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■プロローグ【桃花】
私は、恋をしていた。
その人を好きになったのは幼稚園の頃。
その人の名前は七峰零二。小学校で離れてしまって6年間会えなかった。
でも今年私は中学生になった。
零二と同じ学校、しかも同じクラス!
止まっていた時間がまた動きだしたような、久しぶりに恋のドキドキを体感した。
でも…。
とある夏の日の事。
メル友の田川龍斗から電話がきた。
内容は「今から零二に告白しろ」というものだった。
龍斗のとこには零二と複数の男子がいた。
電話は零二の声に変わった。
でも私は自分で言えなくて龍斗に伝えてもらった。
とても後悔してる。
その時は返事は無かった。
数日してからまた電話がかかってきた。
私はその時寝ぼけていて、自分でも訳のわからない事を言っていた。
その時の事はよく覚えてないけれど、その時、私は自分から今、返事が欲しいと言ったのは覚えてる。
フラれてしまったけど。
本当に後悔してる。
自分で言えなかった事。
次の恋を探さなきゃ。
次は自分で言えるようにしなきゃ。