表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第三章 二度目の異世界
112/148

109 ステータス

 雪姉達に俺の過去について話し終わった後、俺は雪姉達と一緒に寝た。朝になるとすぐに自分の部屋に戻った。


 俺は身支度を整えると、昨日の夕食の際に通達された集合場所へと行く。


 騎士たち曰く、もう何個かスキルを得ていてもおかしくないのでステータスプレートを配るのだとか。


 とりあえず、俺は思考を断ち切って指定された場所--神殿へと向かう。


 神殿に着くと、俺は一番だったらしくまだ誰もいなかった。


 俺はとりあえず近くにあった椅子に座り、収納から取り出した料理で適当に朝食を済ませる。


 少し経つと、ちらほらと生徒たちが集まってきた。皆自分のステータスを見るのが楽しみのようで、わくわくした顔をしている。


 「椎名おはよー!」


 大体の生徒が集まったところで、雪姉達五人が神殿に入ってきた。挨拶をしたのはスミレで、俺の姿を確認するとダッシュで駆けてきた。


 「おはよう。遅かったな?どうかしたのか?」


 「あ!そうだよ!椎名、なんでいなくなっちゃうのさ!起きたらいないんだから、色々探し回っちゃったよ!」


 「ああ、それは悪かったな。いつ起きるかわからなかったからとりあえず存分に寝かしてやろうと思って。」


 俺たちの会話を聞いていた周りのクラスメイト達が殺気立つのが分かった。


 「朝いなくなっていた?」

 「どういうことだ?」

 「あいつ、詩帆ちゃん達と寝たってことか!?」

 「ショタのくせに生意気な!」


 その後はもう罵詈雑言である。俺はそんな周りの声を無視して雪姉達と会話を続ける。


 「諸君!集まっているな!」


 しばらくすると、騎士がやってきた。そういえば、このいつも俺達に指示を出したり演説まがいのことをしている子の騎士はなんと騎士団長だという。こいつ程度なら一秒かからずに瞬殺できる自信がある。


 「では、ステータスコアを配る!これを握ってステータスと唱えると、自分のステータスが見れるぞ!後、口に出す必要はないからな!」


 すでにステータスコアと呼ばれた石を握り、叫ぼうとしていたクラスメイトが残念そうに息を吐き出す。それにしても、このステータスコア、見た目はまんま黒くて丸い石だ。


 とりあえず俺はステータスコアを握り、「ステータス」と心の中で唱える。


 すると、目の前に見慣れたステータス画面が現れた。


===============================================


姓:繭澄


名:椎名


職業:雷帝


レベル:18


種族:・・・・人間だと思ってる?


生命力:24000


魔力:測れると思ってるの?


力:S


速さ:S


耐久:S


賢さ:SSS


オリジナルスキル:武軍・血

         収納

         重力眼


武器系スキル:武器術

      体術


魔法系スキル:基礎属性魔法

       上位属性魔法

       最高位属性魔法

       空間魔法

       時空魔法


生産系スキル:武器作成

       魔道具作成


===============================================


 前世に比べたらスキルの量は少ないし、ステータスの表示も変わっている。


 姓と名はまあ、わかる。職業とレベルも、レベルは地球で少し上がったから、まあ、分かる。種族は・・・・そっとしといてくれ。


 ステータスは、いいほうだろう。若干一つ切れているものがあるが、まあ、いいだろう。


 スキルは、武器術が全ての武器を使えるようになるもので、体術がその他だそうだ。基礎、上位、最高位属性魔法は、それぞれの全ての魔法が使える。空間魔法と時空魔法は収納のおかげで手に入れたものだ。最後に、武器作成が武器を作る能力で、魔道具作成が魔道具を作る能力だ。ちなみに、この二つは別に魔力から作るとかそういうのでなく、どう作ればいいかがわかるという物らしい。


 他のクラスメイト達のステータスも見たが、皆BやCばかりだった。ただ、雄大は速さがAで、騎士たちを喜ばせた。


 「おい、二文字。お前どうだった?」


 「言うと思うか?」


 一人の生徒が聞いてきたが、俺はその生徒を軽くあしらった。


 「いえ、見せていただきたいですね。雷帝さん?」


 そこへ、騎士団長が話しかけてくる。


 「自分の手札を見せびらくほど、愚かではないんでね。」


 俺の言葉に、騎士団長は眉間に青筋を浮かべる。


 「そうもいかないんでね。見せてください。」


 「見たかったら、力ずくで見たらどうですか?」


 「じゃあそうさせてもらうよ!」


 騎士団長は剣を勢いよく抜くと、斬りかかってきた。


 俺は迫りくる剣の刃をじっと見つめる。


 「遅いな。」


 剣が俺を切り裂く寸前、剣が何かに阻まれた。


 「ゆ、指一本だと!?」


 そう、俺が付きだした指でとめたのだ。それに、指の先には結界魔法で覆っているため、傷一つついていない。


 「く、くそ!」


 騎士団長は諦めずに何度も剣を振るうが、結果は全て同じだ。


 「もういいですか?飽きてきたんですけど。」


 俺はそう言って、騎士団長の剣を人差し指と親指でつまむ。


 「まだ、まだだ!」


 騎士団長はまだあきらめいおらず、さらに力を込めてくる。


 「めんどくせえな。」


 俺は騎士団長の剣から手を放す。


 「わかりました・・・。」


 「ふん!ようやく見せる気になったか!?」


 「なわけないでしょ。」


 「は?・・・ぶげら!」


 次の瞬間、俺の右ストレートが騎士団長の腹に叩き込まれた。本当は顔を殴りたかったんだが、身長が足りなかった。


 「もいいよ。教える気はないから、黙らせる。」


 俺はそう言い残し、その場を去った。勿論、俺のステータスは雪姉達五人には見せた。


 そうそう、騎士団長が俺のステータスを見たがったわけだが、俺の正体を知りたかったらしい。まったく普通に聞けば、最低限の情報なら与えてやったというのに。馬鹿なやつだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ