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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第二章 シナーラ
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103 もう一度

 入学から二か月。昔の知り合いに会ったり、雪姉が担任だったりと予想外のことが立て続けに起きたが、これと言った問題もなく学校生活を送っていた。


 いや、問題はあったか。その問題とは、『俺の周りに美少女が多すぎる』という者だ。俺からしたら知ったこっちゃないのだが、周りはそうではない。地元でも有名な美少女だったらしい詩帆、突如現れた天使たち(紫音、楓、スミレ)。そして、新任美人教師である雪姉。この五人の内一人は必ず俺と一緒にいた。これで男子からの嫉妬の視線を感じないほうが不自然と言えるだろう。


 「椎名、おはよう!」


 そうして俺は学校に来たわけだが、そんな俺の心境など知らんとばかりに詩帆が元気よく挨拶してくる。俺が教室に入ってすぐに話しかけてきた詩帆だが、俺は自分の席に向かいながら詩帆に挨拶を返す


 「ああ、おはよう。」


 俺は昔のように気のない返事を返す。だが、それは俺が詩帆を警戒しているからではない。小学校にいた時は全ての人間を経過していたが、ヘルスーナ魔法学院に入ってから人を警戒することなど無くなった。この気のない返事は癖のようなものだ。


 とにかく、かなりの美少女である詩帆が気軽に俺に話しかけてくると、男子からの嫉妬の視線がすごい。


 さらに、とある理由から俺は女子からの人気もない。


 「詩帆!」


 俺が詩帆と他愛のない話をしていると、詩帆に声が掛かる。


 「雄大君?」


 今詩帆に話しかけてきたのは光圀雄大。中学校時代に詩帆と知り合い、長い間つるんでいたとか。そして、この雄大君も俺や詩帆と同じクラスになった。そしてこの雄大君、イケメンである。それも、性格もよく、成績も優秀でスポーツ万能という完璧なスペックも持っている。勿論背も高い。


 そんな雄大君が人気が出ないはずがない。


 「おはよう詩帆。それと椎名君も。」


 雄大は俺達に話しかけてくる。


 「・・・・・。」


 だが俺は何も答えない。これは警戒しているのではなく、取るに足らない相手だから無視しているだけだ。


 「し、椎名君は相変わらずだね。」


 雄大は詩帆と少し話をすると離れていった。すると、クラスの女子から怨嗟の視線が突き刺さる。俺はそれらの視線を気にすることなく詩帆との会話を再開する。


 「おはようございます。椎名君。」


 「おはよう。」


 「おはよー!」


 するとそこに紫音達が入ってきた。どうやら、今学校に着いたようだ。


 俺たちが少しの間だべっていると、教室のドアが勢いよく開く。


 「はーい!ホームルーム始めるよ!みんな席について!」


 雪姉が入ってきたので、詩帆たちは俺の机から離れて自分たちの席へと帰っていった。


 「起立!」


 今日の日直が号令すると、俺は席を立つ。


 「礼!」


 俺は号令と共に礼をする。背中の角度は四十五度。その時に見えた地面は、相変わらず光ってる。


 「え?」


 俺はその時違和感に気が付いた。


 「光ってる?」


 そう、床が光っているのだ。決して蛍光塗料を塗ったような光り方ではない。そう、これはまるで・・・・・。


 「異世界転移。」


 俺がそう呟くと掃除に床が一際激しく輝いた。俺はあまりの光量にとっさに目をつぶる。


 (くそ!魔方陣に気が付くのが遅れた!)


 俺は心の中で悪態をつくと、そのまま意識を失った。

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