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俺、高校中退フリーター  作者: 八鈴 京
2/22

過去。現在に至るまで 1

スタート前の前置きの話になります。

10年前……


俺が小学5年の頃だ。


父が再婚した。


10年前の6月17日。


サッカーの練習を終え、家に帰ると父から、


『少し話したいことがある。僕達のこれからに関わる大切な話だ』


と夕食の席で真面目な顔で言われた。


父の余りの真剣さに


『何?どうしたの?もしかして、会社クビになった!?』


と聞き返してしまったものだ。


『いや、クビにはなってないから!』


当然、父は慌ててそれを否定する。


『良かった……』


ホッと胸を撫で下ろし、一息吐き、


(となると、転勤でも決まったのかな?引っ越しは悲しいケド、仕方ないよな……)


などと考えていると、


『実は……父さん、再婚することになった』


『へー、そうなんだ。…………って、ええッッ!!?』


余りに予想の斜め上な言葉に驚きを隠せなかった。


『再婚って、父さんが!?』


『ウチに父さん以外に再婚できるのがどこいる?』


聞き返すと呆れた顔で言われた。


『いや、そうだけど!小太りで、目立たなくて、人畜無害だけが取り柄の冴えない40代中年代表みたいな父さんが再婚!?』


正直、驚き以外何もなかった。


『確かにその通りだけど、流石に父さん傷つくぞ……』


『騙されてない?』


父は人が良いから心配だった。


まだ騙されたことはないが、騙されそうになった案件は幾つかあるのだ。


『疑るのは分かるが、『それはない』と断言するよ。しっかりしてくれるのは親としては嬉しいが、一人息子にそう思われるのは父さん悲しいぞ』


母は元々体が弱く、俺の出産に耐え切れず、この世を去ったらしい。


多くの親族が反対したらしいが、本人が断固として、『降ろすのは嫌だ』と断り、父は本人の意思を尊重した。


その結果、周囲の予想通りの展開となってしまったという訳だ。


そんな訳で、俺は母親の顔を写真でしか知らないし、声も覚えていない。


物心ついた時には、片親であるのが当たり前であった。

これから夜勤とか地味に嫌やわ。

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