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魔ねき猫アディダス  作者: 不器用な黒子
10/15

十章  確かな腕 編

緊張の中、音の主の小鹿に溜息だったが・・・・・


とっさに夏を後ろに隠す。



「あいつ等か?」



「あいつ等なら、こんな物音立てて近づかないと

 思うけど、その裏をかくこともある」



ガサッ、ペキッ、草が邪魔で。



胸元ほどの生い茂る草木の影から、音の正体が

現れた、距離は六、七メートルほどだ。



一斉に溜息をもらす。



「っなんだよ、バンビかぁ心臓に悪いったらないぜ」





「まだ油断するな、おとりかも」




その心配は無かった、足音が離れて行く。



一寸ずつ道が開けていく、やな予感。


「これって、何かでかい奴が通ったんじゃない」



「熊だね、鹿がよく来ることをわかってるんだ」




「人が来るとは思ってねえだろ」





「襲ってくるね、向こうも怖いから」





「来るのか、って感心できるか」



これが、キノコ狩りやハイキングなら間違いなく

持っていただろうが、今は逆に身を危険にさらしてしまう。



クマよけの鈴。



正直、あれば思いきり鳴らしまくりたかった。




「ここまでして行く理由は何なの」





「アニキの母親がいるんだ、上手く逃げれてればいい」




「お前が見た時は?」




「襲われた中には居なかった、村に下りてたから」





「村があんのか、こんなとこに」





「林業で山に住んでる家族のとこ、村って呼んでた」





「何で」


「いつからか分からないけど、木の実やキノコ

 持っていくと、魚を貰えるようになってた」




なるほど、食えるか食えないか、判別が難しいキノコも

こいつ等ならわかる、危ない山奥より川なら安全か。



ん?


「まさか妹さんは」



「そこに置いてきました」




「その時居なかったのか、アディ-の母さん」




「俺たちは中には入らないんです、だから妹は庭先で」




「可能性はあるってことね」



「呑気に話してる場合じゃないぜ」



「さ・ん匹ですね・・・」


何かがすばやい動きで、飛んでいった。



「ふぎゃっ」



「今ので当てたのか」



「撃てって言ったでしょ」



さすが、スナイパー夏って、敵か味方か結構痛いぞ。



二匹は、様子を窺っているのか、距離を保って動く気配がない。



「バッタか?」



いや何処をどう見ても猫だ。



「いってぇ、その声はイワナかよ」



いや猫だって。


「出て来いよ、バッタが居るってことは、ウインクに

 青だろ俺だイワナ、本物の人間だ」




片目だ・からウインクか、ブルーが居て青、ややっこしいぞ。




「ごめん、味方だったみたい」







「いや、それでいいよ夏ちゃんの腕は確かってわかった」






「耳が千切れるかと思った、スゲー術だな」


「術じゃなくて、銃っていうんだ。いつも音聞いてたろ」



「何の音もしなかったぞ」



「空気で打つんだって」




「やっぱ術だ」




「そういうことにしとく」







「米助もいるのか」



「無事だったのか、他は?」





「札取られた、何匹かは逃げたけど如何だか」




確か、破裂するって・・・・うげっ。





夏は持ってきていた傷薬で手当てした。



「一旦川に下りよう」



「そ、そうだなお前らも飲め」



腰に下げていたボトル、中は酒怪我にもいい、体を温める

にはもってこい、気持ちを大きくする万能薬。


手のひらに注いだ。



「舐めるだけだぞ」




「ありがてえ」



飛び付いたのは、アディー。



「お前はダメ、こいつらは戦ってたの、挨拶」




「ふう~、これで助かる確率上がったな」


「うん」


「痛かったけど、うまい」



こりゃ、社長に何匹か里親探してもらわねえとな。



アディ―を先頭に下り始めた時。





「ねえ、あたしにはないのそれ」




「忘れてた」




リュックから、ボトルを手渡し再び歩き始めた。




これが裏目に出るとは・・・・・・。




















小説の中だけなので、動物愛護家の読者様はお解り下さい。

ありがとうございました

また次話でお会いしましょう

不器用な黒子

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