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Venus And The SAKURA  作者: モカ☆まった~り
王都編
29/165

玲子の事業運営プラン

新たに問題が発生した。余りの人気の為に今の座席数では回らなくなってしまったということだ。

急いで2号店を出店することにした。今度は貴族が集まる地域に構える。メニューは変わらないのだけれど、「是非、この店で舞踏会などの催し物を開きたい」との貴族のリクエストが多かった為に、かなり広い空間になった。座席数で言うと300席は確保できる位の空間に、高い天井には絵画を施し、床は大理石を使った。ほとんど屋敷である。普段は普通のレストラン、週末はパーティーというローテーションを組んだ。


こちらの店舗の従業員達は、わざと獣人族を中心にした構成を組んだ。人種差別をなくすのが目的だ。最初は困惑と軽蔑の眼差しの貴族たちであったが、下手をすると自分の屋敷よりもレベルが高いのでは?と感じる接客のために、自分の屋敷で働いてくれないか?と勧誘する貴族が現れるぐらいの平等を勝ち取ることが出来た。


「これらの給仕は勇者オウカ様の教育の賜物です。」と言うと、貴族御用達の給仕達を教育して欲しいとのオファーがあったので、別料金を頂くようにして引き受けた。瓢箪からコマだ。

いくら、貴族様御用達の給仕と云えども、「名無し」が多い。オウカさんに頼んで、名づけをしてもらった。当然、オウカさんへの夜這いが殺到したのだけれど・・・勇者だから大丈夫よね。


レストラン、給仕の教育機関と事業を進めているうちに、思わぬ副産物の現象が起こった。「人種差別が緩和」されて治安が良くなってきたと云う事である。理由は貴族達が身分が低い者、獣人と触れ合ううちに差別感が和らいで来たこと、教育次第で高等な技術を習得出来ることが解ったことにより、積極的に雇い入れる現象がおこり、経済が回るようになって来たからで、この現象の為に各家庭も金銭的に潤って来たからだ。


しかし、玲子は悩んでいた。

「はぁ~。」大きくため息をつく。

「玲子、どうしたんだ?」桜花が心配そうに聞く。

「実は、人材不足で・・・。新たな料理人と給仕、教育に長けた人が欲しいのよね。」

「それなら、ローズをしばらく、玲子に付けるよ。」

「でも、ローズはあなたのボディ・ガードも兼任してるんでしょ?悪いわ。」

「大丈夫、ジギルもいるし、傭兵団の中にも頭角を現わして来たのもいるからね。」

「それじゃ、お願いしようかしら?」

「ああ、すぐに君の所に行くように言っとくよ!」


「玲子夫人、失礼いたします!」とやって来たのはローズである。

「あれ?あなた、しゃべり方がいつもと違うわね?」

「あれは、ご主人様だけに対する話し方です。普段はちゃんとした話し方です。しかし、この事は、ご主人様にはご内密に願います!」

「なぁ〜んだ、あなたも結局は女の子ってことね?了解、言わないわ。」

ローズは顔を赤らめながら「よろしくお願いします。」


「それで、私に人材を探して欲しいと伺いましたが?」

「そうなの。」玲子は大きく頷く。


「私が探して欲しい人材はね。」

・料理人、20名

・給仕、60名

・教育に長けた者、10名


「それと、これが一番重要な事なんだけど、ちょっといいかしら?」とローズに手招きをする。

「隠密行動に長けた者を20名、当然、戦闘能力も十分にある人がいいわ。」と小声で話す。

「理由は聞かないでね。」

「解りました!それで、どれぐらいの期間で集めましょう?」

「そうね、だいたい一ヶ月ぐらいかしら?褒美は桜花さんをその間、独占できるってどう?もちろん夜も。」

「畏まりました!このローズ、必ずやり遂げます!あ~ん、ご主人さま~ん!」と慌ててドアを出て行った。


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