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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
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3

衝撃の事実が判明!?

ドゴ!


 「ぐあ!」


 優は、筋骨隆々の男に、壁際まで吹っ飛ばされる。


 (くそっ!どうしてこうなった!?)


 優は、心の中で悪態をつく。


 優を吹っ飛ばした男は、この国の騎士団長、ユーリ・ガルガノフだ。


 「はっはっは!どうした優!?立て!戦場では敵は待ってはくれないぞ!」


 ユーリは何かを叫んでいるようだが、吹き飛ばされたダメージで優は気絶してしまった。


 事の始まりは、朝まで遡る。


 


 朝食を終え、優たちは、兵士たちの訓練場に来ていた。訓練場は、三方が壁で囲まれており、もう一方は城が接している。壁は、城の正面の壁だけが赤く、この訓練場を二つに分けるとき、赤い壁から半分を壁側、もう半分を城側と呼ぶらしい。


 「吾輩の名はユーリ・ガルガノフだ!この国の騎士団長を務めておる!」


 そう大きな声で挨拶したのが、ユーリだ。まだ眠気が取れていない優の頭は、その声と迫力で、無理やり覚醒させられた。


 「お前たちはこれから一週間ここで訓練した後、魔物と戦っていただき、その後一か月、魔物との戦いに慣れてきたら、魔王討伐のための旅に出てもらう!いいな!死にたくなかったら、死ぬ気で訓練しろ!」


 『はい!』


 ユーリはクラスメイト達の返事に満足そうにうなずくと、言葉をつづけた。


 「これから、魔法組と戦士組に分かれて、訓練を始める!魔法組は訓練場の壁側半分、戦士組は城側半分で訓練をする!各自、自分の組の場所へ行け!」


 魔法組と戦士組の分け方だが、魔法系スキル(火魔法、水魔法等)を持っているのが、魔法組。戦士系スキル(剣術、体術等)を持っているのが、戦士組である。


 しかし、優はどちらも持っていない。


 「あのー、僕どっちに行けばいいんですか?」


 優は、ユーリに聞いてみた。


 「ん?お前は確か、ステータスは高いが、スキルを持っていなかったやつだな?よし!俺が適性を見てやる!おい!誰か!こいつに木剣を持ってきてくれ!」


 何か、話が変な方向に行き始めたのを感じた優は、魔法というものに興味があったのもあって、そちらに逃げようとしたのだが、


 「あ、僕魔法組のほうに…」


 「さあ!模擬戦をするぞ!小僧!」


 優の言葉は最後まで続かなかった。


 そして数合打ち合った後、冒頭のシーンに戻る。


 (あれ?ここ何処だろう?医務室っぽいけど…。あ、そうか。気絶したんだ。ったくムチャするよあの人も。)


 優は、ステータスを確認するために、自分に鑑定をかける。


 「鑑定!」


===============================================


名前:ユウ・ウミハラ


性別:男


種族:人間


レベル:1


生命力:800/1050


魔力:1600/1600


筋力:205


敏捷:310


防御:300


魔攻:410


魔防:355


運:80


スキル:異世界言語、鑑定、剣術、身体強化


ユニークスキル:還元、武才


称号:異世界の勇者、武の天才


===============================================


 (ん!?な、何だこれ!?)


 優のステータスは、何か微妙に上がっていた。


 (て、言うか何だこのスキルと称号!?とりあえず、鑑定!)


 剣術:剣が扱いやすくなる。


 身体強化:魔力を消費することによって、自身の肉体を強化できる。魔力次第でどこまでも強化できる。


 武才:武のの天才の称号を持っているものに与えられるスキル。鍛錬をすることによって、得られるステータスに補正。武に関するスキルを習得しやすくなる。


 武の天才:戦いにおいて、圧倒的な才能を持つ者に与えられる称号。スキル、武才をゲットできる。


 とんだチートである。


 (な、何だこりゃ?武才なんて昨日はなかったんだが。)


 色々解せない点はあるが、とりあえずなぜステータスが上がったかは分かった。


 コンコン


 優がステータスの確認を終えると、見計らったように医務室のドアがノックされた。


 「どうぞ。」


 優は、ベッドに上半身を起こして、ドアのほうを見る。


 「邪魔するぞ。」


 入ってきたのは、クラスの担任、武田園香先生だ。


 「あ、叔母さん来てくれたんだ。」


 「なんだ優起きてたのか。」


 そう、優の母、海原加奈子は、旧姓を、武田加奈子といい、今ここにいる武田園香の、実の姉なのだ。


 「お前に叔母さんって呼ばれるのはまだ慣れねーな。で?どうだ?体の調子は?」


 園香は苦笑いを浮かべながら、そう聞いてくる。


 「わるいようにみえる?」


 優はいたずらっ子のような笑みを浮かべてそう返す。


 「見えねーな。」


 それに対して園香は、笑いながら返す。


 彼らが親戚であることは、学校でも、ほとんど知られていない。


 「何か食いたいものがあったら持ってくるぞ。」


 園香がそういってきたので、優はお言葉に甘えることにする。


 「じゃあ、おなか減ってるから、がっつり食べられるもので。」


 そう言いながら、優は窓の外を見ると、日が沈んでいた。


 (訓練を始めたのは昼前だったから、大体八時間ぐらいは寝ていたのか。)


 ちなみに、この世界は今秋で、日没は大体六時である。


 「俺、八時間もねてたんだ…。」


 優がそういうと、今まさに部屋を出ていこうとしていた園香が、ばつが悪そうに顔をしかめた。


 「いや、優、お前は、一週間ずっと寝ていたんだ。だから、明日は魔物と戦いに行くんだ。」


 「は?」


 衝撃の事実が園香の口から放たれた。


 「え、えー!?ちょ、ちょっと待って!?一週間!?まじで!?」


 「ああ、あれから一週間たった。じゃ、メイドに食事を運ばせるから、良く休むんだぞ。」


 そう言って、園香を部屋を出て行った。


 優は、諦めて、メイドが持ってきた食事を食べ、明日の準備をした後、眠りに入った。

衝撃の事実とは、園香が叔母だということです。

この次か、その次の話で、胸糞(個人的に)な展開があります。


感想など、お待ちしています。

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