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57. 繋

 

「流海、一応聞くけど何してる?」


「んー?」


 パナケイアは研究機関であって医療機関ではない。その為、入院しているのはマッキから鎮静された者か、アテナの戦闘員に襲われた者、ないし定期検査で入院が必要とみなされたヤマイだ。


 私達に成されるのは検査と、必要可能であればメディシンの投与、及び寝食の提供。それだけで十分といえば十分だが、私や流海の場合は足りないことがある――リハビリだ。


 私は訓練室に設置した簡易平行棒に掴まり、ギプスを撫でる流海を見下ろした。


「……歩けそう? 涙」


「歩けそうだよ。これ以上の怪我だってしたことあるし、なにより流海が提供してくれるメディシンが良い働きをしてくれてる」


「それはちょっと怒った声だ」


「怒ってるから」


 しゃがんでいる流海は私のギプスを撫で続ける。私は片割れのつむじを押して笑い、自分に対する憤りを感じていた。


 朧に撃たれた二の腕や、嘉音に貫かれた掌はメディシンのお陰で大半治った。裂かれた印数を見る度に嘉音を思い出して嫌になるが、今の問題は足だ、足。


 左足の骨はくっついた癖に上手く動かない。パナケイアではリハビリの時間なんてものは無いので、自分で準備した平行棒を使って足にムチ打った。足の骨が折れたことは一度や二度では無いのでリハビリの心得はあるが、その度に流海は動かない足を凝視している。ほぼルーティンだ。


「流海、私にメディシンを提供しなくていい。自分に使ってくれよ、頼むから」


「僕は平気だよ。こんなに元気なんだから」


 流海は立ち上がって私の頬を両手で挟む。笑うのを堪えた表情で私の頬を弄ぶ片割れに、こちらは努めて笑顔を向けた。顔を遊ばれながら笑うって難しいな。流海の為ならしてやるけど。


「元気? 本当に?」


「本当に」


 額を合わせた流海は私の髪に指を指し込む。私の頭や頬を撫で回す流海は、リハビリを邪魔しているのも事実だ。可愛いという大前提で。


「なぁ流海、私の目を見て元気だって言ってくれるか?」


 流海は楽しげな雰囲気で頬を摺り寄せる。私は片割れの目を覗き込み、黒い瞳を見つめた。


「僕は元気だよ、涙」


 片割れは真っすぐ私の目を覗き返す。


 あぁ――それを信じたいよ、愛しい子。


 流海が何か隠しているのは知っている。それが何かは見当もつかないが、もしも体調のことだったらどうしようかと、私は不安なんだよ。


 私の隠し事は言わないのに知りたがって、なんて傲慢なんだろうと自嘲する。こんな酷いやり取り、今までしたことなかったのに。


 寂しいな、寂しいな流海。私達の関係が変わっていくようで、やっぱりどうして……寂しいな。


 そんな言葉を飲み込んで、私は流海の頬に鼻先を寄せた。


「……分かった。なら元気な流海君、私のリハビリの邪魔しちゃうのはやめようか?」


「何のことかな~」


 私から離れた流海は再びしゃがむ。ギプスを撫でる片割れは、私の歩みを進ませない。


「流海」


「邪魔なんてしてないよ」


「ならどうしてギプスから手を離さない?」


「……さぁ?」


「るーかー」


 平行棒を握って右足だけで立つ。左足を揺らせば流海が両手で掴むから、私は苦笑してしまった。


「だってさぁ……ね?」


 無表情の流海が私に上目遣いをする。その「ね?」に込められた意図を考え、汲み取り、私は体の底から息を吐いた。


 その時、訓練室の扉が開く。流海は直ぐに顔を伏せ、私は視線を出入り口に向けた。いるのはペストマスクを首にかけた朝凪、竜胆、伊吹の三人だ。


「……また倫理観ゼロのやり取りしてんのか、お前ら」


「倫理なんて誰の基準ですかって話ですね、こんにちは」


 深いため息を吐く伊吹に対し、私は笑顔を削ぎ落とす。伊吹は仕方なさそうにペストマスクに手をかけ、朝凪と竜胆はマスクを付けてから口を開いた。


「こんにちは涙さん、流海君。リハビリ中?」


「こんにちは竜胆。そうしたいんですが、私の流海が可愛く邪魔をしてくれるんです」


「可愛い邪魔なんてねぇだろ」


 うつむく流海を伊吹が剥がす。そのまま流海の両手を握って引きずる伊吹は一体何を考えているのか。流海の扱いが雑だぞ貴様。


「ちょっと伊吹」


「伊吹君はなして」


「うるせえ、ちょっと話があるから来い、流海」


 引きずられながら訓練室から出て行った流海と、誘拐犯伊吹。私の頭は「追いかけろ」と叫んでいるが、左足を踏み出した瞬間バランスが崩れた。


 倒れそうになった私を朝凪と竜胆が受け止めてくれる。私は二人の向こうに消えた流海を見て、眉間に皺を刻んだ自覚があった。


「二人ともありがとうございます。伊吹は流海に一体なにを?」


「さぁ……私達も内容は知らないんです」


「朔夜君って、最近は前にも増して流海君のこと構ってるみたいだよね」


 朝凪と竜胆は私の手をそれぞれ取ってくれる。私はペストマスクの二人を確認し、閉じた扉に気持ち悪さを覚えていた。


 この気持ち悪さをどこに分類すればいいかは知っている。私の中でぐつぐつと音を立てて煮える感情は、明らかな嫉妬だ。伊吹に対するこの感情の原因は、私の知らない流海を知っている事に尽きる。


 私が知らないことを伊吹は知っている。知っているから流海を私から引き剥がした。いつも通り世話を焼く振りをして、大事なことは黙ったまま。


 私は嫉妬に焦がれながら朝凪の手を握り締め、彼女は両手で私の腕をとってくれた。


「涙さん、今はきっと流海さんのことしか考えられて無いと思うんですが……別件で、一つお話したいことがあるんです。良い、ですか?」


「また改まって、どうしたんですか?」


 朝凪と竜胆に視線を戻す。二人は私の腕を取ったままであるから、私は歩行練習を再開した。ただ立っているだけでは時間の無駄であるし、二人が私を支えてくれるならば甘えよう。


 私はぎこちなくも両足を交互に前に出し、支えてくれる朝凪の声を聞いていた。


「私、謝りたいことがあるんです、涙さんに」


 朝凪の声はいつもより少しだけ元気がない。最後に彼女と話したのは嘉音達がパナケイアにやって来た日であるが、それ以降彼女と竜胆は私を避けているのだと思っていた。アテナの戦闘員と話す私に愛想でも尽きたのか、はたまた疑念でも抱いたかと思っていたんだが。


 私は朝凪の方へ視線を向ける。


 ペストマスクを外した彼女は、今にも泣きそうな顔をしていた。


 朝凪は口を何度か開閉させて、言葉を選ぶ仕草をする。今日も綺麗な彼女の目には困惑が滲み、酸素が足りないような態度だと感じた。


 私は横目に竜胆を見上げる。私の視線に気づいた彼もペストマスクを外し、寂しげな表情で眉を下げていた。


 二人にこんな表情をさせている感情とは何だろう。私には何も思い当たる節が無いのだが。


 優しい二人は何に傷ついているのか。


 分からない私は、説明を求めていた。


「朝凪、竜胆。私は二人が何を感じて、何を思ってそんな表情をしているのか微塵も分かりません。だから、二人が心配していることを取り敢えず教えてもらえますか」


 伝えれば、朝凪の目が見開かれる。竜胆は目を伏せて、ペストマスクを付け直していた。


「……変わらないなぁ、涙さんは」


「それはいつの私と比べているんですか」


「初めてアテナに行って、帰って来た日。あの時も、俺やいばらちゃんが悪いと思ってることが涙さんには全く伝わってなかったんだよ。覚えてる?」


 竜胆に諭すような声をかけられ、私は過去を振り返る。ぎこちない歩みを一つずつ積み重ねて、広い訓練室を横断しながら。


 ――何を悪いと思っているのか微塵も分からないので、二人が心配していることを取り敢えず教えてもらえますか


 ――あ、は、はい


 ――すみません……


 ――謝罪は無しでいきましょう


 泣いていた朝凪と、顔色を悪くしていた竜胆が蘇る。


 あぁ、私がアテナに初めて行った日は、こんなにも前になってしまったのか。


 あの頃は木枯らしの寒さに流海と身を縮めて、お互いの手だけを握っていたのに。


 今の私は、両手を流海ではない人に繋がれて進んでる。


 まだ二ヶ月と少ししか一緒にいないのに、あまりにも濃すぎる日々を過ごしてるんだな。


 私は二人の手を握り直し、次の一歩を踏み出した。


「覚えてますね。朝凪と竜胆は今のように酷い顔をしていました。だから繰り返します、どうして貴方達はそんな表情をしているんですか? 支離滅裂でいいので教えて頂けると幸いです」


 問えば竜胆からの返事はなく、口を開いたのは朝凪であった。綺麗なアーモンド形の双眼に泪の膜を張った少女は、今度はどう言った理由で自分を責めているのだろうか。


「その、ぁの、もしかしたら涙さんは気にしてないし、何も思ってもないかもしれないんですけど……私、どうしても謝りたくて、でもこれは涙さんの為っていうより私の為に謝りたいんだってことも分かってて、そんなの凄く嫌って言うか、こう、狡いのに、私、狡いばっかりで、それでも、あぁ……ごめんなさい、ごめんなさい……」


 朝凪は片手を必死に動かして言葉を探す。両目からは貯蔵量を超えた雫が溢れ出し、連動するように少女の声を震えさせた。


 本当に支離滅裂な言葉を受け止めて、私は思ったままの返事を口にする。


「朝凪はどうして、そんなに綺麗なんでしょうね」


 泪に濡れていた彼女の顔が上がる。丸く見開かれた目からは止めどなく泪が溢れ、私は歩みを止めた。


 正直で誠実な、朝凪いばら。私は一度息を整えて、迷子のように困惑した彼女を見下ろした。


「正直言って、私は朝凪や竜胆が謝ることは何一つされてないと思ってます。それでも朝凪は私が気にしてないことで謝りたくて、それは自分の為だと、狡いのだと自分を責めるんでしょ」


「ッ、はい、はい、そうです、そう、なんです。ごめんなさい、ごめんなさぃ」


 苦しそうに口を開ける朝凪は、怒られることを怖がるように顔を下に向ける。だから私は少女の手を握り直し、思ったままを伝え続けた。


「朝凪、私を見てください」


 貴方が顔を下げることなど何も無いだろうと思って。


 紫がかった黒目は泪に濡れて、私の目を見つめ返した。


「私は何も怒ってません。朝凪のせいだと思った事柄も、竜胆のせいだと思った事柄も一つとしてありません。貴方達は何も悪いことなんてしてませんから」


 朝凪の口が動きかける。きっと「でも、」と言いかけたのだと私は予想して、朝凪に言葉を吐かせなかった。


「ここで私が貴方に謝らせないのは、解決の妨げになるんでしょうね。だから謝りたいことがあるなら、何に対してのものなのか教えてください。私はそれに「気にしてない」と答えて朝凪を許すでしょうから」


「涙さん……」


「でも朝凪、私が貴方を許しても、それは節目であって解決ではないんでしょ?」


 朝凪の目が見開かれる。私は自分の足を見下ろして、再び歩き始めた。竜胆は黙って話を聞き、朝凪と共に支えてくれる。


 私は上手く動かない左足に若干苛立ちながら、朝凪とは関係ないと割り切った。


「私が貴方を許しても、貴方が貴方を許さなければ意味ないと思いますよ」


 朝凪の喉が空気を吸って音を立てる。


 私は綺麗に整えられた彼女の毛先に感心しつつ、訓練室の出入り口へ進行を変えた。


「……私、後悔したんです。あの日、涙さんと流海さんを外に誘ったこと……一緒に、雪を見ましょうって誘ったこと」


 朝凪の口から懺悔が零れる。私は何も思っていないのに、彼女だけが悪いと思い続けている事柄を謝罪される。


「あの日、私が誘ったんです。永愛にも、伊吹さんにも小夜ちゃんにも……私が、涙さんと流海さんを誘いに行こうって。だから私が悪いんです。涙さんの足が悪化して、怪我が増えたのは私のせいです。私が軽率だから、弱いから、あの時もアテナの戦闘員のいいようにさせてしまって……」


 それは違うと喉まで出てくる。


 自分を責めるなと胸の底から言葉が湧き上がる。


 しかし彼女の感情を否定しても、朝凪が自分を許せるわけではないのだとも分かっていた。


 きっと今までならば「それは違いますよ」と直ぐに否定したのに、今の私はそれが出来ない。


 少しだけ竜胆の腕に体重を預ければ、白いペストマスクの男から歯痒そうな空気が伝わってきた。


 私は足を止めて、喉を掻く朝凪と向き合う姿勢をとる。


「どうすれば、朝凪は朝凪を許せるんでしょう」


「分か、りません。分からないから、イライラしちゃって、申し訳ないと思うのに自分のエゴだってことも分かってて……ごめんなさい涙さん、ごめんなさぃ……」


「……朝凪は何も悪くない、と伝えても頷けませんもんね」


 朝凪の手を握ったり離したり、繰り返す。そうすればいよいよ朝凪の泪は止まらなくなるから、私は首を傾けてしまうのだ。


「もしかして、竜胆も自分を責めてますか」


「……まぁね」


 竜胆が力なく笑った気がする。それは錯覚だと言い聞かせて、私は息を吐いてしまった。この二人は本当に……。


 二人の中で、あの雪の日が悪い思い出になるのは居た堪れない。別に私は朝凪のことを悪いと思っていないし、もちろん竜胆の事だって責めていない。それでも、真面目で優しい二人がそれに頷く筈もなく。


 私は寒かった銀世界を瞼に浮かべて、感情を言葉にすることを努力した。


 私の手をいつも握ってくれる彼女達に、どうか――泣かないで欲しいと思ってしまったから。


「楽しかったですよ、あの日、朝凪や竜胆が私と流海の手を引いてくれて」


「「え……」」


「伊吹や小夜はちょっと強引な所もありますし、訪問だって突然でしたが……そう、私、楽しかったんです」


 棗と話せたことも、小夜から雪兎を貰えたことも。流海が竜胆達と雪だるまを作っている姿を見るのも、朝凪が一生懸命雪を集める姿を眺めるのも。


 あぁ、そうだ、そうだよな。


 私――楽しかったんだ。


 自分の言葉が障害なく落ちてくる。私は私を、納得させる。


「戦闘員が来たのは驚きましたが、謝るのは私の方です。動けないし戦えないし、足を引っ張ってしまったと思ってます」


「ッ、そんなことは!」


「無いと、朝凪は言ってくれますよね。知ってます」


 額を赤くした朝凪に頷けば、彼女は口を結ぶ。私は濡れた瞳をする彼女に、伝えることを惜しまなかった。


「それでも貴方は、貴方達は私を見放さなかった。救ってくれた」


「それは当たり前だと思うよ、涙さん」


「いいえ、当たり前ではありません。誰かの為に動けることは、当たり前では無いんです」


 竜胆のペストマスクに軽く頭突きをする。右足だけの背伸びはバランスが悪かったが、なんとか揺れることもなかった。


 竜胆は言葉を止めて私を見下ろし、朝凪は手の甲で口を覆っていた。


「だから朝凪、貴方が貴方を責め続けるなら、私は貴方を許し続けます。感謝し続けます。あの日、私の手を引いてくれてありがとう。竜胆もあの日、助けに来てくれてありがとう」


 伝えれば、止まりかけていた朝凪の泪が再び放流する。大粒の雫が零れる様を眺めていれば、竜胆と繋いだ手が揺らされた。


「……敵わないなぁ、本当」


「涙さんは、涙さんは……涙さんはぁ……!」


 軽く朝凪に腕を叩かれ、泣きじゃくる彼女が近づいてくる。私の鎖骨に額を押し当てた朝凪は、どことなく流海と重なった。


 繋いだ朝凪と竜胆の手を握り締める。頭をくちばしで軽くつつかれたので、私は顔から力を抜いていた。


 ねぇ、朝凪、竜胆。


 貴方達は優しい人だ。まるで陽だまりのように私を思って、与えられる優しさを私は無条件で享受したくなる。


 ――取引だ


 嘉音の誘いが私の心を揺らす。それでも一歩が踏み出せない。私の足は治る方へ歩み続け、再び走れるように、戦えるように向かっているのに。


 この足が治れば嘉音がやって来る。その時、私はどう答えるのが流海の為になるんだろう。


 嘉音と取引しなくても、朝凪や竜胆が一緒に走ってくれる。柊も状況を汲んでくれるだろうし、猫先生と柘榴先生の顔を曇らせたいわけでない。伊吹だって私の仮説を伝えれば、何かしらの答えを返してくれる気がする。


 だから、私は……私は。


「……朝凪、竜胆」


 繋いだ二人の手を離さないよう、力を入れる。


 朝凪は顔を上げて、竜胆は顔を覗き込んでくれた。


「涙さん?」


「どうしたの?」


 喉の奥で迷いが煙のように溜まっていく。誰にも言ってはいけないやり取りを抱えた私は、滲みに足を取られてる。


「……貴方達は、私を弱くする天才ですね」


「……それ、褒められたんでしょうか?」


「それに涙さん、全然弱くなってないと思うんだけど……」


「弱くなりましたよ。褒めたのかどうなのかは、私にも分かりません」


 曖昧な言葉を告げてリハビリを再開する。鼻を啜った朝凪と首を傾げた竜胆は、私の言葉の意味など分かっていないだろう。


 分からなくていいよ、知らなくていい、理解なんていらないから。


 私は二人の手を握り締めて、そのまま訓練室を後にした。伊吹と流海が何処からともなく合流すれば、片割れが私の両手を取っていく。


 寒いパナケイアを四人に見守られながら歩行する私は、無様ながらも穏やかだった。


 どこかで大丈夫だと思って、平気だって言い聞かせて、嘉音との取引に応じる必要はないと思案して。



 そんな甘い私を――現実が殴りつけた。



 足からギプスが外れた日。


 寒さが厳しくなってきた日の夜。


 廊下にうずくまった流海の姿を見る。


 口を押えた片割れの姿を凝視する。


 猫先生と柘榴先生の声が遠くで木霊している気がして、私は、私は、私は――


 ――流海が吐いた、赤を知った。


どれだけ優しい人がいたとしても、世界が彼女に優しくしたことなど一度もない。


***

次話は土曜日更新予定です。

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