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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
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37

 「じゃ、薬出しとくね。」


 「ありがとうございました!」


 戦士風のドラゴンが診察料を払って帰っていった。診察料は要相談だ。理由としては、腕が切断された傷を治すのと、骨折を治すのを同じ値段にはできないからだ。彼に渡したのは傷薬だ。もちろんカシムが作ったことによって塗った瞬間傷が全回復するというふざけた性能になっている。


 「次に方~。」


 カシムは次のドラゴンを診療室に呼び込む。診療所は地球のものとほぼ同じで、違いがあるとすればベッドがないことだけだろうか。ちなみにさっきからドラゴンドラゴン言っているが、みんなちゃんと人化している。


 「今日はどうしました?」


 「目が見えずらくなる病気にかかったのですが、治せますか?」


 入ってきたのは、青色の髪をポニーテールにしているお姉さんだ。胸は…、触れないでおこう。まあ、人は完璧ではないとだけ言っておこう。


 「ふむ?そんな病気聞いたことないですね。『診察』」


 カシムは光魔法の『診察』を発動させる。これはカシムのオリジナル魔法だ。診察の結果がこれだ。


===============================================


状態異常:なし


視力:右・0,5 左・0,5


===============================================


 要は目が悪いだけである。しかし、そうなるとカシムは治せない。


 「これは治せませんが、状態をよくする道具を作りますね。」


 カシムは土系魔法を使ってレンズとフレームを作る。フレームがない奴を想像すれば大体おんなじものになるはずだ。


 「これは?」


 「それは眼鏡という。俺のせいの目が悪い奴は大体これをつけていた。」


 「そうなんですか。ではさっそく。…!?」


 お姉さんは目を見開く。


 「見える!見えます!カシム様、ありがとうございます!」


 お姉さんは診察料を払わずに帰っていった。


 後日払いに来てくれたから問題なかったが、もし払わなかったら鬼と化す…、ルキが。


 お姉さんだが、眼鏡をかけた姿が一部の者達に受けたらしく、一部の住人がファンクラブを作った。メガネ萌えはどんなところでもあるのだと痛感した瞬間だった。

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