過去。現在に至るまで 2
連続投稿です。
『ゴメン、父さん』
吉事に水を差すこと言ってしまい、俺は父に誤った。
『いや、これはずっと片親で、僕が路陽に苦労かけたせいだなぁ。こっちこそゴメンな』
『それは言わない約束。母さんは俺を生んで死んじゃったんだから、父さんのせいじゃないでしょ』
『でもね、あのとき止めていれば、母さんは死ななかったんじゃないかって思うこともあるんだよ』
『父さんは、俺が生まれなかった方が良かった?』
『そんな事ある訳ないだろう!!バカな事を言うな!!』
『母さんを止めていればって、つまりそういう事にならない?』
『!!!』
俺の言葉に父は酷く衝撃を受けた顔をする。
『そうだな……路陽の言う通りだ。加代子さんは路陽を生んだことを後悔なんてしてなかった。誇りに思っていたし、僕もそうだ。それを悔いるのは、あの時の加代子さんと僕、そして、路陽を否定することになる。ゴメンな、路陽』
『いいよ。それだけ母さんが大事だったって事でしょ?それに『バカな事言うな』って怒ってくれたでしょ。それで十分。俺も言い方が悪かったよ』
『ホント、路陽はしっかり者に育ったなぁ。父さんとしては嬉しいし、誇らしい限りだ。けど、たまに年齢詐称してるんじゃないかと、疑いたくなるぞ』
『密度の濃い人生送ってきましたから。ところで、話逸れたけど、再婚の話、詳しく聞かせて貰える?』
『そうだったな!スマンスマン』
そうして、父から再婚相手の情報を纏める(のろけ話が結構含まれた為、そこをバッサリ割愛する)と……
相手の女性は、小日向 翡翠さん というらしい。
年齢は19歳。
父の働く工場で清掃員のバイトとして働いていたらしく、ふとした切っ掛けで話をするようになり、自然と付き合うようになったそうだ。
交際期間は2年。
備考として、13歳の頃若気の至りで宿した双子の姉妹(名前はそれぞれ、千隼と鴇羽と言うらしい)を出産しており、それが原因で実家からは勘当されている。
その為、中学を中退しており、以降学校には通っていなかったとの事……
『………………………………………』
こればかりは、流石に驚くを通り越して絶句した。
まだ行くよ