130 恋
適当に書いたので、そこのところを理解して読んでいただけると幸いです。
魔王上の一角、レナの私室には今重苦しい沈黙に包まれていた。その原因は部屋の中央で正座して(させられて)いる俺と、その腕をがっちりホールドしているルキだ。
そしてその俺達の周りには、氷よりも冷たい目をした雪姉達がいた。
「で、椎名君。これはどういう事かな?」
最初に口を開いたのは紫音だった。
「どう・・・、とは?」
「とぼけないで!」
紫音は声を荒げる。だが、俺には本当に心当たりがない。
「今日初めてあった人が、そんなに椎名君に好意を寄せるわけないでしょ!しかも椎名君もまんざらでもなさそうだし!」
「え、俺ら初対面じゃないけど。」
「え?」
「こいつ、俺のレムナットでの従魔にして妻の龍帝、ボヴァルキア。」
「初めましてカシ・・・、椎名の妻のボヴァルキアです。以後よろしく。」
俺とルキの言葉に、部屋の空気が凍り付く。
「それ、本当ですか?」
何やら険しい表情をしたスミレが問いかけてきた。
「はい。本当です。」
「二人はやっぱり、その・・・・・・、したのよね?」
スミレは確認するようにそう言った。
「ええ、した。子供も身ごもった。まあ、産む前に死んじゃったけどね。」
そう言ってルキは悲しそうに笑う。
「あ。ご、ごめんなさい。」
「いえ、いいわ。で、続きは?」
「あ、そうでした。椎名君!」
「はい!」
「付き合ってください!」
「はい!・・・え?」
俺はスミレの発言に目を瞬かせる。
「やった!次は?」
スミレは嬉しそうな表情で後ろを振り返る。
「「「「「私が!」」」」」
そして、後ろにいた女性全員が手を上げた。
「え?え?」
「「「「「椎名!」」」」」
「は、はい!」
「「「「「付き合って!」」」」」
「え?でも、俺には妻が・・・。」
「椎名君、この世界は重婚ができます。この意味わかりますよね?」
「な!まさか!?」
「そのまさかよ!」
俺は悟った。これは逃げられないやつだ。と。
「分かったよ!でも、俺はみんなのこと本当に好きだからない!」
俺は顔を真っ赤にしながら部屋を飛び出した。
この日、俺には一人の嫁と、六人の彼女ができた。