表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
12/148

11

そういえば、【妖刀イカヅチ】についてですが、雷のことを指すなら【イカズチ】が正解です。【イカヅチ】は、昔の言い方になります。

 さて、今のところルキはただの大飯食らいのバカドラゴンというポジションにいるわけだが、本来ルキの目的はユウを乗せ、簡単には行き来できない、大陸間の移動をするためである。そのことをルキに説明したのだが、ルキはきょとんと首をかしげ、衝撃の事実を口にする。


 「この世界には、大陸は一つしかないぞ。」


 そう、この世界には大陸は一つしかなく、他にあるのは、人が住んでいない無人島ばかりである。この世界に来てから、そのような地理など学ぶことなどできなかったユウは、その事実に驚愕する。


 「い、いや、そう言われてるだけで本当はあるんじゃ?」


 「いや、ないのう。なんせ、我自ら大陸を探しに海の向こうへ旅だったことがあるが、小さな島しかみつからんかった。」


 「え?じゃあ、お前必要ないじゃん。」


 「そんなこと言わんでくおれ!」


 ルキが、若干涙声になった。


 「冗談だ。」


 ユウがそういうと、ルキはほっと息を吐く。


 「捨てられたら、あの飯が食えなくなる。」(ボソッ)


 「ん?なんか言ったか?」


 「い、いや!何も言っておらんぞ!」


 何か、失礼なことを言われた気がしたが、気のせいだろうユウは追及しなかった。


 「あ、そうだ。それなら、魔法を教えてくれ。お前、魔法得意だろ。後、魔眼の使い方も。」


 「それなら任せろ!」


 ルキはそう言って、胸を張る。まあ、ドラゴンが胸を張ったところで、何もないのだが。


 「まず魔眼だが、魔力を目に集中させ、起こしたい事象をイメージするのじゃ。【竜眼】だったら、『相手を威圧する。』とかじゃな。」


 ルキの説明は、意外とわかりやすかった。


 「へえ、意外だな。お前のことだから、『グッとやって、ドカーン!ってするのじゃ!』ってな感じで説明すると思ったんだが。」


 「そなたは我のことを何だと思っておるんじゃ!」


 「食いしん坊ドラゴン?」


 ユウが正直に言うと、ルキは地面に突っ伏して、「我は龍帝なのに。偉いのに。」などとつぶやいている。


 ユウはそんなルキを放っておいて、目に魔力を集め、「浮け!」と念じる。すると、ユウの体が浮きだした。そして、ユウはどんどん地上から離れていき、更に速度も上げていく。


 「おお、いいな。」


 ユウは空を飛びながらそう言った。


 ユウは地上に降りて、いまだうなだれているルキを見る。


 「やっぱこいついらなくね?」


 ユウはそう言うが、ルキの耳には入ってきていなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ