人生の調味料
私たちは日々、目の前の出来事に無意識の「調味料」をかけながら生きています。
それは過去の経験や教え、周囲の期待から生まれた“価値観”です。
そうしていくうち、自分が味を変えていることにすら気づかなくなっています。
誰かの一言に傷ついたとき、本当はその言葉そのものよりも、「私は軽く見られてはいけない」「失敗してはいけない」という自分の中の前提が、強い味付けをしているのかもしれません。
すると、世界は必要以上にしょっぱく感じられてしまいます。
けれど、極端に何もかけないと決めてしまうと、今度は味気なさに戸惑います。
「どう感じればいいのだろう」と迷ってしまうのです。
大切なのは、人生の調味料をかけるか、かけないかではなく、「いまの自分にちょうどいい加減を選べること」なのではないでしょうか。
心が疲れているときは、少し立ち止まって問いかけてみてください。
「これは本当に起きていること? それとも私の醤油(味付け)が濃いだけ?」と。
そうして一呼吸おくと、出来事と自分の解釈のあいだに、余裕が生まれます。
人はそれぞれ違う味覚を持っています。
同じ出来事でも、甘く感じる人もいれば、苦く感じる人もいます。
だからこそ、「自分はこう感じる」「あの人は違う感じ方をする」、どちらにも丸をつけてよいのです。
一方がマルなら、他方がバツということは、ありません。
完璧な味付けを探さなくても大丈夫です。
今日は少し薄味でも、明日は少し濃くてもいい。
自分の心の舌を信じて、その都度味付け(価値観)を選び直せばいいのです。
世界は一つの味ではありません。
あなたが選ぶ分だけ、やわらかく、やさしい現実が広がっていきます。
どうか今日も、自分にちょうどいい味わいを見つけてください。




