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Venus And The SAKURA  作者: モカ☆まった~り
ハイマギーの森編
143/165

0142 ワイバーンの肉は生が美味い

「ゴブリンって、弱い魔物なんじゃないの?」

 俺の言葉に全員が顔を横に振る。


 え?俺の知ってるゴブリンってさ、緑色の肌に知能が乏しいスライムに並ぶ、二大雑魚キャラでしょ?なんで皆して顔を横に振るのさ。


「確かに緑色ではありますが・・・。1体が2m位の筋肉質な体型をしています。」

 トカゲ君が、参りましたよ本当にと言わんばかりの大きなため息をつく。


「しかも、知能は高い。集団で襲ってくる。面倒くさい。」

 ダダンとラムが、本当に面倒くさいとばかりに呟いた。


「主殿、よろしいでしょうか。」

「なんだ、ジギル?」

「闘技場で私の前の無敗の王者がゴブリンだったのです。」


 えー!ゴブリンが闘技場の無敗の王者?つまり、ジギルと互角って事だよね?


「1匹でも力はあるし、動きも速いのぉ。」

 ローズ、お前も戦った事があるの?手こずるの?


 でも、『ゴブリン』なんだよね?

 俺の脳内はアニメの情報と現実の情報が入り混じって混乱している。


「やはり、行かれるのは止めにした方が良いかと・・・。」

 トカゲ君が言ってくるのだが、エルフ開放をするって約束もしたし、俺の今後を左右するエルフなのだ、行かないわけにはいかない。


「エルフを解放するぞ!」

「では、残りの傭兵団も連れてまいります。」


 皆、どんだけ警戒してんだよ?なんだかんだ言っても、俺達は強いよ?

 俺は、納得できない半分、興味半分。


 トカゲ君は心配していたが、宴の夜は更けて行った。




 翌朝。


 傭兵団、350名。

 本当に、全員で行くのか。まあ、多い方が有利ではあるけど。


「我々は、力になれない非力な者達ばかりです。同行できないことをお許しください。」

 リザードマン代表が深々と頭を下げると同時に、リザードマン全員が頭を下げた。


「では、出発!」

「お待ちください!」

 トカゲ君、何?気合入れたいんだけど。なになに、途中にワイバーンが出現する地域があるからご注意を?うん。ありがとう・・・。って、おい!


「ワイバーンの方が危険だろうが!」


 ワイバーンの相手は我々、ドラゴン族にお任せをとダダンとラムが、何故か嬉しそうにしている。何か理由があるの?なになに、ドラゴン族でワイバーンの肉は重宝するので、お見上げにしたい?そんなに美味いの?いいよ、任せる。


「改めて、出発!」


 リザードマンの居住区から南へ20Kmの所に大きな川が流れている。

『川』ではなく『河』。とにかく広い本当にアマゾン川のようだ。


 河の手前側は湿地帯、向こう岸はサイゲの森のような木々が見える。どうやら、この河が境界線になっているようだ。


 どうやって渡るのか?それは簡単。見えているから転移魔法で一瞬よ!

・・・だと思っていた。


「あーれー!」着地点に地面がない!俺達は堕ちるしかない。

 下を見ると東京タワー位の高さ位だと体感でわかる。

 ポトフとアランの風魔法と、ダダンとラムがドラゴンに変身してくれなければ、俺達は終わっていたと思う。ゆっくりと地面に着地した。

 これからは、見込みで転移をするのは止めようと思う。


 着地した地域は草原が多いようで、はるか向こうに森らしきものが見える。ここでワイバーンが現れるとやばい。


「皆、上空に注意をしながら進むぞ!」

 俺達はゆっくりと進むことにする。だってさ、あの森まで何日かかんの?という位に森までは遠い。下手すりゃ、一週間コースだよ。これ。


 歩き始めて数時間、休憩をとる。まったく進んだ気がしないのは、傭兵団員も同じようで誰もが無言で座り込む。しんどいよね。確かに。

 ダダンにセバス達隠密隊を乗せてもらい、森にまで偵察に行ってもらった。こうすることで、転移魔法を・・・。やめておこう。


 リリア達が簡単に食べることが出来る食事を用意してくれた。「おにぎり」である。

 具材は傭兵団には牛の大和煮が人気で大量消費。俺はと言うと「塩おにぎり」これ一択。一周回って塩おにぎりなんだよなぁ〜。


 おにぎりのお陰で、傭兵団にも活力が出て来て行軍開始!ゆっくりと進んでいくと上空に黒い影が・・・。


 ワイバーン⁉あれが?デケー!ドラゴン位あるやん!

 俺達が戦闘態勢に入ろうとすると、「とう!」の掛け声にラムがドラゴンに変身、尻尾を振り当てると、あら不思議。へなへなとワイバーンが落ちてくる。

「一匹ゲットだっちゃ!ダーリン!」ラムは嬉しそう。


 落ちたワイバーンの肉はワイバーン同士でも貴重なようで、ドンドンと他のワイバーンが集まってくる。10頭入るようだ。

 ラムが応戦してくれているのだが、多勢に無勢、苦戦の模様。


 俺も混ぜろ!ダダンが猛スピードで飛んで来た。これで形勢逆転。次々にワイバーンが落ちてくる。

 さらにワイバーンの肉を求め、他のワイバーンが・・・。一帯、何頭いるんだ?


 すると、北の空からドラゴン族達が10頭程やってきて加勢をしている。

ん?なんで皆して、ワイバーンを尻尾で叩いて落とすの?炎のブレスで一発じゃないの?


 ドラゴンとワイバーンの戦いは30分もかからず、ドラゴン族の圧勝、それぞれが地に降りて来る。

「オウカ殿、久しいな!」ドラゴン族の族長ゴラドがすっごい笑顔でやって来た。

「お久しぶりです。あのなんで皆さんブレスを吐かなかったのですか?」

 俺の言葉にドラゴン族が全員、目を合わせ大笑いをする。なんでだろう。


「ワイバーンの肉は生が一番、美味しいのだよ!オウカ殿にも食わせてやろう!」

 気づけばドラゴン族の皆さんは手際よく血抜きと一頭を捌いてくれている。

 食ってみろと出された肉は、血が滴っているのだが、良いサシが入っているようでキラキラしている。


「ささ、どうぞ!」

 族長の勧めるがままに、がぶりと一口。うん肉だね。地球で言う所のA5ランクの牛肉の感じではあるが、やはり調理をして欲しい。そのまま食べるのはワイルドすぎる。


「シェフとコック!生で食べる美味しい料理を頼むよ!」


 生で食べるのならとシェフが料理したのは、ワイバーン肉のタタキ。これは美味そう!

 コックが作ったのは、ワイバーン肉のカルパッチョ。シンプルでいい!

 リリアが私もと出してきたのは、ワイバーン肉の握りずし!


 オオ〜!傭兵団の声が上がるので、その場でワイバーンを使った宴会が始まった。

 もう、ワイバーンもいないからね。ドラゴン族が狩りつくしたし。

 残りの大量にあるワイバーンはどうするんだ?と聞くと族長は不敵な笑いを見せ「見よ!我が魔法を!」一瞬でワイバーンの氷漬けが出来上がった。

 転移魔法で城の保管庫へと運ぶようだ。


 では、またな!今度は王都にワイバーン肉を持って来よう!と言うので、その時はドラゴンの姿はやめてくださいねと念押しをしておいた。


 さてと、ワイバーンの恐怖も去った事だし、出発しましょうかねと腰を上げると一本の矢が少し離れた所に刺さった。


 どこから飛んで来た?周りには誰もいないし気配もない。方向からするとあの森で間違いはなさそうだが、セバス達がいるはずだが連絡がないのはおかしい。

 そのタイミングでスマホが鳴った。セバスだ。


「オウカ様、大丈夫でしたか?」

 セバスが慌てている様子が声でわかる。

「矢はどこから飛んできているんだ?」

「それが、この森の更に奥に岩山がありまして、そこからかと思われます。」

「人影はないのか?」

「はい。岩山にも人影がございません。」


 草原の途中まで進んで来たけど、あの森までは後2日位はかかる距離がある。更に奥から矢を射って来たとなると、名人でも無理だろ?大体、ここまで届くか?

 更に矢が飛んできて、さっきより俺に近い所に刺さる。


 まさか、微調整してる⁉


 更に矢が飛んできて、徐々に俺に近づいて来て、いよいよ俺に当たるところにまで飛んで来た。

 しかし、遠距離の矢なので、威力がなく簡単に刀でいなすことが出来る。これなら楽に・・・って、おい!なんだあれ!


 無数の矢が俺を目掛けて飛んでくる。しかも威力アップのおまけつき。さっきまでは照準を合わせるだけの矢だった訳か!


 俺達は各々、刀で矢を落とし、面倒くさいとダダンがブレスで一気に焼きつくした。

「オウカ様、次は石が飛んでいきます!」

 スピーカーからセバスの声が聞こえた。石?


 いやいや、どうやってその大きさの石を飛ばしてくるんだ?

 遠近感がおかしくなるような『巨大という名が相応しい』大きさの石。いや、あれは「岩」だな。

 ただ、その岩は俺達の前に落ちたからお陰で矢の攻撃からは逃れることが出来そうだ。


「オウカ様!」

「なんだ!」


「ゴブリンの軍勢が向かってきます。」


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