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プロローグ
その竜は一人ぼっちでした
長い間、ずーっと、ずーっと一人ぼっち
竜はその遠くまで見通せる大きな瞳で人間達が暮らす下界を見るのが大好きで
これもまたずーっと、長い間人間たちを見ていました
そしてその中で気になる1人の人間
その彼は生まれた時すぐに一人ぼっちなってしまって、死ぬまでずーっと一人ぼっちでした
彼は死ぬ時に言いました
「こんな世界に生まれてくるんじゃ無かった」と
竜はあふれる涙を流しながら言いました
「それな!」
大粒の涙を流しながら竜は力を使いました
竜の涙はやがて雨となり、洪水となり
新たな土地をうみだしたのです