表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/19

勇者・復讐

今回はややホラーかも?

ゆるーくクソみたいな奴らが出てきます

お嫌いな方はお気を付けて


「ああもう!クッソ!あいつらなんなんだよ!」


リキヤはイライラと歩いている


「お・・落ち着いてください!」


「ああん?そういやお前らなんもしてねぇんじゃねえのか?」


女ウィザード達は付与魔法をタイミングよくかけていたはずなのだが・・・


リキヤはにやりと笑うと


「よし、お前らちょっと躾けてやんないとな。俺への愛が足りないんだろ」


そういうとリキヤはアイテムボックスからテントを取り出す


「お前ら分かってるよな?」


「は・・はい」


「よっしゃ、んじゃあ3Pといきますか」


そういって手早くテントを作り三人中に入っていった




「で・・・いきなりアイツらは何してんだ?」


日本刀を返そうと後を追って来たシュウが見たのはまさにその瞬間だった


「ウソ・・信じらんない・・・」


ナナミは顔を青くしてガタガタと震え始めている


テントの直ぐそばまで行くと、そこには獣除けの結界と消音結界が貼ってあった

シュウは消音結界を消し飛ばす


すると


「ほら・・!もっと丁寧にやれよ!気持ちよくないだろうが」


「ふぁ・・はい」


うーん。ゲスい。


俺は小さな炎をテントに着火

見る見る炎は燃え上がり骨組みだけ残してテントを焼却した


「あっちいいいいいい!?」


残った燃えカスを払いながらリキヤが立ち上がる・・全裸で

女ウィザード達も全裸だ


「おお・・・眼福だ」


「ああ!!!?お前らなんでここに!?」


リキヤが顔を真っ赤にして叫んだ


女ウィザード達はさっさと替えのローブを羽織っている。なるほどあの下は裸か!

ちょっとエロいな!


「お前らが火をつけたのか!?何考えてやがる」


「いや、それはこっちのセリフだよ。つーかその汚いモノをしまえ、切り落としてやろうか!」


俺は日本刀をギラつかせる


「くそっ!覚えてろよ」


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・」


ナナミの様子がおかしい?


「おい、どうしたナナミ?変なものを見て気分が悪いのか?」


「い・・いえ・・・ああ・・・・あたま・・痛い」


尋常な様子ではない・・どこか怪我をしている様子もないが


「し・・・死ね・・・殺す・・・ゆる・・さない・・・」


ナナミからぶわりと黒い魔力が溢れ出す


攻撃的な力は膨れ上がっていく


ぽた ぽたたた


血?


ナナミの目から真っ赤な涙がしたたり落ちる


「死ねばいい・・殺してあげる」


呟きながらナナミは立ち上がり、リキヤと女ウィザードに向かって呪文の様なものを呟き始める


まずい!


「おい!お前らすぐ逃げろ!ヤバイぞ」


「ひっ!」


その様子を見ていた女ウィザード2人は一目散に走り出す


「ふざけんなよナナミが!」


リキヤは一瞬で鎧に身を包み、武装する


「あはっ!腐れ!」


ナナミが笑顔でリキヤに向かい力を解放した


「間に合え!」


俺は魔法防御結界をリキヤにかける!


黒いモヤのような魔法が結界にまとわりついた


間に合ったか!


結界にはばまれた魔法は


「ギギィ」


と声を上げて芋虫を生み出す


「なっ!?」


ぼたぼたと、黒いモヤは芋虫に変わっていく


「ひゃは♪逃げられないよぉ?」


生み出された芋虫は人の腕ほどもある巨大なものだった


「くそっ!」


リキヤは剣で芋虫を斬る


ジュウウウ


斬られた芋虫の体液が音を立ててリキヤの剣を溶かした


「な、なんだコイツら!近寄るな!」


まずいな!

俺はナナミの両肩を持ち


「やめるんだ!ナナミ!」


叫んだ


ナナミの目と、俺の目が合った




これはーナナミの記憶?




「先生・・・なんで?」


その日ナナミは、いじめられていると担任の先生に相談に来ていた



生徒指導室には、当時の担任と2人きりだった


「ナナミ、先生はね、先生の言うことを聞いてくれたら」


はあはあと、荒い息の先生はナナミを押し倒し、乱暴に服を脱がす


先生はゴソゴソと動いていた

ナナミはあの優しい顔の先生が、まるで見た事のない顔をしていた事にただ驚いて、びっくりしていた


下腹部に走る痛み


「痛っ!先生痛いよぉ」


涙が溢れていた


下半身が、まるで破れたかのように熱かった


「ああ、ナナミ、ナナミ、今先生と一つになってるんだよ!?分かるかい!?」


何をされているか分からない


だけど、殺されると思ったナナミは


近くに落ちていたハサミで先生の左目を



深く突き刺した



しばらくして、ナナミは転校する事になる

あの優しかった先生は、あれ以来見てはいないが、ちょっとだけ寂しかった


あの日何があったのか、ナナミはあまりよく思い出せないでいた



そして転校先で生徒はナナミ1人だった



だからか、一年、二年と過ぎていくうちにその思い出せない記憶はさらに薄れていった


高校に入り、夏休み前


異世界に召喚される


だが、相変わらず1人だったナナミは城に残っていた


ひと月程したある日、ナナミの部屋に同級生が訪ねてきた


「カケルくん、チョウジくんどうしたの?」


「いい魔法を覚えたから教えてやるよ」


カケルに押し倒されたナナミは抵抗しなかった

何故か頭がぼうっと、していたからだ


「おいカケル、次は僕だからな」


「ああ、ひひっ、催淫魔法に避妊魔法って便利な魔法があってなあ」


ナナミはカケルの顔が、あの時の先生と同じだと思った


「チョウジ、終わったら記憶消去魔法しとけよ」


「あれ?なんだこいつ処女じゃねえぞ」


カケルがそんな事を言っていた・・






「いや、やめて!」


リキヤに押し倒されたナナミは激しく抵抗する


「大人しくしろよ!カケルとチョウジにもヤラセたんだろ!!」


「知らない!知らない!」


「初めてじゃないだろうが!大人しくしろや」


ナナミはリキヤの顔が、あの時の先生と同じに思えた

そして、気を失った



気がついた時、服を着ていなかった



その日から、ナナミの元に


数日おきに誰かがやって来る様になった



だけど、何も会話をした覚えもないし


誰か来た記憶もない


私はおかしくなってしまったのだろうか?



体がだるい



もうだめかもしれないと、何故か不意に思ったナナミは



死のうと思った





ナナミの悲惨な記憶がシュウに流れ込んでくる


記憶消去魔法によって消されてた記憶

昔の、忘れていた記憶さえもが


全て呼び起こされた


きっかけは先程のリキヤのしていたこと


「魔女」に対してかけられた記憶消去魔法は元から完璧では無かった


それが、幾重にもかけられた結果、思い出せなかったに過ぎない


綻んだ記憶は決壊したダムの様に押し寄せてナナミを壊したのだ


「あはは!死ね!」


魔女が使う魔法は、古の魔術だ

これはあらゆる魔法とその元から異なる


故にシュウの魔法障壁をすり抜ける



「ああああ!やめ、辞めてくれぇ!」


芋虫に鎧を溶かされ


その裸体をバリバリと芋虫が食べていく


「はがあっはひぁ!ごめ、ごめんなさい!だから、やー」


謝りながらリキヤは死んでいった




「ああ、死んじゃったの?ダメじゃない」


ナナミはブツブツと、魔術を使う


リキヤの体がみるみる回復していき


「はっ!?がはっ!?な、なん、うああああ」


再びボリボリと、リキヤは食べられる


食べられた所からは神経を腐らせる毒が注入され、体は動かない。ただ、体が腐る痛みと、食べられる痛みが全てを支配する


ただ芋虫に食べられては、また回復してを繰り返す



ー地獄だ



「はぁあぁ、楽しかったぁ」


ナナミは恍惚の表情を浮かべる


なんと、美しく怪しい表情だ


「ナナミ、次はどいつをやる?」


シュウの瞳は真っ赤な、まるで竜の瞳に染まり

ナナミと同じく赤い涙をながしている

だがその瞳に映るのは憎しみと復讐の炎


「誰でもいい。でも、何処にいるかわからないわ」


ナナミがそう言うと



「俺が、見つけ出す」



ナナミを抱きしめたシュウはそう言って



2人は消えたー



残されたリキヤはただひたすら死ぬことなく


悲鳴だけがあたりに響き渡った




----------





「おかしいな、シュウが見つからない」


カイは首を傾げる


死んだりした様子はないし・・・


「私のリンクも外れてダメみたいです」


ティナもがっくりと肩を落とす



アクアスの国へ戻ったきたカイ、アイナはティナと合流した


だが、ナナミと出かけたと言うシュウがいつまで経っても帰ってこないのだ


「か、カイ!ちょっと来てもらえるか!」


「ライアさん!?どうしたの?」


ライアに連れられて来たのはアクアスにある治療院だ



バリ・・・ガリッガリガリ



グチャ・・



そこには芋虫に体を齧られ続ける1人の男がいた



「はははははははは!」



男は笑いながら、食べられている自分の体を眺めているが焦点は合っていない


「うっ!これは、ヒドイな」


「芋虫をいくら追い払っても、男の体の一部が芋虫になってしまうんだ」


「殺しても無駄か」


「どうしてこんなことが・・」


殺さず、生かしたままで・・


まるで呪いだ


「南の辺りから悲鳴が聞こえたとかで、行ってみたらこいつがいたんだ。芋虫は私たちには襲ってこないからとりあえず運んできた」


「なるほど」


治療院の扉がバンッと開く


1組の男女が入ってきた


「な!やはりリキヤか!」


さわやかな風貌のその青年は、笑っているようにも見えた


「ひっ!やだ、汚い!」


久しぶりに見た友人の姿に驚く


「あの、あなた方は?」


カイが尋ねると


「ああ、僕らは勇者だ。僕はカケル、こっちはアカリ。この、リキヤの仲間なんだ・・・リキヤの連れていたウィザードの仲間が僕らを呼んだので」


どうやら現場に目撃者が居たようだ


「それで、これは何なんです?」


これとはリキヤの姿だ。芋虫にたかられ、食べられては回復する。


「分からない。何があったのか・・・」


「そうですか。では、僕らは彼を引き取っても?」


「構わないけど・・・」


「仲間に賢者が居まして、治せるかもしれないので」


そう言うと、外に飼い慣らされたワイバーンを待たせているからとリキヤを柩のような箱に入れて運び出して行った


「アイナさん、ティナ、彼らをつけよう」


「カイ、どうしたんだ?」


「あの2人に、シュウの魔法探査がかかっていた、付けていけば多分、現れるはずだ」




その1日後とある宿屋




「やめ、やめてくれよ!ああああ!」


勇者チョウジの足元から、バキバキと体内を食い破り生まれてくるのは芋虫だ



「あはっ!なあに?何か言った?」


「謝るから!謝るから!」



両手を切り落とされ、貼り付けにされたチョウジの姿がそこにあった


「ひぎぃ!痛いよ、痛いよぉ!」


チョウジの足元には全裸にされた賢者シズク

が転がっていた


「やだよ、止めてよ!いやあっ!」


チョウジから生まれた芋虫が、シズクの股の間から


シズクの中に入っていく


「ああ!ああああ!いやあ!」


悲鳴が木霊する宿屋だが、誰ひとりとして駆けつける者がいない


「いやらしい女ね、シズクは。そんな芋虫で感じてるの?」


ナナミはケラケラと笑いながら言った


「かふっ」


内臓を芋虫に食い破られたシズクの口からは吐血が止まらなくなっている


「くそ、なんだよお前ら!なんで、魔法が効かない!剣が通らない!スキルを弾くんだ!」


当然、チョウジとシズクは襲い来るナナミとシュウを撃退せんと戦った


舐めていたのかもしれない


だが、そんな言い訳などは今更意味を持たない


一瞬のうちに両手を斬られ、足を斬られた


気づいた時には鎧や服は剥ぎ取られていた


何故か痛みはなく


欠損した肉体に回復魔法は効かなかった


賢者シズクの、世界最高峰の回復魔法がだ


だが、自らの体から生み出された芋虫は


ガリガリと体を食べ始める


気を失いかけると、いきなり全快する程の回復をする


既に2人はもう、かれこれ2時間は同じ拷問を受け続けていた


「ね、聞いたわよシズク。あなたがカケルとチョウジをけしかけたのよね?」


「な、何の話!止めてぇ!痛いよ、ナナミぃ」


「そ、そうだ!俺はカケルに誘われたんだ!ナナミを犯そうって!カケルはシズクから魔法を教えて貰ったって言ってたんだ!」



「あら、チョウジは正直者ね・・・だそうよ、シズク」



そう言うナナミの瞳からは赤い血の涙が流れ続けている

シュウの瞳からもだ


復讐の怨念に囚われたナナミとシュウは


当たり前の様にチョウジとシズクを襲った

なす術なく、圧倒的な力の前にいとも容易く破れた


あとは、ナナミのおもちゃだ



「はぁ、楽しんでるようで良かったわシズクぅ。あなたは芋虫に犯されるのがなんて似合うのかしら」



「ひぐ、はぁ、いぎぃ!」


だんだんと、ナナミの声はシズクに届かなくなっていく


「あ、は、あははは!」


チョウジは食べられていく自らの体を見ては笑うようになっていた



「つまらないわ、2人とも。飽きちゃった。ねぇシュウ、あとカケルとアカリ、何処にいるのかな?」



ナナミはシュウに問いかける



「分かってる」





それだけを言うと、2人の姿はまた消えた







シズクは内臓を食い破られながら

吐血を繰り返しながら後悔していた

それはこの世界に来て一ヶ月程した頃だった


「アカリ、ナナミのことなんだけど」


「うん。どうしたの?シズク」


「あの子、前々から思ってたんだけど調子乗ってるわよね。ちょっと可愛いからって戦いにも行かないし」


「魔女だからねぇ、あの子。変なフェロモンとか出てそうだよね」


「アカリ、ナナミ邪魔でしょ?カケルと付き合いたいんでしょ?でもカケルはナナミにご執心だし」


「シズク、あなたのチョウジもね」


ナナミは美しく、可愛かった

年の割にスタイルも良く、色気さえある


だから、邪魔なのだ


「実はね、私賢者だからか、変な魔法覚えたのよ。催淫魔法、避妊魔法・・・記憶消去魔法を」


「うわ、シズクやらしーね」


「これさ、人に教えられるみたいでさ、リキヤに教えてナナミを、ね?」


「あははは!いいねそれ。リキヤって性欲の塊じゃん!アイツこないだ私に付き合ってって言ってきたけど、明らかに体目当てだよね」


「呆れた、アカリにも言いよってたのね」



シズクとアカリは、作戦とは呼べない作戦を立てた

たまたま盗み聞きしていた

カケルとチョウジは、その作戦を


ナナミを抱きたいがために利用した




アカリとシズクは、ただ嫉妬しただけだのナナミを相手に


卑劣な事を実行に移す

自らの手すら汚さずに


ナナミを地獄に落としてやる


とても残酷な、話だった




その2ヶ月後に


ナナミに復讐されるとはその時は露ほども思わなかったが



シズクは今、自分自身の浅はかさを呪いながら芋虫に犯され、侵され続けている





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ