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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第一章 レムナット
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プロローグ

これは本編には関係ありません

 「適合者はまだ見つからんのか?」


 何も無い真っ白な部屋で、白いひげを顎に蓄えた老人が、部下と思わしき絶世の美女と話している。


 「す、すみません。何せ、あの体質を持っているのは、神々が管理するすべての世界の中でただ一人なのです。それをさがすのは、まさに砂漠に落ちている一粒のサファイヤを見つけるのと同じことです。」


 美女が申し訳なさそうこたえると、老人は焦ったようにつぶやく。


 「あの馬鹿どもが第30059番世界≪レムナット≫の管理権を始めたと思ったら、次は適合者の死亡か。」


 最後の言葉を口にするときだけ、老人の眉間にしわができた。


 彼は、絶対神ブゲン。下級神(天使)、中級神、上級神、最高神、すべての神の上に立つ、王である。


 「絶対神様!」


 ブゲンがどうしようか悩んでいると、いきなり部屋のとびらがひらき、一人の青年が中に入ってきた。


 「どうした?」


 ブゲンは眉間にあったしわを瞬時に消し、今しがた入ってきた青年に問いかけた。


 「ご報告します。第30059番世界レムナットにおいて、勇者召喚の儀が実行されました。」


 その報告を聞いた瞬間、ブゲンは額に手を当て、天井を仰いだ。


 「またあの馬鹿どもか。それで?どこから呼ばれた?」


 ブゲンは30059番世界に破壊神を派遣することに決め、報告を続けさせた。


 「は!それが、第504番世界シナーラです。」


 その報告を聞くと、ブゲンはまた眉間にしわを寄せた。


 「よりにもよってあのオタク世界か。さて、どうしたものか。」


 そもそも、異世界召喚とは面倒なもので、召喚された者(者達)が戦闘できるできないにかかわらず、加護を与えることで才能をひきだし、その才能に合うように体を作り替えないとならない。そのため、異世界召喚とはとてもめんどうで、必ず絶対神のきょかがひつようなのだが、もちろんブゲンはそのような許可を出した覚えはない。ブゲンは溜息を吐きながらレムナットに破壊神を送るのを早めることを決める。


 (召喚者が元の世界に帰ったらさっそくおくるかの…)


 対応に疲れすぎて、心の中でただのおじいちゃんと化しているブゲンであった。


 「それと…」


 「まだなにかあるのか!?」


 ブゲンはつい大声を出してしまった。


 「は、はい!」


 「あ、スマン。つい。」


 ブゲンは心を落ち着けてから、報告を続けさせる。


 「適合者が見つかりました。」


 「それは本当か!?」


 その言葉は、いまある数々のトラブルのうち、早急に解決しなくてはならないものだった。


 しかし、青年の言葉はそこでは終わらなかった。


 「その適合者ですが、レムナットの異世界召喚に巻き込まれています。」


 その報告を終えると青年は帰っていった。


 後に残ったのは、完全に忘れ去られていた美女と、完全におじいちゃんと化していたブゲンだけだった。

ブゲンは残念キャラにするつもりです。

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