25
少しネタバレするので、読みたくない人は飛ばしてください。
昨日、兄弟に戦闘シーンが雑だと言われましたので、
じゃあどう戦闘を盛り上げろっていうんだ!?ユウは魔物最強格のルキより圧倒的に強いんだぞ!そしたら大体の魔物なんて正にアリとおなっじだろ!そんな強さの主人公の戦闘シーンってめっちゃむずいんだぞ!俺の苦労なめんな!
と、心の中であらぶっていました。この先、ユウはあまり戦闘をするシーンがありません。二章になると、一応力を封印します。
八十一層からは、ゴブリンが出てきた。それもただのゴブリンではない。出てきたのはゴブリンキングと、ゴブリンエンペラーのみだった。
もちろんユウはそれを障害などとは思わず、どんどん進んでいく。
八十六層で問題が起こった。そう、キツネが出てきたのだ。キツネは一応猫目、つまり猫の一種だ。無類の猫好きであるユウにとって、猫は殺すことができなかった。
結局ユウは襲い掛かってくるキツネ全てをモフり、次の階層に進んでいった。
九十一層から出てきたのはハリネズミだ。大量の針を弾幕のように放ってきたのだが、ユウはそれをすべてキャッチした。
ユウはこの針を改造して、武器を作った。
===============================================
銘:操魔千本
レア度:SS
能力:乱魔
備考:自分の魔力を通して投げることにより、刺さった相手の魔力を狂わせ、うまくいったら自爆させることができる。
===============================================
かなり使い勝手がいい。ユウはただダンジョンをクリアするのも面白くないため、この武器のみでダンジョンをクリアすることにした。
九十六層からはカラスが出てきた。ユウは先程作った千本を使い、カラスを殲滅していく。半分くらいのカラスは自爆させることができたが、他は死んではいるが、爆発はしなかった。
九十七層では、魔力の流し方を工夫して爆発させずに殺したり、体の一部を爆殺させたりできるようになった。
それ以降の層は魔力を糸状に伸ばし、その糸の先に千本をくっつけ、自由自在に操れるように練習した。そのおかげで、ボス部屋にたどり着くころには千本名扱いは完璧になっていた。
「我が名はマモン!我に美味なものを持ってこい人間!」
「お前は強欲だろうが!」
おなじみの突っ込みでボスを倒したユウは、下へと降りていく。
ユウは次のエリアに入った瞬間、吐くのを必死にこらえることになった。なぜならそのエリアにいた魔物はハエだったからだ。
「カグツチ。」
ユウが魔法名を唱えると、炎がエリア全体を覆いつくした。ユウは魔物がリスポーンする前にそのエリアを走り抜ける。
「…。」
次のエリアにいた魔物は、汚らしい豚だった。匂いもひどく、ユウは鼻を手で覆う。
ユウは口を開くことなくカグツチを発動させる。この豚肉をユウは絶対に口にすることはなかった。
次のエリアでは、虎が出てきた。ユウは猫好きだが、虎はさすがに愛でたいとは思わないため、千本を使って殲滅していく。今度は相手のツボを見抜き、そこに千本を指すことで、弱体化させることができるようになった。
「何だこの地獄は。」
次のエリアで出てきたのはケルベロスだ。ケルベロスは地獄の番犬のため、ユウが言ったこともあながち間違いでもないのかもしれない。
ユウは千本の普通の使い方である、暗器として、相手に気づかれないように殺していく。
ボス部屋に着くと、ユウは絶対に突っ込まないことを心に誓い、扉を開く。
「あん!ああん!ん?お客さん?私はベルゼブブ…。」
ユウは何も見なかったことにして、一瞬でそこにいた女を殺した。ユウは何も突っ込んでいないが、中にいた女は何かを女性器に突っ込んでいた。
「お前は暴食だろ?」
ユウの問いに答えるものは誰もいなかった。
次のエリアに出たのはサキュバスだった。サキュバスは、夢魔、淫魔とも呼ばれ、夢に現れ人間の精気を吸う。そう、夢に現れてだ。ユウはレナが死んでからというものあまり寝ていないため、魔物がいるのはわかったが、襲ったりせず素通りしていった。このエリアを出るのに三週間かかったが、ユウは一睡もしなかった。
次のエリアは所々岩が出ている山だった。そして出てくる魔物はもこもこの羊だった。
「これは、明らかに羊だが、山にいるということは山羊か?。」
実に馬鹿なことを考えているユウだが、正解である。この世界の山羊は、地球でいうところの普通の羊で、普通の羊が山羊となっている。そのため、これは本当に山羊なのである。
「ま、いいか。」
とりあえずユウは羊を殲滅していく。驚いたのが、この羊たち、ケルベロスよりも強いのだ。そのことにユウは心底驚いた後、自分にとってはザコであることを思い出し、次々と殲滅していく。
さて、ジンギスカンパーティー(ユウ一人だけ。)も終わり、次の階層に進ユウだったが、今少し困っている。なぜなら、次の層に出てくる魔物がサソリだったからだ。ユウはサソリの毒に対する薬を持っていないため、万が一の時が心配なのだ。
「ま、万が一なんてないか。」
ユウは先程まで悩んでたのは何だったのかと聞きたくなるぐらいあっさりとサソリに突撃していった。
「うう、死ぬ。」
はい、万が一ありました。最後の層のサソリの毒が吸引する毒で、それに気づかず見事に吸ってしまった。
「やっべ。」
ユウは、最後の抵抗とばかりに【再現】のスキルを使って健康なっ自分を再現してみる。結果から言うと、それで治った。
「便利だな。」
ユウは【再現】で何ができるか試してみた。その結果、SSランクまでの武器防具は再現でき、ランクはまちまちだが近代兵器も再現できた。さらに魔法もあらかた再現できた。
ユウは確認を終えると次のエリアに向かって進んでいった。
次のエリアに出たのはウサギだった。もちろんユウは愛でまくってからボス部屋の前まで来た。あんな可愛い生き物をユウが、いや、人が殺せるはずがない。
とりあえずユウはボス部屋の前に立ち、扉を開ける。
「ふん。ここまで来たことは誉めてやろう。しかし、お前の歩みはここで終わる。なぜなら我こそが最強!アスモデウス様だからだ!」
ユウは少しだけ威圧しながらアスモデウスに近づいていく。
「お前アスモデウスだよな?暴食だよな?何で傲慢なんだよ?」
「ひ!し、知りません。私が生まれた時からそうなので。」
ユウはもうあきらめ、下に進む。
「通っていいよね?」
「も、勿論でございます!」
アスモデウスはあっさりユウを通してくれた。
「ありがとう。」
ユウは満面の笑みでそう返した。
ユウが次のエリアへの階段を下りていると、アスモデウスの絶叫が聞こえた気がしたが、気のせいだと言い聞かせて下に降りて行った。




