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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第三章 二度目の異世界
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137 ギルド

 レムナットを建国して二か月。俺達は建国当初の課題となっていた食料問題に悩まされることもなく、平和な時間を過ごしていた。


 このレムナットには畑がない。ある程度の空き地はあるが、それらの土地は畑を作りには硬く、それに栄養もなかった。


 それにこの国には森や山、草原などと言ったものもなく、そのため野生動物もいない。


 そのため、建国当初俺はこの国の食糧事情に頭を悩ませたのだった。


 しかし、その問題はあっさりと解消された。


 話は逸れるが、全ての国にはそれぞれの特色がある。


 例えばムガシル帝国は軍事力。亜人連合となる前の獣人の国は個の戦闘力。同じくエルフは魔法。


 ならば我が国、レムナットではどうか。


 レムナットの強みは、『技術力』と、『国自体が動いている』という事だろう。


 レムナットの技術力は今更説明する必要はないだろう。俺が作った魔道具の理論を一部とはいえ解明できるのはこの国の技術者だけだ。


 そして国そのものが動くという事は、交易に物凄く有利に働く。何せ、数日すれば必ずと言っていいほどまた来るのだ。交易するには絶好の条件と言えるだろう。


 最初は俺達の国が他種族国家だからといい顔をされなかったが、こちらの技術力を見せつければやはり魅力的なのか交易を始めてくれた。


 そして、いま最も大きな収入源となっているのは『ギルド』だ。


 驚いたことにこの世界には冒険者ギルド以外にギルドとい言う物が無いらしい。


 そこで俺達は自分たちでギルドを作ることにした。そして俺達が作ったギルドは四つ。


 魔物を専門に扱う冒険者ギルドとは違い犯罪行為以外なら何でも引き受ける『傭兵ギルド』。


 魔法の研究と魔道具の製造を担う『魔法ギルド』。


 傭兵ギルドと提携して素材を安く手に入れ、それを素材とした武器や各種回復ポーションを製造する『鍛冶錬金ギルド』。


 『魔法ギルド』や『鍛冶錬金ギルド』から魔道具や各種装備品、アイテムを売り、さらに商人同士での情報交換、商売を円滑に行いための仲介などを請け負う『商人ギルド』。


 ギルドを各国に作ると、まずは『傭兵ギルド』が真っ先にその国になじんだ。


 その多くはスラムの住人だ。彼らからすれば簡単な依頼で金が手に入るとのことで、あっという間にそれぞれの国に浸透した。


 次に商人ギルドが浸透した。がめつい商人の事なので、商人ギルドに入る事ので得られるメリット、情報の共有による安全の確保ができることに気が付いたのだろう。さらに、ギルドが仲介する事によって商売で損をする確率がる事にも気が付いたのだろう。


 例えば、一人の商人がある職人と取引をしたとして、その職人は商人に卸すはずの商品を規定通りに作らず、さらに足元を見てぼったくったとしよう。その情報は直ちに商人ギルドにあげられ、その職人は商人ギルドのブラックリストに載る。すると、その職人と取引する商人はいなくなり、その職人と取引することで承認が損をする確率が減るというわけだ。


 そしてそれぞれのギルドの本部は全てレムナットにある。レムナットは傭兵以外の全てのギルドの聖地とされ、ギルドに入った者はレムナット本部に所属することが夢だとか。かなり信用ならないうわさが流れている。


 そういうわけで、俺達の国の食料問題は無くなった。今ではムガシル帝国などとも交易をしており、いまだ交易をしていない国はサラハード王国のみ。


 さてさてこの先どうなるかが楽しみだ。

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