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Venus And The SAKURA  作者: モカ☆まった~り
マイカ帝国編
152/165

0151 暗殺計画

 ヤヌス王国とマイカ帝国の水面下での交渉は15回に渡り、バレット国王の真摯な態度もあってか多くの問題もスムーズに次々と解決へと向かって行っている。





 マイカ帝国軍司令部会議室。

 指揮官のドレンと幹部合わせて15名が机をかこんでいる。


「まずいな。このままでは帝国は王国の属国になってしまうではないか。」


 ドレン指揮官は葉巻の煙と共に漏れ出すような口ぶりで現状を語った。


 マイカ帝国は政治体制は王派閥と軍で対立している。

 よって、戦争がないと軍に所属する者は食い扶持がなくなるのである。


 今まではヤヌス王国と戦争を前提とした方向で国が動いていた為、国からの金の流れがあったが、講話交渉が進むにつれ予算が削られて行っているのである。


 更に軍は反女神をエランド王国が謳っている事に同調している。女神は何の加護もくれないただの権力者との主張を支持し、クリス・サリーナを信仰しているヤヌス王国と自国帝王を敵視しているのだ。


 何か戦争に持ち込む方法はないか?


 指揮官が軍会議に出席している幹部達に意見を求めると一人の将校が手を上げた。




・・・皇帝の暗殺




 ただ暗殺するのではなく、ヤヌス王国内で王国兵に扮して実行・宣戦布告をする計画であった。


 指揮官は皇帝を暗殺するのには抵抗を感じたが、やむを得ずと考え、暗殺に向けて計画を練ることになった。


 実際、戦争になれば帝国は正規兵5万人を保有している。ヤヌス王国は多く見積もって2万が限界だろう。オウカと言う勇者の存在は気になるが、数で押せばなんとかなるだろうと踏んだ。


「暗殺計画を実行する。」






 さて、新婚旅行から帰って来たバレットはというと


「あなた♡」


「な〜に? マーちゃん♡」


 新婚ほやほやの家庭によくある光景がここにもある。参謀や貴族連中がいてもお構いなし。一種の病気ではないだろうか?


 それでも仕事は仕事。今やるべきことはマイカ帝国との講和。これが実現すればハイマギーの森を通過して海外との交渉が可能になる。そうすれば金銭的、文化的にも大きく向上するのだ。何としても実現させたい。


 実質的な講和は水面下で後1〜2回ほど交渉をすれば実現可能であろうと予測ができる。あともう少しだけなのだ。


「次の交渉まで残り一ヶ月だな。話す内容をまとめておかないと・・・。」


「私も協力するわ!あなた♡」


「ありがと~チュッチュチュ♡」





***





「最近、バレット来ないわね。」


 玲子が桜花に話しかけているのはレストランミツヤ2号店。バレットが毎日訪れる店だ。


「そりゃ、新婚だもんな!二人っきりでいたいんだろうさ!」


「バレット一人で売り上げが大きかったからね・・・。」


「本音を言うもんじゃありませんよ!玲子さん。」


「これは失敬!」


 とは言うものの、レストランミツヤ2号店は今日も大盛況な訳ではあるが、やはり毎日来てくれていた人が来ないのは、やはり寂しい。


「早く帰って来てね。バレット。」



 忙しい時間をさいてやってくるもう一人のお客さんがいる。

 レストランの扉が開いた。


「こんにちは。」


 神殿のゼノン司祭だ。神殿が出来てから王宮で政治、神殿では司祭の仕事と何かと忙しい人で、身体は大丈夫なのですか?と聞くと年をとっていられませんなと笑っている。


「今日は何を食べますか?」


「では、あさりのパスタとスープ、パンでお願いします。」


「畏まりました。」


 給仕の者が去って行くと誰にも聞かれたくないのだろうゼノン司祭が桜花の顔に自分の顔がひっつかんとばかりに近づいて来た。


「オウカ殿、マイカ帝国との話しなのですが・・・。一か月後に水面下での交渉が行われます。今まではお互いの国で話し合って来ましたが、出来れば中立国家のシェラハ王国で会談が出来れば良いのですが、会場の手配をお願いできませんか?」


「解りました。シェラハ国王に伝えましょう。」


「これが終われば皇帝ロンベルクとの会談が実現しますので、なにとぞよろしくお願いします。」


 ではとゼノン司祭が手を振って出て行ったので、俺はひとまずシェラハ王国に向かう事にした。向かうと言っても転移魔法一発なんだけどね。


 とりあえず、宮廷に行きシェラハ国王にオウカ・ミツヤが来たと伝えて先程聞いた交渉の場を貸して欲しいので話しをしたいのですがとアポをとることにしたら、三日後の夕刻ならば大丈夫との返事が返って来た。


 ヤヌス王国に帰って来た俺はドワーフ工房に行き、小型の冷蔵庫を作るように指示を出す。二日ほどで出来るとの事だった。


 今日はやることもなくなったのでベルサイユ宮殿に戻ると、ぱたぱたと足音を鳴らしながら出迎えるのは151番目の嫁、サリーだった。


「お帰りなさい。最近ちっとも遊んでくれないから寂しかったですわ。兄様の所に行こうにも気を使ってしまいそうですし。」


 サリーはバレットの妹であり、俺の嫁だ。なので年は違ってもバレットの方が兄貴になる。


「そうか、じゃあ俺も暇だから一緒にバレットの所に行って冷やかしてやろうぜ。」


 俺とサリーは転移魔法でと言いたいのだが、サリーがゆっくりと桜花と歩きたいと言うので王宮までの道のりを手を繋いで向かうことにした。


 王宮前に到着した俺達は勿論顔パス。門番も気軽に通してくれる。大きな階段を登り奥に行った所にバレットが日ごろ働いている部屋がある。衛兵が立っているから中にいるのだろう。


「よう、バレットはいるかい?」


「あっ、オウカ様、それに王女様!」


「もう私は王女ではありませんよ。奥様と呼んでくださいましな。」


「申し訳ございません。」


「じゃあ、入らせて貰うよ!」


「あっ!今はいけません!」


 衛兵の声をよそに扉を開けた。すると中ではバレットの膝の上にマリーが座り、抱きつきながらキスをしている。サリーも思わず顔を両手で隠してしまった。気づいたバレット夫妻も慌てて座りなおし顔を真っ赤にしている。


「オウカさん!それにサリーまで!急に入ってきたらダメじゃないですか!」


「何を言っている!オフィスラブ反対!」


・・・・桜花もオフィスラブで玲子をゲットしているのではあるが、自分の事を全開で棚に上げている。


「サリーも遊びに行きたいって言ってたからよ。一人じゃ気を遣うって言うから一緒に来た。」


「そんなの事前に教えてくださいよ!」


「スマン、仕事中だったな!忙しかったら帰るけど。」


「忙しくありませんよ!見たんでしょ!」


 一通りからかったので、帰ってもよかったのだが、一応交渉の場をシェラハ王国にするという事を伝えておこうか?まだはっきりとした場所は決まってないけど。


「あのさ、一か月後に交渉があるんだろ?ゼノン司祭に言われてシェラハ王国でしようってなってるから、教えておくわ。」


「助かります。分かり次第、すぐに教えて貰えますか?案内文を送りますので。」


「分かった。じゃあな。仲良くしろよな!」


・・・。結局、マリー妃は真っ赤にした顔を一度も上げてくれなかったな。


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