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Venus And The SAKURA  作者: モカ☆まった~り
悪魔対峙編
162/165

0161 戦

 エランド王国はハイマギーの森、実はハイマギーの森はL字型の形になっており、その森には森の妖精、エルフが住んでいる。

 そのエルフより桜花に救難信号が送られてきた。

『この森を救って欲しい』と。


 桜花はサイゲの森に住むエルフ達に一時的な避難受け入れを要請し、その森にエルフ達は避難をすることになった。

 ただ、森を守ることは約束できないと言い残した。


 サイゲの森より広大な平野があり、その先にエランド王国がある。

 武装をした連合軍20万はその平野に陣を構えた。


 この世界のならわしではまずは戦争を何時から行うかの情報交換がある。

 今回も同じく、使いを出したのだが、一向に帰って来ない。

 帰って来ないどころか、多数の火矢が連合軍目掛けて飛んで来た。


 余りにも常識はずれな行動に連合軍は黙っておられず、一斉に進軍を始めようとするのを桜花は止めた。


「オウカ殿、なぜ止めるのです!先手を打って来たのは奴らですぞ!」

「奴らの挑発に乗っては行けません!まずは我々傭兵団が敵地に乗り込みます!のろしを上げますから、それから進軍をしてください。」


 連合軍は進軍を始めたいのだが、桜花が言うように留まることを了承した。

 と、言うのも、相手の姿が見えないのだ。

 空中からいきなり火矢が飛んでくる。何も見えない。そんなところに突っ込むのも自殺行為、無駄骨だと悟った。


「では、俺達が先鋒を飾るぞ!セバス!用意はいいか!」

「何時でもどうぞ!」


 桜花達はセバスの記憶をたどり、転移魔法でエランド王国に飛んで行った。

 それと同時にブラッド達が認識阻害をレジストし、相手の姿を現わした。


 相手が見えるのならこちらの物だ。桜花達は日本刀で切り込んだ。

 反撃する者達をダダン達ドラゴン族がブレスで焼き払い、半数ほどに削り切り、のろしを上げた。


「のろしが上がった!進軍開始!」

 騎馬兵、歩兵隊と走りこんでいく。その頭上に黒雲が現れ、落雷が落ち、連合軍の半数が焼け落ちてしまった。


「ハハハ!馬鹿者達が!我がそう簡単に落とされる訳がないだろう!」

 上空を見ると黒雲に映し出された黒いローブを纏った一人の男性の姿があった。


「我の名はエランド王国国王、シンイチロウ・セキである!貴様ら全員死ね!」

 無数の落雷が連合軍を目掛けて落ちて行った。


「なんだあの落雷は!何があった!」

「エランド王国の攻撃です!連合軍の大半がやられました!」

「ドラゴン族に次ぐ!全員にヒールをかけ癒してやれ!それと落雷から守ってやれ!」


 ドラゴン族は連合軍の元に向かった。焼け落ちたかのように見えた軍隊は瀕死の状態ではあったが、まだ息があった。上空より大がかりな治癒魔法を掛けると、皆が立ち上がり落雷をドラゴンたちが羽で防いで行った。


 息を吹き返した連合軍は城門になだれ込み乱戦となった。

 そのまま勝利かと思った時に全員の動気が止まり、仲間内での切りあいが始まった。

 精神支配である。


 すぐさま、ナツをはじめとする魔法部隊がレジスト、正気を取り戻した連合軍はすぐさま反撃を始めた。


 連合軍の大砲部隊が城壁を破壊していく。その度に城壁にいた火矢部隊は悲鳴と共に落ちて行き、城壁の大半が崩れ落ちて行った。


 しかし、背後から襲ってくる感触があった。

 その部隊は完全武装をしているのだが、なにかおかしい。鎧の奥は人の顔ではない。

骸骨だった。

 連合軍が剣を突き立てようとしても全く効果がない。どうやら魔法付与が施されているようだ。

 すぐさまカーミラが聖属性魔法で応戦するが数が多すぎる。連合軍はあれよあれよと切り捨てられていった。


 桜花率いる傭兵団が骸骨騎士を相手に切りかかる。この世界の剣では歯が立たなくとも、日本刀の前では簡単に切ることが出来る。

 カーミラとブラッドが協力をして聖属性魔法で浄化していくコンビネーションで何とか切り抜けられているようだ。


 傷を追った連合軍は人化したドラゴン族が治癒魔法を掛ける。

「かたじけない!」

「安心しろ!何度でも助けてやる!」


 治癒をしている間に襲い掛かってくる連中はブレスの炎の餌食となった。

「ドラゴン族を舐めるなよ!」


 城壁内は混戦状態になり、連合軍は一度、引く事にした。このままでは戦いづらいからだ。

 負傷した兵を優先して城門を後にした。


 無防備になった連合軍に向け、再び落雷が落ちた。

 先程の落雷の比ではなく、強烈な落雷により半数の兵たちは亡くなってしまった。


 城より降りて来る兵の姿があった。ゾンビ達だ。しかも意識があるので質が悪い。

「くそ!今度はゾンビかよ!皆、絶対に噛まれるなよ!首を刎ねろ!」

 一人の兵がゾンビに捕まった。両手を使い抵抗している時に後ろからゾンビの首を刎ねる兵がいた。

「助かった!」


 そう言ったのも束の間、別のゾンビに噛まれてしまい、次々とゾンビの数が増えて行った。

「ダダン、ラム!焼き払え!」

「了解!」


「なんなんだよ、この国は!化け物ばかりじゃないか!」

「泣き言を言うな!命が惜しければ斬りまくれ!」


 空を飛ぶ鳥のような者が現れた。紫色の煙を出している。

 その煙に触れた傭兵団員の皮膚が溶けだしていき、息を引き取った。


「やばい!気をつけろ!打ち落とせ!」


 傭兵団、連合軍共に弓を引くが、高度があり届かない。


「俺に任せろ!」


 ゴブリンのガハクが二階の窓から鳥を目掛けて飛び出し、捕まえ叩き落とした。

 しかし、鳥はドンドンと増えている。

 その度に、ゴブリン達が捕まえ、叩き落としているが、鳥の数が多い、多すぎる。

 上空を鳥たちが覆ってしまった。


「みんな、逃げろ!」


 その声に一斉に建物の中に逃げ込む者や城外に逃げる者がいた。

 逃げ遅れた者達は毒に侵され、城外に逃げた者は落雷の餌食となってしまった。


 残すところ、連合軍50名、桜花率いる傭兵団100名ほどである。


 相変わらず、上空は毒霧を吐く鳥が覆いつくし逃げ場がない。

 ダダンが、ドラゴンの姿になって突っ込んで行った。

 毒霧で身体の一部が溶け始めたのだが、ブレスを吐き、鳥達を一掃したのだが、ダダンは 墜落、帰らぬ人となってしまった。


 次に現れたのが、ローブを身に纏った骸骨達。所謂、リッチと言う所だ。

 リッチ達は攻撃魔法特化で容赦なく魔法をぶち込んでくる。

 あっと言う間に連合軍が滅んでしまい、戦闘訓練を積んでいた傭兵団15名ほどが残った。


「おい!」

「なんだ!」

「お前、言い残すことはないか?」

「何を言っているんだ?」

「俺はよ、オウカ様に拾って貰った時から、この人の為なら死んでも良いと思ってたぜ。」

「それは、俺も同じだ!」

「なら、一人でも多く、道連れにしてやろうじゃないか!」

「オウ!」


 傭兵団が突っ込んで行く。リッチはどうやら、下半身がノーガードのようだ。

 下半身目掛け滑り込み、刀で切り込んでいく。どうやら、手ごたえがあるようだ。


「みんな!下半身を狙え!」


 傭兵団、全員が突っ込んで行く!その途中で何人もの傭兵団員が倒れて行った。


「くそ、まだやられるかよ!」


 二人残った傭兵団員はリッチの背後から切りつけ、残り一体と言う所で、魔法の餌食となってしまった。




 桜花はと言うと。


 城の中に入り、寒暖を登り最上階を目指す。

 そこには黒いローブを着た男が立っていた。


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