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リメイクへ  作者: seven
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002話 覚醒

唐突にして、必然、飛行船の着陸予定の場所の付近のビルから爆音とともに大火が上がった。

慌て、騒ぐ人々。


「なんだ!?」

「爆発!?」


ついさっきまではしゃいでいたタカアキも言葉を失っている。

歩道橋の下は逃げる人々でいっぱいで、とても通れそうにない…


着陸を諦め、離れようとした飛行船に二機のヘリから弾丸が打ち込まれた。


火を上げながら着陸予定の場所から少しずれた所に不時着し、煙の上がる飛行船の中から重役たちが慌てて逃げ出した。


以前から超能力者に対して反発する団体は多々あり、テロ行為も少なくなかった。

日本の有能な超能力者が集まる式典なのだから、テロリストが集まるのも当然だった。


重役たちに続いて飛行船から数人の子供が出てきた。

おそらく、あれが特待生なのだろう。


ふと逃げる人混みの中に目をやると、ゆらゆらと逆走している人がいた。

フードのついたローブを被っていて顔は見えなかった。


「おいっ!リンっ!アヤノがまだあそこにいるって」

スマフォを片手に青ざめるタカアキ


「はっ?」


慌てて火の上がる建物に目を向け


「モールってどれっ」


「たぶんあの火の上がってるビルの二階だっ!」


「マジかよ…」


「行くしかないだろ!」

と歩道橋を降りて人混みを逆走しようと進み出すも、人混みに流されなかなか前に進めなかった。

先ほどのローブの人はよくあんなスラスラと行けたもんだ…


未だテロリストと超能力者が対峙している所へ行くのは半ば自殺行為だった。


人混みを抜けると、既にそこにはテロリストと飛行船に乗っていたであろう人達しかいなかった。

気づかれないように隣のビルまで走る最中、横目に先ほどのローブの人が超能力者と交戦しているのが見えた。


爆発は断続的に続いていて、ビルは今にも崩れそうだ。


二階へ登るとモールの前でアヤノが足を押さえて座り込んでいた。


「アヤノっ!」

駆け寄ると

「ごめん、人混みに押されて足ひねったみたい…」


「乗って」

と背負えるようにかがんだ。

「ありがと」

少し照れながら背中に乗った。

「ここはもうもちそうにない」

「急いで出よう」

タカアキが一人走っていった。


「アヤノ」


「何っ?」


「結構重いね…」


「ちょっ、ばかっ」

頭を軽く叩かれた。


外に向かう途中ビルの入り口に仕掛けられた爆弾が起爆し、ビルは崩れ始めた。


一方外では、三人の男女、おそらく特待生と思われる超能力者と先ほどのローブの男が戦っていた。

3対1にも関わらず、戦いは拮抗していた。


「何なのこいつっ!」

「チッ、クソ強えな!」

「落ち着け二人とも、慌てては相手の思う壺だっ!」

「うるさいわね」

「指図すんなっ」


息の合わない三人を余裕の表情で相手するローブの男は、

「特待生って言っても入学したての子供にすぎない。我々の敵ではないな。」


時計に目をやり

「そろそろ時間か…」

そう言ってビルの方を向くと、再び爆音とともに火が上がり、ビルが三人の超能力者の方へ崩れ始めた。


「やばっ!」

「退避だ!」

「クソがっ!」



ビルの中にいた三人に、爆風とともに炎が襲いかかった。


「さすがにこれは死んだろ…」


迫り来る炎を見て、死を覚悟し、そう呟いた。


その瞬間、全身が青白い光に包まれ、その光は広がっていき、迫り来る絶望的な大火を、一瞬で打ち消した。


崩れゆくビルのなかで二人は気絶し、俺も眠るように意識を失っていった。




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