それはこの世界がヨーロッパのような世界だあるため、仕方がないと言えよう。しかしカシムは日本人だ。日本人としては、何としても米が食べたいと思うのは、至極当然のことだろう。そしてなんと今、カシムの目の前には米がある。そう、この龍人の里では米が主食なのだ。それを知ったカシムは人目を気にせずガッツポーズした。


 「さ、食べろ!」


 米を前に若干感動しているカシムに、この米を作った張本人、ルキがドヤ顔で食を促す。


 「ああ!いただきます!」


 カシムは両手を合わせご飯を頬張る。


 「う!?」


 ご飯を口に入れた瞬間、カシムは口を押え、蹲る。


 「どうしたのだ?」


 ルキが不安そうに聞いてくる。


 「不味いのか?」


 ルキはカシムの顔を覗き込むように見上げてくる。


 (しょ、正直これは美味しくないが、こんなしおらしく聞かれたら…。)


 「いや、うまいぞ。今のは、あまりのうまさにびっくりしただけだ。」


 カシムは今できる最大の笑顔でルキにそう返す。


 「そうか!?よかった。」


 ルキは嬉しそうに笑う。とてもではないがカシムには真実を告げることはできなかった。


 「ありがとうルキ。」


 カシムはそのあとご飯を完食した。ルキが帰った後、カシムはどうやったらご飯があんなに不味くなるのか思案しながら意識を失った。




 その後、カシムは里の中で英雄とされた。それはルキの料理を完食したゆえだということは、ルキだけが知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ