過去。現在に至るまで 4
次まで行くよ!
父から再婚の話を聞かされてから1週間後……
相手は前情報通り、どこからどう見ても、親父より二回り以上若い女性で、小さな女の子を2人引き連れていた。
それでもって予想の3倍以上綺麗な女性だった。
(こんな若くて綺麗な人が、何でこんな冴えない中年親父と!?)
と当時ですら疑問に思った程だ。
どこからどう見ても綺麗だと言える整った容姿。
身長は160cm前後。
見るからに細身で体重はどう見繕っても50kgは超えていないだろうことが分かる。
スタイルはかなりグラマーな部類で……
女性の胸のサイズに詳しくはないが、Dカップ以上であることは(当時の女性担任が『自分はDカップだ』と豪語しており、それより大きかった為)予想できた。
それなのに不思議と楚々とした気品のある色香を放っている。
どことなく儚気に見えるが、何か芯のようなものを感じる。
彼女が全身に帯びる柔らかく優しい雰囲気が伝わり、それに包まれたような感覚を味わったのは、今でも覚えている。
そして、その印象は今も変わっていない。
父の再婚相手である女性は、
『こんにちは。路陽くん。小日向 翡翠です。突然で驚かせてしまったかもしれないけど、これから宜しくお願いします』
しゃがんでこちらの目線の高さに目を合わせ、印象通りの柔らかな声と口調で丁寧に告げた。
『ご丁寧にどうも有難う御座います。紫藤 尚啓の息子の路陽です。今後とも父共々宜しくお願いします』
たかが、10歳の子供相手に丁寧な対応をしてくれたことに、俺は敬意を覚えた。
故に俺もまた丁寧な返礼する。
たった、一度のやり取り。
だが、それだけでこの人なら父を任せても大丈夫だと思った。
『尚さんから、お話は伺ってましたけど……本当にしっかりしてますね』
どうやら、父は尚さんと呼ばれているらしい。
彼女は驚きを隠せないといった表情で、まじまじと見つめてくる。
『自慢の息子です。ただ、年相応の可愛げがないのが少々困りものです……』
(その可愛げのないのを育てたのは誰かな?)
言いたい事はあるが、折角の顔合わせだ。
ここは黙っとくことにした。
あと数分で出社しないとやべえ