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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
28/148

26

ちょっと短めです。

 百六十一層からの敵は蝙蝠だった。そのためか、このエリアは真っ暗だった。しかし優にそんなものは関係ない。暗闇など関係なしにどんどん先に進んでいき、魔物を見つけ次第すぐに殲滅している。それは、ユウの持つスキルの、【空間把握】のおかげである。


 難なく暗闇のエリアをクリアしたユウは、次のエリアに足を踏み入れる。するとそのエリアにいたのは、美しい羽をもったクジャクだった。ユウは一瞬だけその羽に見惚れると、すぐに殲滅を開始した。クジャクの羽は全てユウが回収していた。


 次のエリアに出てきたのはライオンだった。ユウは戦闘が面倒臭くなってきていたため、【再現】でライオンの死を再現した。そうすると、ライオンは次々と死んでいく。


 「やっぱり便利だなこれ。」


 ユウは【再現】のスキルの有用性を再認識した後、次のエリアに降りて行った。


 次のエリアで出てきたのはグリフォンだ。グリフォンは伝承の通り、鷲の上半身にライオンの下半身を持った魔物だった。鳥の部分だけならうまかった。


 「もう絶対に突っ込まない。」


 ユウはボス部屋の扉をゆっくり開ける。


 「俺の名はルシファー!とりあえず死ねクソ野郎!」


 扉を開けた瞬間に何かが襲い掛かってきた。ユウは冷静に襲い掛かってきた何かの首をはねる。


 「もう、まともなやつはいないのか。」


 ユウは全てをあきらめたような顔をしながら次のエリアに向かう。



 ユウは今ボス部屋の前にいた。このダンジョンは、最初のエリアを除いてある規則性があった。七つの大罪になぞられているという規則性が。魔物も、悪魔も、七つの大罪という共通点でいえば同列とされる。では、一番最初のあのサルは何だったのか?そして、この最下層のボスとはいったい何なのか。その疑問が、ユウを最下層のボス部屋に入れることを躊躇わせた。


 「よし、行くか。」


 ユウは覚悟を決め、扉を開ける。


 「ヨウ!ヨウ!俺様復活!さらなるパワー!お前絶望!俺は渇望!」


 最初のエリアのサルがいた。もちろんそっと扉を閉めた。


 そして扉から離れると、部屋ごと消し飛ばすための魔法を構築する。


 「タケミカツチ一京分の一。」


 ユウは今自分が使える最強の魔法、『タケミカツチ』を、本来の強さの一京分の一の強さで放った。


 ズドーン!


 その威力はダンジョン全体を揺るがし、地上では「ダンジョンな魔物が出てくるのでは!?」と、大混乱に陥った。勿論それをユウが知るはずもなく、ボス部屋があったところを確認する。


 「おおー。これすごいな。」


 ユウはボス部屋の惨状を見ながらつぶやく。ボス部屋二は何も残っていなかった。さっきのボスも、ちらっとしか見えなかったが、確かにあった禍々しい装飾品も何もかもなくなっていた。


 「ん?階段?」


 しかし、ボス部屋の中央あたりに階段を見つけた。とりあえずユウはその階段を下りてみる。ユウはここが最下層だと思ったが、違ったようだ。


 「まだダンジョンは続くのか。」


 ユウがそう呟くと、何処からか声が聞こえてきた。


 「いや、あそこが正真正銘の最下層。ここは隠し部屋だ。」


 鈴のようなきれいな声が響いた。ユウは警戒心をマックスにして、声がしたほうを見る。


 「お前みたいなガキがこのダンジョンをクリアするとはな。」


 そこには何本もの鎖につながれた少女がいた。その少女はじっとユウのほうを見つめる。


 「神が憎いか?」


 少女が発した言葉に、ユウは少女をまじまじと見つめる。


 「私と同じ目をしている。」


 少女はそう言ってほほ笑んだ。


 ユウはその笑顔を一生忘れることはないだろう。

ユウは少女に惚れましたね。(ニヤニヤ)

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