三部族の長老
翌日。
「3部族集まって、これ?」
合計、150人位。ひと部族、50人ぐらいか。
「なんで、皆で一緒に暮らさないの?」
「我々は別々の部族ですので…」と、一人の長老が言った。
「でも、皆は同じエルフなんでしょ?」
「オウカ様…。この方が良いのです。」とまた別の長老が言った。
「どういう事?」
「全部族が一つの場所に固まっては、魔物に襲われた時に生き残れません。」
「魔物?いるの?どんなのが?」
「はい。ドラゴンやワイバーンです。」
「え?ドラゴン、小さかったよ?王国でやっつけたけど。」
「それはドラゴンではありません。単なる羽の生えた火を吹くトカゲです。」
「それじゃあ、ドラゴンって…」
「はい、襲われたら我々など一溜まりもない大きさと、炎を吐きます。」
「なるほど、そういう事か。でも、見ないよなぁ~」
「ワイバーンは?」
「南の滝がある地域を縄張りにしていますので、我々は近づくことは出来ません。」
「成る程、街とか王国とかは興味ないの?」
「もちろん興味はあります。しかしあの魔王の恐怖の為に、人族が怖いのです。」
「なかなか、難しい問題だね。ちなみに俺が住んでいる王宮のある街では、そういった差別はかなり減ったけどね。」
「そうなのですね!一度、行ってみたいものですな!」
「ああ、いつでも来たら…いや、呼びに来るよ。」
「さて、今日は皆さんに名前を付けます!」
まずは、昨日の長老からこの人は昨晩から思いついている。
「あなたは、ジュウエモンを名乗りなさい。」
「はい。ジュウエモンの名、確かに!」
次の長老はと…
「あなたは、サブロウを名乗りなさい!」
その次の長老は…
「あなたは、ジロウを名乗りなさい!」
名付けをしているものだから、部族の皆が羨ましそうに見つめてくる。
「長老達、ちょっといい?」
俺は3人を集めた。
「実は俺が名前を付けると副産物で男の場合は忠誠を、女の場合は俺の嫁になってしまうんだよね。男の名前は長老達がつけてよ。で、男が惚れている女の子にその男が名前を付けて嫁にしてもらって。もちろん、サリーナの加護はあるから安心して!」
ジュウエモンが言った。
「オウカ様は、我々に名前をもたらすために来た方なの知れませんね。




