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「刀が欲しい?」
「「「「「はい!」」」」」
今カシムは十数人のドラゴンたちに頭を下げられている。理由は勿論刀が欲しいとのことだ。
このドラゴンの里には三万人ほどのドラゴンが暮らしている。三千ではなく三万だ。ルキいわく、『世界中のドラゴンはここにいる!』だそうだ。とにかくその中の若い(それでも三百歳は超えている。)ドラゴンたちが、カミールからカシムの武器について聞いたらしく、ねだって来た。
「まあ、いいけど。」
翌日、十三の刀を持って若いドラゴンたちを待つ。もちろん武器たちは『武軍シリーズ』ではない。ちなみに『武軍シリーズ』とはカシムが作って、武軍に入れたものである。
「ありがとうございます!」
若いドラゴンの一人が代表してカシムに礼を述べる。
「いいって。」
カシムは笑って刀の説明を始める。
「この武器は片方にしか刃がないから、気をつけろよ。」
「普通は両方に刃があるんですか?」
やはりドラゴンはほとんど他種族と関わってこなかったようだ。
「とりあえず、こっち側では切れないってことを分かっていればそれでいい。」
そう言ってカシムは峰を叩く。
「「「「「はい!」」」」」
若いドラゴンたちは元気のいい返事をする。
「じゃ、これの使い方だが、」
カシムはおもむろに刀を振り上げると、ただ重力に任せて近くにあった岩に向かって振り下ろす。
ストン
そうすると、まるで抵抗もなく真っ二つになった。
「やってみろ。」
カシムは刀を青年の一人に渡す。
「はっ!」
キンッ
刀はあっけなくはじかれる。
「…。」
場を沈黙が支配した。
「…もう一回だ。」
「…はい。」
青年はもう一度刀を振り下ろす。
ガキン!
「貸せ!」
カシムは青年から刀を奪い取り、岩に振り下ろす。
ストン
「…。」
その後、全員が試してみたが、結果は同じだった。そして、その場で剣や槍などを作って使わせてみた結果、ドラゴンは刃物(武器としての)を全く使えないということが分かった。
作った武器は『武軍』に加えた。




