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第5戦目 スタートダッシュ? なにそれお茶菓子?

お疲れ様です。


祝PV300!


祝ユニーク100人!

「いや、マジか……」


 グニルは、頭を抱えて噴水の縁に腰掛けていた。

 目的地に着いたら余程何かない限り移動しないのが我等暗黙のルールなのだが、まさか山道を下ったら街の中央に着くとは思わなかった。


 近くをソワソワしながら通り抜けようとした町の住人に話したら、妖精の悪戯だろうと言われた。


「……暇すぎだわ」


 宙に浮いた半透明に光る水色のボードを思考入力で操作し、メニュー系のチュートリアルを次々に終わらせていく。



─ ─ ─ ─



「足止めさせちゃって悪かったわ。楽しい時間をありがとう」


「いえいえ、私も異界の民とお話し出来て楽しかったわ。またねグニルさん。うふふふ」


 ビーグル犬のような耳を頭から生やした女性は、楽しそうに尻尾を振りながら市場の方へと消えていった。  


「お前さんなにやってんだよ……」


 ボロボロになった初心者の皮装備一式を身に付けた男性は、噴水の縁に腰掛けるグニルの横に座った。


「妬み? そういうアフロはアフロどこ置いて来たんだ? 不思議だわ」


 グニルの視線は、本来であればアイデンティティーが鎮座しているはずの登頂へと釘付けになっていた。

 しかし、俺の魂はそこには無く、泣いてるかの様に悲しげな光を放つ地肌だけがあった。


「ナビゲーション締め上げたけど取り扱わ無え(ねえ)って言われた上に、負けた腹いせで毛根死滅する呪い掛けられちまった。しかも解呪不可らしいぜ?」


 俺は、ツルツルの頭を擦りながらグニルへ笑いかけた。


「爆笑だわ! というか長髪を我流アレンジすれば多分いけたと思うんだわ」


 え? 長髪をアレンジ? あ……。

 頭を擦っていた手は、いつの間にか頭を抱える動きをしていた。


「NoooooooooooooooooOOO!!!!!!」


「これは勝てないわ! 爆笑過ぎだわ! ブハハハハッ!」


 俺は、爆笑するグニルを無視してしばらく空へと叫んだ。



 ─ ─ ─ ─



「って、ことがあったんだわ」


 お洒落な時計が掛かった壁を背にしたグニルは、ニヤニヤしながらケーキを一口食べた。

 5人は噴水広場で集まった後、カフェ「シルフィ」に行き、スタートダッシュそっちのけで談笑していた。


「うふふふ、わらうー」


 ピンク髪でボブカットがトレードマークの少女メガセリオは、口に手を当てて小刻みに震え続けた。


「笑った」


 黒髪のこれといった特徴の無い童顔よりな少年タルタロは、紅茶をすすった。


「それは災難だったな。ハゲ」


 背中まで伸びた銀髪がトレードマークの女性ペガルは、ウシシと笑いながらフォークを向けた。


「アフロだ。頼むから名前を見てくれ」


 頭を抱えるハゲをよそに、ぱくっと食べては幸せそうにニコニコするメガセリオは、紅茶をすすった。


「ところでさー、このカフェのケーキ美味しいねー」


「分かるわ。みんな待ってる時にお話し相手になってもらった犬系獣人のグレイさんがやってるお店」


 グニルが紅茶カップをカウンターに掲げると、嬉しそうに尻尾を振りながらグレイさんはお辞儀をした。


「パーティー組むまで看板見えなかったからー、多分仲良くならないと入れないシークレットショップってやつだよねー。グニルありがとー」


「喜んでもらえて何よりだわ」

楽しんでいただけましたら幸いです。

評価・ブクマ・コメントお待ちしております。



【キャラクター見分け表】

・グニル 青年

 「~わ」という語尾を多様。比較的丁寧な口調。

 長髪の黒髪


・メガセリオ 少女

 「~ー」という語尾が基本

 ピンクのボブカット


・タルタロ 少年

 短文で会話

 普通の黒髪


・ペガル 女性

 乱暴な口調

 背中まであるストレートの銀髪


・アフロ 男性

 気持ちワイルドな口調。

 呪われたハゲ

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