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Venus And The SAKURA  作者: モカ☆まった~り
王都動乱編
71/165

0070 ゼノンの悩み

「これはこれは、司祭様、晩餐会以来ですね。」オウカが挨拶をする。

「オウカ殿、今は公の場ではありません。私の事はゼノンと呼んでください。それに今日はお忍びで参っておりますので、このことはご内密に・・・。」


「ここでは何ですから、応接室でいいですか?」

「出来れば神殿があればそちらでお願い致します。」

「そうですか。ではこちらに。」


 ベルサイユ宮殿の一番奥、本来ならば「教会」と言うのだろうが、神殿が見つからない今では「神殿」と呼んでいるのが、この世界のならわしだ。


 とにかく、神殿までは遠い。ベルサイユ宮殿の広さがうかがい知れる。


 広場で訓練をしている傭兵団を見て、ゼノンが言う。

「戦士の数も随分と増えたのですね。」

「ええ、王都のスラムに住んでいる人たちを全員、ここで引き取りましたから。」

「神の祝福がありますように・・・。」

「着きましたよ。」


 ベルサイユ宮殿の大きさの割に神殿は小さい作りで、その理由は設計をした人にしか解らない。中に入るとその大きさがしっくりくるので、それを計算に入れての事なんだろう。天井には絵画、大きなステンドグラスと贅を尽くした内装になっていて、一番奥に一体の女神像が置かれている。


 ゼノンは宮廷に置かれている女神像と違う事を目にし、

「オウカ様、この女神像は・・・?」

「ああ、これが女神クリス・サリーナの実体ですよ。宮廷の物とは随分と異なりますが、直接会ったドワーフの職人に作らせました。」


本当はドワーフが勝手に作ったんだけどね!


「なんと神々しい・・・。」ゼノンは跪き、祈りを捧げている。

「オウカ殿!この像を是非とも王宮の神殿にも頂けないでしょうか!」

「そういうと思いまして、今ドワーフ達に作らせていますよ。」

「作用ですか!ありがとうございます!」


「それで、今日はどのような御用でしょうか。」

「実は・・・最近になり「神力」が弱くなっているのです。」

「神力?なんですか?それ?」

「今までは、毎日祈りを捧げると神託が降りて来ていたのですが、最近になってその神託が降りなくなって来ているのです。」

「例えば?」

「例えば、毎朝の祈りの際に、今日も神の加護を受けさせて頂きありがとうございます。と言うと、「あなたの祈りは私に届いてますよ」と返って来たりしていたのです。」

「それが最近になって、なくなったという事ですか?」

「そうなんです。」


「何かキッカケとかなかったですか?」

「申し上げにくいのですが・・・実はオウカ様達がこの世界に来てからなのです。」

「へ?という事は、俺らが原因という事ですか!」

「そうは言ってませんが、同じ時期なのです。」

「ちょっと、待ってって下さい!」俺はスマホを取り出しサリーナに連絡する。

「あ~、もしもしサリーナ?ちょっといいか?」

「なんだ?」

「お前、ゼノン・カレラ司祭を知ってるな?」

「ああ、知ってるとも!毎日、欠かさず祈りを捧げてくれる熱心な信者だ!」

「その司祭様が、最近になって神託が降りてこないって悩んでるんだけど?」

「何?桜花よ!スピーカーに切り替えてくれるか?ゼノンと話したい。」


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