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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第三章 二度目の異世界
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142 世界平和

 サラハード王国との戦争はその後あっけなく終わった。勿論俺達レムナットの勝利でだ。


 雄大をカグツチの炎で焼いた後、俺達はサラハード軍に降伏勧告をした。


 敵将は俺達との圧倒的な力の差を理解し、降伏。俺達はすぐさまサラハードの王城まで赴き、サラハード王国の王族を捕縛。終戦を宣言した。


 ムガシル帝国に続き、サラハード王国を下した我らレムナットは、名実ともに世界最強の国家となった。


 その後、レムナットを仲介して各国との貿易が始まった。各々の国がそれぞれの名産品をレムナット経由で輸出、輸入することとなった。


 驚いたことに、ムガシル帝国までもがこの貿易に参加した。なんでも、ムガシル帝国内で不満を募らせた民がクーデターを起こしたらしい。


 クーデターは無事成功し、今ではムガシル帝国の皇帝は皇帝とは名乗っておらず、ムガシル帝国はレナーン王国と名を改め、亜人や魔族たちとの交流を積極的に行っている。


 今はレムナットが仲介している貿易だが、やがてレムナットを仲介することは無くなるだろう。


 こうして、この世界には平和が訪れた。と言っても、この平和は一時的な物だろう。


 同じ人同士でも戦争は起こるのだ。これが多種多様な種族が暮らすこの世界だと、どうしても相容れない種族が出てくる。


 それでも俺や、レムナットの民がそのどちらかに肩入れすることはないだろう。


 俺達レムナットは力を持つゆえに、無用な争いはしない。自分たちにかかる火の粉は全力で振り払うがな。


 とにかく、この世界から差別らしい差別は無くなった。


 『差別をなくす。』


 言葉にしたらなんて薄っぺらいのかと笑いたくなる。


 こんな理想を、結果的にはやり遂げた。これまで何人の人間が、亜人が、魔族がこの言葉を口にして、失敗したのだろうか。


 それは俺には分からないが、今まで誰も成し遂げられなかったことを成し遂げたという事は、なんとなく達成感があった。


「お前も俺のことを見ていてくれていたか?カミール。」


 俺は自分が成したことを振り返り、今は亡き愛する者へと問いかける。


「ええ、勿論。」


 誰もいないはずの自室に、女の声が響いた。


「カミュラか?」


 だが、俺は別に慌てたりはしない。その声に聞き覚えがあったからだ。


「ええ。」


 カミュラは俺が振り返ったのを確認して、答える。


「で、カミールが俺のことを見ているってどういうことだ?」


「やっぱり、まだ気が付いていなかったのね。」


 カミュラはそう言ってため息をつく。


「カミールもあなたと同じように転生しているの。」


「何!?それは本当か!?」


 俺はカミュラにつかみかからんばかりに詰め寄る。


「ええ、本当よ。そして、彼女はあなたのすぐそばにいる。」


「なっ!?」


「浜野雪。彼女こそが生命の女神カールが転生した姿よ。」


 カミュラが言ったその一言に、俺は衝撃で時が止まったかのように錯覚した。

やりたいことも全部やったので、あと数話書いたら完結すると思います。

今までありがとうございました。

何か要望がありましたら、遠慮なくおっしゃってください。

ノベ〇ルバのユーザーさんも大歓迎です。

読んでいただきありがとうございました。

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