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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第三章 二度目の異世界
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139 開戦

 一番最初にそれ(・・)を見つけたのは、陣地に建てた簡易的な櫓で見張りをしていた視力の高い鷹の獣人の兵士だった。


 その兵士からの報告を聞き、俺達も自分たちのテントから出て鷹の獣人の兵士が見た方角と同じ方角を見る。


「おいおい、マジかよ。」


 俺は若干呆れが入った口調でひとり呟く。


 鷹族の兵士が報告した方角―――北を見ると、そこには純白の巨人たちが整列していた。その数は軽く百を超えると思われる。


 その武骨なフォルムから、機械であることが伺えるが、この世界のロボットに人型の物はなかったはずだ。そう、誰かがそれを発案しなければ。


「勇者か・・・・・。」


 俺はあれらの巨人を設計、製作した人物に当たりをつける。確か召喚されたクラスメイトの中に生産職の人間がいたはずだ。恐らくそいつが作ったのだろう。


 しかし、それらのロボットたちは俺が作ったイシュタムほど大きくなく、イシュタムが十五メートルなのに対し八メートルほどしかない。


 それでもここからでもその装甲の厚さや、機動性能などが良いことがわかるほどの圧力を放っている。


「ははっ。ははははははは!」


 俺はそんな中で笑う。まさか、相手も同じことをしてくるとは・・・・・・と。


「俺らも準備するぞ。」


 そう言って、指示を出す。


 俺の指示を受けた兵士はそこにあったレバーを引く。


 すると、俺達の陣地の前の前の地面がせりあがっていく。いや、地面に偽装されたハッチが開いていく。


 ハッチが完全に開くと、黒い色をした機械の塊がゆっくりと上昇してくる。


 そう、相手と同じ人型のロボットだ。その数は五十ほど。


 大きさはイシュタムと同じ十五メートル。これはレムナットの技術者がイシュタムを解析して作った物だ。名付けられた名はフレースヴェルグ。北欧の悪魔の名を冠した人型ロボットだ。


 俺達はそれぞれの機体へと搭乗する。


 やはりというべきか、相手方からは動揺する気配を感じ取ることができる。


「さあ、行くぞ!」


 俺達は敵軍へと突進していく。


 後に『パルスの悪夢』と呼ばれる戦いが幕を開けた瞬間だった。

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