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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
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39

 「刀が欲しい?」


 「「「「「はい!」」」」」


 今カシムは十数人のドラゴンたちに頭を下げられている。理由は勿論刀が欲しいとのことだ。


 このドラゴンの里には三万人ほどのドラゴンが暮らしている。三千ではなく三万だ。ルキいわく、『世界中のドラゴンはここにいる!』だそうだ。とにかくその中の若い(それでも三百歳は超えている。)ドラゴンたちが、カミールからカシムの武器について聞いたらしく、ねだって来た。


 「まあ、いいけど。」



 翌日、十三の刀を持って若いドラゴンたちを待つ。もちろん武器たちは『武軍シリーズ』ではない。ちなみに『武軍シリーズ』とはカシムが作って、武軍に入れたものである。


 「ありがとうございます!」


 若いドラゴンの一人が代表してカシムに礼を述べる。


 「いいって。」


 カシムは笑って刀の説明を始める。


 「この武器は片方にしか刃がないから、気をつけろよ。」


 「普通は両方に刃があるんですか?」


 やはりドラゴンはほとんど他種族と関わってこなかったようだ。


 「とりあえず、こっち側では切れないってことを分かっていればそれでいい。」


 そう言ってカシムは峰を叩く。


 「「「「「はい!」」」」」


 若いドラゴンたちは元気のいい返事をする。


 「じゃ、これの使い方だが、」


 カシムはおもむろに刀を振り上げると、ただ重力に任せて近くにあった岩に向かって振り下ろす。


 ストン


 そうすると、まるで抵抗もなく真っ二つになった。


 「やってみろ。」


 カシムは刀を青年の一人に渡す。


 「はっ!」


 キンッ


 刀はあっけなくはじかれる。


 「…。」


 場を沈黙が支配した。


 「…もう一回だ。」


 「…はい。」


 青年はもう一度刀を振り下ろす。


 ガキン!


 「貸せ!」


 カシムは青年から刀を奪い取り、岩に振り下ろす。


 ストン


 「…。」


 その後、全員が試してみたが、結果は同じだった。そして、その場で剣や槍などを作って使わせてみた結果、ドラゴンは刃物(武器としての)を全く使えないということが分かった。




 作った武器は『武軍』に加えた。

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