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あれから軍と二度、冒険者とななど戦った。王国は追撃の手を緩める気がないようで、追手の数は一向に減らない。一度、行商人にまで襲われたくらいだ。ユウの王国での嫌われ方は半端じゃない。
あれから、優は防具も完成させていた。
これが、ユウが防具を鑑定した結果である。
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銘:闇のコート
レア度:SSS
能力:物理耐性、魔法耐性、認識阻害
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と、なった。
ユウはカイン達と戦った後、コートを作るのを忘れ、もともとあった【認識阻害】を付与してあったコートも着なかったため、何度も襲撃を受けた。
ユウがそのことに気が付いたのは、行商人に襲われたときである。それから優は、大急ぎでコートを作り、旅をつづけた。
今ユウは街道を離れ、山を越えようとしていた。この山は、クリハラム山といい、魔の森と同じで、あまりにも魔物が強いため、人がめったに訪れない。
そんなところで、優は絶賛大ピンチだった。そう、食料がなくなったのだ。
確かに魔の森で一万匹以上の魔物を狩ったのだが、そもそも食べられない魔物の方が多く、肉をとれたのはせいぜい二千匹強。たまにルキとも一緒にご飯を食べるので、食材は減るばかりだ。
水は魔法で生み出せるからまだいいが、食料となると、また難しい。さらに、ユウが今いる場所は、魔物が多いいとはいえ、そのほとんどが虫系の魔物だった。
そこでユウは、あることを思いだした。そう、「ドラゴンというものは、大体おいしい。」ということを。なので早速、ユウはルキを呼ぶ。
「おお、久ぶじゃの主殿…。な、何でそんなにやつれておるのだ!?」
「それはな、お前が俺の食料を食ったからだ。」
ユウがそう答えると、ルキはバツが悪そうにしながら、
「じゃが、お主の料理があんまりにもうまくてのぅ…。」
「ほう!それじゃあ、その料理がもっとおいしくなるように、協力してもらおうか!?」
ユウがそういううと、ルキは目を輝かせた。
「おお!あの料理がさらにうまくなるのであれば、なんでもするぞ!」
ルキはそう言うと、鼻から息をフンスと吐き出す。
「あ、ちょっと待っておれ。」
ルキはそう言って、ユウに背中を向ける。
それに対しユウは黒い笑みを浮かべてルキに近づい行く。
「何でもやるっていたよな?じゃあ、お前の肉よこせや!」
そういって、ユウは刀を振り上げる。
「里の皆から、おぬしへと言って食料をもらってきておる。早く調理してくれ!」
そういって、ルキは振り返り、食料を差し出してきた。
ユウは瞬時に刀をしまい、食材を受け取る。
「な、何かすごいこと言っておらんかったか?」
「気のせいだろ。」
ユウは食材を受け取ると、すぐに調理を始めた。
「料理している間暇だろうし、もっと食材を持ってきてくれ。」
「なぜじゃ?」
「お前が持ってくる食材の癖を把握できれば、さらにうまい料理が作れるだろ。」
ユウはもっともらしいことを言い、ルキに更なる食料を要求する。
「分かったのじゃ!」
ルキはそう言うと、魔法陣の中に消えていった。
そのあと、山のように食料を持ってきたルキは、いつもよりご割り増し食べて帰っていった。
しばらくバトルはありません。
感想待ってます。