■告白計画実行①【桃花】
そして計画が実行される日曜日。
私たちはさくらの家で映画を見てる。
メンバーは私、さくら、優美、凪それからあと5人くらい。
映画はホラーで時期がちょっとズレているけど、そんなことは気にしない。カーテンを閉めて部屋を真っ暗にし、みんな静かにテレビのほうへ視線を向けている。聞こえるのはお菓子を食べる時の音だけ。
画面の中には、下半身のない女のシルエットが浮かんでいる。ゆっくりと顔を上げて、こちらを見る。
それに気づいた女の子が悲鳴をあげて逃げていく。
でも追いつかれてしまい、下半身と上半身を切り離されてしまった。
思わず自分のおなかのへんを触ってみた。
(…くっついてるよね。)
映画は続編もあってそれを見る前に一回休憩をいれた。私は優美に小さな声で話し掛けた。
「どう?」
「どうって…なにが?」
「凪のこと。怖かったら飛びついちゃえば?」
「無理無理!!できない!それに…。」
優美は気まずそうに私と凪を交互に見た。
「やっぱなんでもないや。」「そっか。まぁ焦らずゆっくりだよね。」
さくらが続編のDVDをデッキに入れはじめた。
「そろそろ続きみよっか!」
またカーテンを閉めてホラー映画を見はじめた。
見終わった頃にはもう、空はオレンジ色になっていた。時計の針は午後5時。
「ねぇ、海行かない?」
緑河紘樹がそういった。紘樹は海に行くのが好きで、私も一緒によく行く。
ここから海まで自転車で15分くらい。
「いっちゃうか!!」
いつもこんな感じでテキトーに行く場所を決めて、遊びに行っている。
外に出て自転車に乗り、一斉に海のほうへ向かって行った。