111 冒険者ギルド
職業を授かり、ある程度の訓練を終えた俺たちは、自身のレベル上げをするために魔物を狩ることになった。そこで、魔物を狩る効率を上げるためパーティーを組むことになった。勿論、俺のパーティは雪姉、詩帆、紫音、楓、スミレのいつものメンバーだ。他の生徒は四人パーティーや、六人パーティーのところもあるが、俺達にはこれで十分だった。
そして、王国の勧めで俺たちは冒険者ギルドに来ていた。
俺達勇者の存在は広く認知されており、俺達が町を歩くと注目を集める。
冒険者ギルドは木造の三階建てで、一階が酒場兼受付け、二階が上位冒険者専用の受付、三階が職員用のスペースとなっている。
俺たちは勿論一階で冒険者として登録することになる。なので、俺は受付に受かって歩いていく。
「こんにちは。今日は何の御用ですか?」
受付嬢は美人の女性だった。別に美人だから選んだわけではなく、受付嬢は全員美人だったのだ。
「ああ、冒険者登録をしたいんだが。」
「わかりました。それでは、この紙に必要事項を記入してください。代筆は必要ですか?」
「いいえ。いりません。」
不思議なことだが、俺達はこの世界の言葉を話せるし、書ける。スキルにはそう言ったものがないのだが、それは召喚されたとき自動的に備わったのだろう。
俺は絶えず笑顔を浮かべる受付嬢から紙とペンを受け取る。
俺は必要事項・・・名前と職業を書いて、受付嬢に渡した。
「『雷帝』・・・。二文字ですか。」
受付嬢は深くため息をつく。
「いいですか?二文字が全て弱いとは言いませんが、それは少数です。元々傭兵などで、借金のせいで奴隷になった方など以外で強い二文字はいません。わたったら今すぐに出ていってください。」
受付嬢は先程浮かべていた笑みを引っ込めて、敵意すら宿る視線を向けてきた。
「お前の業務内容は何だ?」
俺は受付嬢と同じ目線まで浮かんで、受付嬢に問いかける。
「え?何で浮かんで・・・。」
「お前の業務内容は何だ?」
受付嬢は何かを言っているが、俺は無視してもう一度質問をする。
「・・・。」
答えがないので、俺は質問内容を変える。
「お前の業務内容は冒険者登録をするのを拒否することか?」
俺の質問に、受付嬢は俯く。
「・・・違います。」
「じゃあ、早く登録しろよ。」
「わかりました。これが冒険者カードになります。」
「最初からこうしてろよ。カスが。」
俺は吐き捨てるようにそう言うと、受付から離れていく。紫音達は他の受付で冒険者登録している。
俺は適当な席について、紫音達を待つことにした。
「おい、てめぇ。」
俺が席に着くとほぼ同時に、俺の背後から声がかけられた。
「ん?」
俺が後ろを向くと、高級そうな装備を纏った一人の冒険者が立っていた。男はなぜか起こっており、今にも殴りかかってきそうだ。
「何か用か?」
「俺はレック・サーカス。ランク十の冒険者だ。おまえ、二文字なんだってな?」
「ああ、そうだが?」
「おほっ!まじで二文字なのかよ!じゃあ、話は早え。てめぇの連れの女俺によこせや。」
男・・レックはいきなりそんなことを要求してくる。
「断る。大体、そういうのは俺じゃなくて彼女たちが決めるものだ。」
わかったらどっか行けと俺はレックに手を振る。
「てめぇ、二文字のくせに、俺に逆らうんじゃねぇ!」
レックはものすごい速さで俺に殴りかかってきた。
「うぜぇな。」
俺は一言そう呟くと、右手を上げる。
「エアインパクト」
俺は魔法名を唱え、魔法を発動させる。
「がはああ!」
レックは派手に吹っ飛ばされる。俺は右手を下すとレックのほうに歩き出す。
「次があるとは思わないことだな。」
俺は威圧を発動させてそう言った。
「ふん。」
俺はそのままギルドの外に出る。
これから先苦労が絶えなそうだ。
俺はそん達がまだギルドの中にいたことを思い出し、慌ててギルドの戻るのだった。
感想待ってます。