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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第三章 二度目の異世界
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142 雪姉とカミール

「雪姉が、カミール・・・?」


 俺はカミュラに問い返す。


「そうだ。」


 カミュラは短くそう返す。


「それに、カミールだった時の記憶ももう戻っているだろう。」


「!?」


 その言葉に、俺は目を見開く。


「何故それを知っている?」


「何故って、カミールの記憶を取り戻させたのは私だ。あのステータスを授けた時にもうカミールは記憶を取り戻している。」


 俺はそれを聞いて、黙り込む。


「彼女は・・・。」


 しばらくして、俺は口を開く。


「雪姉なのか?それともカミールなのか?」


「そうだな。彼女はカミールであり、浜野雪でもある。お前が海原優であって繭澄椎名でもあるように。」


「だったらなぜ・・・!?」


「いまだお前といるのか・・・、か?」


「っ!?」


 俺はカミュラに図星をつかれ、黙り込む。


 カミュラは溜息をつくと、立ち上がる。


「お前は雪と話し合うべきだ。」


 カミュラはそう言って、神界に変えるべく魔法を発動させる。


「ああ、そうそう。」


 カミュラは俺の瞳をじっと見つめる。


「雪。いや、カミールはお前のことなど恨んでいない。」


 カミュラはそう言って姿を消した。


「ん?」


 カミュラが立っていたところには一枚の紙が転がっており、俺はそれを拾い上げる。


『私の依頼を完遂してくれてありがとう!これでこの世界から差別が無くなったよ。

君には本当に感謝している。


カミュラ。』


(これは一番最初に言うべきことだろうが!)


 俺の心の中で叫び声をあげる。



 場所は変わって俺は雪姉、の部屋に来ている。


 俺はなかなか覚悟が決まらずに、部屋の前でうろうろする。


 やがて覚悟を決めた俺は思い切って部屋のドアをノックする。


「はーい。って椎名?どうしたの?」


 いつもは使用人に雪姉を呼びに行かせていたため、俺がこうやって雪姉の部屋に来ることはほぼない。それに加え俺の顔は自分でも分かるほどに思い詰めているため、雪姉は心配そうに俺に聞く。


「話がしたいんだ。入っていいか?」


「う、うん。いいよ。」


 雪姉は俺を部屋に招き入れると、部屋にあるソファーに座る。俺もその向かいに腰を下ろす。


「「・・・。」」


 向かい合う俺達に会話はない。俺はなかなか話を切り出せずに、雪姉は俺の話を聞こうとしているからだ。


 やがてその静寂に耐えられなくなった俺は、直球で聞いてみることにした。


「雪姉がカミールだって本当?」


「・・・・お姉ちゃんに聞いたのね?」


 しばしの沈黙の後、雪姉はそう言った。


「・・・おれの事を恨んでいないの?」


 俺は恐る恐る聞いてみる。


「全然。それに、前にも言ったでしょ?私はあなたのことを愛しているって。」


 そうだ。雪姉が自分のことを恋人にしろと言ったのは記憶が戻ってからだ。


「じゃあ、元々・・・。」


「うん。私はあなたのことが好きだったよ。」


 雪姉はそう言って優しく笑った。


「あ!で、でも、椎名が私のこと嫌いだったって言うなら、私は消えるよ?」


 雪姉が慌ててそう言うので、俺は雪姉を抱きしめる。


「俺も、雪姉が・・・、いや、カミールのことが好きだったよ。」


「椎名!」


 この後、俺は雪姉にめちゃくちゃ犯された。

多分次で終わりです


読んでくださってありがとうございました。

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