神の祝福
どこからか、サリーナの声が聞こえたと思ったら、俺を魔法陣の光で包みこみ・・・
俺の家。しかも日本の。
「お帰りなさい。」と出迎えたのは、俺と玲子のコピー。
「頑張ったな!」とサリーナが顔を出す。
「頑張ったってもんじゃないよ。死ぬかと思ったんだぜ。」
「いよいよ危ないと思ったら、わらわが手を出そうと思ってたのだ!」
「へいへい、それはありがたいことで。」
「で、なんで俺は日本に帰って来てるんだ?」
「お前、自分だけ回復手段がないって、言ってたろうが。」
「ああ、確かに言った。まったく、フェアじゃないぜ。」
「お前を回復させてやろう。」
「回復って、どうやって、グフッ!」
サリーナが突然キスをしてきた!あの甘い舌触りは久々だな、イカンイカン早く離れなければ!と言ったものの、ほとんどのHP、MPが切れかかっているのと、サリーナの上手いキスのお陰で、動くことが出来ない・・・。
サリーナがゆっくりと唇を離す・・・。
「お前、何すんだ!って、あれ?」体が動くのである。気力も回復している。
「どーだ!HP、MP共に全回復してやったぞ!感謝しろよな!」
「何でだ!俺も皆に同じことをやったが、少しだけの効果だったぞ!」
「わらわを何だと思っている!女神だぞ!女神!これぞ神の祝福よ!」
「あ、ありがとうございます。お陰で助かりました。」
「それで、どうだった?わらわとのキスの味は?」
「はい…非常によかったです。」
「そうだろそうだろ!わらわと個人的にキスをしたかったらいつでもOKよ!痛!」
「す、すまん。思わず殴ってしまった。」
ー***-
「オウカ様、こちらにいらっしゃいましたか!探し回っていたのですよ!」
ジギルが心なしかあたふたしてる・・面白い光景だ。
「うん、サリーナに回復の儀式をして貰ってたんだよ!だから俺は超元気だぜ!」
俺たちはもう一度、各部屋を周り、皆の回復に努めた。
こんなことは普段はしないのだが、一番疲労が激しい玲子の部屋に夜這いに行った。
あくる朝、全員が全回復をしているのを確認して、皆で朝食をとる。
ドラゴン族って言っても、人間と同じものを食べるんだな。
まっ、味はリリアの方が美味いけど。




