0073 今日はハロウィンだから。②
「久々の我が家!やっぱり、家が一番だな~。」
「これが、ご主人様の家?部屋ではないのですか?」
「ば~か、この部屋ひとつで、今皆が住んでる屋敷が二つは買えるんだよ!」
「そ、そんなに高いのですか!」
「ああ、それもひと月の値段だ。」
「それほど、日本の物価は高いのですか?」リョウタが聞く。
「そうだなぁ〜屋台の食べ物があるだろ?向こうの世界では銅の小粒ひとつで済むが、日本では銅貨一枚ってところかな?」
「そんな高価なものを良太様は、無料で教えてくれたのですね。」
「みんな無事に揃ったか?」サリーナが確認をする。
「おお、誰一人と欠けてないぜ!」
「そうかそうか!それはなにより!ワッハハハ!」
「ご主人様、この子供はどちら様で・・・グフッ!」サリーナがジギルのボディーに一撃!
「子供とはなんだ、子供とは!この美の結晶を見て解らんか!」
「よお、久しぶりだなサリーナ!」
「おう!お前もな!魔王!いや、今はリョウタか!」
「ご主人様、こちらの方って、もしかして・・・。」
「ああ、コイツか?コイツが女神サリーナだよ。」
皆が一堂に驚き、一人は腰をぬかし、一人は泡を吹き、一人は失神してしまった。
「おい、ドワーフ!」サリーナが指をさす。
「は、ハイ!」棟梁は直立不動になっている。
「お前たちの世界に帰ったら、まずわらわの像を建てよ!あんな不細工な像ばかりではかなわん!よいか!」
「畏まりました!このムッタ・ゴラン、命を掛けて作り上げます!」
「それでだ、サリーナ。」
「おう、解っている!玲子、スマホをくれ!」
玲子はサリーナにスマホを手渡すと、「これをこーして、あーして、よし、出来上がりじゃ!」
「このスマホさ、リョウタは直接、サリーナとは連絡はとれないのか?」
「ん?出来るようにしてあるぞ。更に三人同時通話も出来るようにしてある。」
「他にスマホがあれば、俺の眷属同士でも通話は可能か?」
「ああ、お前の眷属ならな。って何を考えている。」
「何かあった時の連絡手段だよ。これで、何かと使えるようになるぜ!」
「なるほど、もし戦争になっても統率のとれた行動が出来る・・・と。」
「ああ、その時が来ないことを願うがな!」
「ご主人様〜」リリアが俺の裾を引っ張る。
「せっかく、ご主人様の世界に来たんだから、色々見たいんだけど。」
「バカ!今お前たちが街に出たら目立つだろうが!」
「その点は心配無用だぞ!桜花よ。」
「なんでさ!」
「カレンダーを見てみよ。」
10月31日・・・。
「ハロウィンか!?」
「そういう事!」
「よし!皆で出かけるぞ!」
「あの、無駄遣いはご遠慮ください。」俺のコピーが言ってきた。
「いくらぐらいなら、大丈夫そう?」
「300万円ぐらいです。」
「お前、結構な倹約家なんだな。」
「炊事・洗濯・掃除を自分でするようになってから、お金が貯まるようになりました。」
「そ、そうか、ありがとう。」
「本物の桜花さんからは考えられない事よね。」玲子が笑いながら言う。
俺たちは街に繰り出した・・・。
夜なのに明るい街に皆はびっくりとうれしさで、大騒ぎ。色々な恰好も「リアルだね!」「クオリティ、高!」と言われるぐらいで、誰も気にしない。
「ご主人様、あれは何ですか?」指さすのは東京タワー。そういや昇った事、なかったん
だっけ。
「よし、あの高い木に昇るぞ!ついてこい!」
ひとしきり東京を楽しんだ後、棟梁には包丁などを見せてやった。
「これは、絶品ですなぁ〜」数種類の包丁を買ってやり、リョウタには日本の着物・調味料や野菜の種、工芸品を買ってやった。
「メシにするか~!」行く先はもちろん、「鮨屋!」これ一択でしょ!
最初は「生魚を食べるんですか〜」と敬遠するが、我慢して一口食べれば、虜になって行く。皆、バクバク食べていく・・・。良かった回転ずしで。
スマホを調達しなければいけない。携帯ショップに行って「SIMなしのスマホ、一番安いのでいいから、あるだけくれ!」80台ぐらい手にすることが出来た。
街はハロウィン、みんながコスプレをしてお祭り騒ぎ。誰かが言った。「この国は多種族国家なのですか?みんなとても楽しそう。私たちの世界もこうなればいいですね。」
「ああ、そうだな。」と街ゆく人を眺めながら、気持ちを新たにして行く。
「ご主人様〜!おなかが空きました!」
「よし!次はそば屋に連れてってやろう!」
東京の夜はまだまだ続く。




