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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第三章 二度目の異世界
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132 国

 中庭に出た俺は、魔力を練り上げる。発動するのは召喚魔法。遠い場所から物を魔方陣を使って召喚する魔法だ。俺はその魔方陣を作り出す。雪姉達は拡声の魔方陣を作り上げ、王都中に俺の声が届くようにしている。


 そうしているうちに、俺の魔方陣が完成した。その魔方陣は王都を丸々包み込んでもまだ余裕があるほど大きい。魔方陣だけで港区と同程度の面積がある。


「出でよ。空中都市レムナット!」


 俺が叫んだ瞬間、魔方陣から何かがせり出してきた。


 まず最初に出てきたのは四本の塔だ。四本の塔は、魔方陣の中央からセリ出てきた。さらに、その四本の塔の中心からさらに塔のようなものがセリ出る。いや、あれは塔ではない。城だ。


 その城は真っ白で、見るものを全て魅了した。その証拠に、先程までパニックになっていた城下が静かになっている。


 城が全部出ると、次は家がセリ出てきた。いや、家というより街か。セリ出てきた家は一つではなく、何十、何百と出てきた。正確な数は面倒くさくて数えていないが、千以上あることは確かだ。


 街が全て出ると、次の物が出てくる。地面だ。


 この街や城は土の上に立っており、その土は岩の上にあった。いや、これを岩というには大きすぎる。これは、島と言ったほうが良いだろう。


 魔方陣から出てきた島は、王都に落ちることなく空中にたたずんだ。


『王都に住む民たちよ!俺の名前はシイナ・マユスミ!以前はユウ・ウミハラと名乗っていた!突然だが、俺と、その仲間たち、勿論レナもこの国を離れ、新たな国を作る!国の名前はレムナット!俺達が住んでいた世界の本当の名をいただいた!俺達と共に来たいという者はこの島に上がれ!移動手段は簡単だ!町の各所に転移の魔方陣を設置したので、そこから転移してこい!以上!」


 俺は一気にそこまで言うと、息を整える。


「せて、行くぞ。俺たちの国に。」


 俺はそう言ってレナ達を見るが、皆口を開けて呆けている。


「えっと、椎名君、これ何?」


「え?言ってなかったっけ?」


「「「「「「聞いてない聞いてない!」」」」」」


 彼女たちの鋭い突込みが入る。


「ごめんなさい。」


 俺は素直に謝った。


「まあ、いいんだけどね。椎名君の事だし何かあると思ってたよ。まあ、まさかこんなものを作ってたなんて想像できなかったけど。」


 俺達は笑いあって、城の中に転移した。


『空中都市レムナット、建国』この知らせは瞬く間に世界に広がった。さらに、その空中都市については様々なうわさが飛び交った。


 曰く、どんな種族、犯罪者以外ならどんな人間でも受け入れる。

 曰く、この世で一番自由な国。

 曰く、今の技術では到底実現不可能な物が普通に町の広場などに設置されている超文明的な国。

 曰く、誰もが幸せそうな幸の国。


 後に「終わりの楽園」と呼ばれる国が建国した瞬間だった。

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