0064 防御策
「それじゃ、行くよ。」右手を差し出す。
「解りました、お達者で。」俺の手をリョウタが握りしめる。
「私の力が必要な時はいつでもお呼びください。即座に駆けつけます。」
「それはお互い様だ。」
「それにしても、これから一ヶ月かけて帰るのは面倒だな~」
「そんなに時間が掛かったのですか?」
「ああ、なんせ山脈を迂回して来たもんだからね。大変だったよ。」
「それなら、いい物がありますぞ。」
何やら魔法陣が書いてある札を5枚程くれた。
「これは、転移魔法陣です。これさえあれば、いつでもこの国に来れますし、私が赴く事も出来ます。」
「おお~、それは便利だなぁ~、でもなぁ~面倒くさいのは今なんだよね。」
「それは、私にお任せください。」
魔王城改め、江戸城の外の広場。
全員、帰り支度万全の状態。
「オウカ様、屋敷を鮮明に思い出して頂けますか?」
「こ、こうか?」
「結構です!それでは行きますよー!」
屋敷の庭の風景が目の前にあった。
留守番をたのんだ者たちが、おかえりなさいと駆け寄ってくる。
リョウタ。アイツ、本当に魔王だったんだな。この能力も俺が使えるという事か。
屋敷のなかに入り、まずは無事に帰って来たことを皆に報告。留守の間、屋敷を守ってくれていた者への労いも忘れない。
次に行ったのは、スマホの登録。サリーナが面倒だという事で、俺が出来るようにと勝手に能力をくれた。やることは簡単。まず、一台のスマホに俺が手の平を付ける。そのスマホを使う人物が手の平を付ける。これだけ。仕組みは俺が基地局になったという感じだ。更にタブレットを買ってみた。これも全員が手の平を付けることにより、誰が何処にいるかが把握出来るようになった。
その後、王宮に行き、シエロ国王にお目通り、無事に帰ってきたことと、魔王国は攻めて来ることはないと報告をした。
「オウカ様、オウカ様じゃないですか!」と声を掛けてくるのは傭兵のアムさんだ。
「聞きましたよ!何でも魔王国に行かれたと。」
「ああ~そうですね。」
「それで、どうでした?」
「王国よりも、文化・技術が発展している平和主義国家でしたよ。」
「なるほど、魔王には会ったので?」
「ああ~気さくないいやつでしたよ。」
「随分、イメージと違いますな。」
「実際に見てみないと解らないものです。先入観で見ては行けないという事ですね。」
「ところで、アムさん。私に名前を受けてもらえますか?」
「え?」
「今日から、あなたの名前はアム・ロッシです。」
「畏まりました、わが主様!」




