兄弟
と、いうわけで、わがやにつきました。
わがやといっても、すなはま
までは馬車が入れません。
なので、つちと、すなの
さかいめまでです。
あぁ、なんにちぶりの
おうちでしょう!
ひろい、ひろーいすなはまの
まんなかにちょこんと小さな
おうちがたってます。
わたしがまいちにとりこんでいた、
せんたくほしばもそのままです!
馬車からおりて、
おうちがみえたら
うれしくなっちゃって、
おもわず走り出しました!
おうちまでぜんそくりょくです!
おうちまではしって、
ボロボロのいえのとびらを
ひらきます。
「ただいま!」
「お!帰ってきたのか!
おかえりプリューラ!」
と、なんとにいちゃんたちが
ひぃふぅみぃ...
6人みぃんなそろってます!
にいちゃんたちは
くちぐちにおかえりをいってくれて、
あっというまにかこまれました。
そして、ワイワイと、
こんなことがあった、
あんなことがあった、
こんなものを食べさせてもらった
などをはなしあいました。
どうやらわがやは
いつもどおりだったようです。
よかった!
そして、わたしのはなしを
にいちゃんたちもきいて、
おどろくやら、うらやましがるやら、
そりゃよかったねっ
てあたま、なでてくれたり、
もみくちゃになりました。
いつものことです!
わがやのせまいこのひとへやに
みんながあつまって
ワイワイキャーキャーです!
これこそわたしのおうちです!
と、とってももりあがっていたのですが、
そういえばルキウスさまを
おいてきてしまいました
ルキウスさま、ルキウスさまは
どこでしょう?
わたしのみらいのだんなさま、
えーっと...
あ、そっか、
プリューラぜんそくだっしゅして
ルキウスさまをおいてきちゃったのか。
ルキウスさまをおむかえに
いかなくっちゃ!
ってわの中からでようとしたんだけど
おにぃたちのわだいはつきません。
「それで屋敷でならったのは...」
「侍女長さんの、迫力が」
「おやじは...」
でようとするたび、ひきとめられました。
そのつどわだいにへんじして、
ルキウスさまはってさがして
はなしにもどされてっ。
でまたルキウスさまをさがしてって
してたんですが、
うちのいえのとびらはなかなか
ひらきません
そんなことをしているあいだに、
すっかりはなしに
むちゅうになってしまいましたが、
ようやっとうちのとびらが、ひらいて、
そとのひかりがさしこんできました。
そう、ひかりとともに
ルキウスさまが、やっと入ってきました!
プリューラはおにいたちを
おしわけかきわけルキウスさまのところに
ダッシュです!
「ルキウスさま!
ようこそわがやへ!」
ってパッととびつきました。
「わっ!」
ってルキウスさまはおどろいて、
あれ?くらいかおされてましたか?
でもそれはいっしゅんで、
「もう。」
ってククってわらって
「ぼくを紹介してくれる?」
ってえがおでいわれたのでした。
「はい!もちろんです!」
って、ルキウスさまを
グイグイひっぱって、
おにぃたちのまんなかに
ひっぱりこんだのでした。
「おにぃたち!よくきいてね
こちらは、わたしのだんなさま
ルキウスさまです!」
「...はじめまして、ルキ」
「おぉ!きみがうわさの!」
「わー!マジで金髪だよ!」
「本気で肌が白いな...」
「いやでも賢そうな顔してるな」
「お、おれより背がデカい...」
などなどおにぃたちは
いつものように、くちぐちに
好き勝手言ってます。
ルキウスさまは
びっくり...
めんくらってます!
むしろこうちょくしてらっしゃいます!
そんなルキウスさまにおかまいなしに
「うーん、確かに、細い。これは病気してたってほんとだよな」
「まったくおやじはなにをうたがってんだか」
「みてよこの服高そう!これで漁に本気でつれていくのかな?服の弁償代のが高そうじゃん」
「うわー!うぶ毛も金髪だよ!すげー!」
「おとうと...おれより背の大きいおとうと...」
って、ほんとうにルキウスさまを
おいてけぼりですきかってです!
プリューラ、ちょっとはずかしいです...。
ルキウスさまは、
いっつもプリューラのおはなしを
ゆうせんしてきいてくださいます。
なぁに?とかきみは?
ってきいてくれて、
いっつもまっててくださるのです。
だから、プリューラは、
じぶんのことを、ゆっくりたっぷり
おはなしできるのです。
そんなふうな大人なルキウスさまが
プリューラはだいすきなのです。
そして、なんでしょう?
この、本人そっちのけで
はなしあわれるこの図、
どこかでデジャブです。
うーん...。
あ!ルキウスさまのおやしきに
はじめておうかがいしたときの、
まないたのうえのたこです!
(7部分対価を払うということ参照)
「(ルキウスさまルキウスさま!)」
「(ぷ、プリューラ、ぼくどうしたら...)」
「(おあいこなのでした!あきらめてください)」
「(!?)」
「(あっ!)」
「(?)」
「(ご苦労だった。さがれ)」
「(!!!)」
ルキウスさまもおもいあたったようで、
まっかなおかおをされて
「(もう!そういう意地悪言う?)」
って苦笑いをされて、
二人でうふふって
笑うのでした。
「さて、ルキウスくん?」
「は、はい。」
「おれたち兄のまえで、妹とイチャイチャするとはいい度胸だね?」
って1番上のおにぃがいいました。
なんでそういういじわるをいうですか。
ってプリューラがいいかえそうとしたとき
「これは失礼をいたしました。」
って、ルキウスさまがふかくあやまられ
スッとプリューラからはなれました。
そのしぐさをみたおにぃたちは
すっごく、かんしんしたようで
「そんなにかしこまならくていいよ。
さぁ、名前を教えてくれるかい?」
といいました。
「はい。それでは名乗らせていただきます。わたしの名前はユリウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスと申します。どうかお気軽にルキウス、とお呼びいただけたら、と思います。」
「「「「「「おぉ...」」」」」」
おにぃたちは口を揃えていいました。
「ではプリューラ、お前から俺たちを紹介してくれるか?」
「はい!おにぃ!
まず、こちらの天パで細いのが
プリムスにぃ、長男です!
次に、父ちゃんににた
がっちりしてるのが
セクンドゥスにぃ次男です!
ちょっぴりふとっちょの
テルティウスにぃ三男です!
髪の毛がまっすぐで
ちょっと性格が暗いのが
クァルトゥスにぃ四男です!
父ちゃんに1番似てる
小さいのがクィーントゥスにぃ
五男です!
そして最後に
プリューラとよく似てるって
言われるのがセクストゥスにぃ六男です!
よろしくです!」
それぞれのおにぃが、
なまえをよばれると
ルキウスさまの前にいき、
にっこりとあくしゅをしました。
ルキウスさまはそのたびに
1度なまえをボソッとつぶやき、
あくしゅをして、にこっ。
とされました。
でもプリューラにはわかります。
あのにこっ。は
そとむけのえがおです。
えいぎょうようなのです。
そんなこととはしらないおにぃたちは
ルキウスさまのちょうすてきえがおに
やられてしまったようです。
ふっ。おにぃたちもまだまだだなって
いいたかったのですが、
よくかんがえたら、
プリューラもあの丘で
ルキウスさまをひとめみただけで
やられていたので
おあいこでした。
きょうだいって、
ちが、あらそえないものですね。
ひととおりあいさつがすんだところで、
1番上のプリムスにぃがくちをひらきました
「ルキウスくん。今、おやじは出掛けているんだけど。今日の用事を俺たちに先に話してくれるかな?」
と、これまたプリムスにぃもえいぎょうようスマイルでいいます。
ルキウスさまは、いっしゅんドキッとして
顔を赤くされました。
がそのちょくごには
キリッとまじめなおかおにもどって
くちをひらかれました。
「はい。プリューラさんの父君に招待をうけて本日はおうかがいいたしました。
実は以前、プリューラさんをわたしにいただきたいとお願いさせていただいたのですが、その話がまだ結論が出ておらず、本日はよいお返事を頂くつもりでおります。」
いっ...いっきに
一息でいいきりました!
外用ルキウスさま、あいかわらずすごいです。
「なるほど...。
つまり、どういう意味で?」
と、おにぃは意地悪くいいます。
「はい。単刀直入に言わせていただけるのならば、プリューラさんとの結婚を考えています。
大切な妹君なのは存じております。
必ず幸せにいたします。
どうしても、わたしにプリューラさんをいただきたいのです。」
ルキウスさまのおかおから、
えがおがきえました。
それは、それは
かなしそうな、まじめなおかおです。
プリムスにぃ以外のおにぃたちは
キューンとしてます。
だって、ルキウスさまおキレイです。
プリューラも見慣れてなければ
キューンってすると思います。
「...ふっ。なるほど。」
「...」
「ルキウスくんは、プリューラと、
本当に結婚したいの?」
「はい。」
「結婚して、なにするの?」
「なに...とは?」
「あるでしょ?色々」
「とくにおもいつきませんが...
しいていうなら一緒にいます」
「えっ」
また6人みんな声が揃いました
「それだけ?」
「それだけとは?」
「えー...っと...ちゅ、ちゅうとか?」
「キスですか。うーん、プリューラさんが許してくれるならしたいとは思います。」
「それ以上は?」
「...?
あ、できれば毎日同じベッドで寝たいです」
「おぉ!外見はどうあれ男の子!」
「わたしは、市民権を得るためにあと7年は戦場に行かなければなりません。なので、いつでもまぶたの裏にプリューラさんの顔が浮かぶよう、なるべく身近にいて、この目に焼き付けたいのです。
笑っている顔も、泣いている顔も、寝ぼけた顔も。」
って、幸せそうにルキウスさまがほほえまれます。
「ちょ、ちょっと作戦タイム、いいかな?」
「?。...はい」
「おい!集合ー!!」
っておにぃたちは円陣を組んで、
なにやらはなしはじめました。
その間にルキウスさまは
「(ぼく、変なこと言った?)」
って心細そうにきいてきました。
プリューラだってわかりません。
そのとき、プリューラとルキウスさまのあいだに、1個上のおにぃセクストゥスにぃが入りこんでいいました。
「やい!ルキウス!
おまえ、プリューラとけっこんするんだったら、お前はおれのおとうとだかんな!」
ってえらそうに言うのです!
ルキウスさまにむかって!
あわてたプリムスにぃがとめにはいったのですが、ルキウスさまはまたまた、きょとんとしてそれから
「はい!ぜひよろしくお願い致します
セクストゥスお兄様!」
ってまんめんのほほえみでいいました!
それをみていたほかのおにぃたちも
「おれも!」
「いやおれこそ!!」
って我も我もとルキウスさまをかこみ、
そのたびに
「よろしくお願い致しますセクンドゥス兄様!」
「ありがとうございます!テルティウス兄様!」
「嬉しいです!クァルトゥス兄様!!」
「こちらこそです!クィーントゥス兄様!」
ってキラキラしたえがおでなまえをよびます。
よばれたおにぃもデレデレです。
プリューラはずかしいです!!
そして、最後の柱、プリムスにぃは...
「こほん。おれは?」
「はい...プリムスどのも、お兄様とお呼びしてよろしいのでしょうか?」
「ふっ。馬鹿だな。おれの妹を嫁にとるのなら、俺たちはみんなお前の兄弟だろ?」
「...!はい!ありがとうございます!プリムス兄様!」
「くぅ。いっそお前をうちの嫁に欲しいぜ!」
ってどのおにぃが言ったかわかりませんが、ほざきやがりました。
「あ...。その手もありますね。」
って、ルキウスさまも
まんざらでもないおかおです。
「ちょ、ルキウスさま、どういうことですか!」
「ん?」
「プリューラが、ルキウスさまのおよめさんになるです!ルキウスさま、およめさんちがうです!」
ってあわてていいました。
「うん。だからね、プリューラをぼくにくれないのなら、ぼくがプリューラに貰ってもらうってことだよ。」
ってふふふってうれしそうにわらうです。
...さてはルキウスさま、
兄弟にあこがれてやしたな?(疑)
ここまでお読み頂きありがとうございます。
長いので1度切ります。
活動報告に、ルキウスsideショートショート小話(挿絵付き)をのせるよていです。
そして、こっちにも本来は挿絵がつく予定でした。
多分あとから追加すると思います。
よろしくお願い致します
※2019.11.25活動報告『 Twitter始めました 』にルキウスsideショートストーリーのせました。挿絵間に合わずです




