ルキウスさまの世界3 ※挿絵有
古代ローマを舞台に5歳の女の子プリューラと、8才の貴族の子息ルキウスが日常生活を送っています。
ルキウスはプリューラが大好きで結婚しようといいました。
そんなふたりを屋敷の使用人たちが見守ってたり出しゃばったりしてます。
おひるごはんをたべました。
おひるのパンはあまくて、
ミルクとのあいしょうがばっちりの
これまたサイコーなパンでした!
プリューラ、こんなおいしいパンが
たべられて、しあわせです!
とうちゃんたちにも、
このパンをたべさせてあげたいです。
ごはんのあと、
プリューラはひましてます。
ルキウスさまは、
そとにいくじゅんびをするって
おへやにいってしまいました。
マナーを教えてくれる
リーウィアさんは
どこかにおでかけです。
プリューラ、ひまなのです。
そう、プリューラは
おひまなのです!
なので。おやしきのなかを
ひとりグルグルします。
ちょうりばには、バエビウスさんが。
「やや、火の周りは危ないからだめだよ〜」
「うーん、プリューラと2人きりだと、ルキウス様に、怒られそうだからなぁ〜」
と、のんきに言います。
しまいには
「シガ、シガ」
と言ってわらいます。
おやしきのきゅうけいじょの
ようなところでは
カウディーヌさんを見つけました。
「あぁ!美しいおじょうさん!」
って、プッロさんにいいよられてます。
カウディーヌさんも、
いやではなさそうです。
プリューラはひとさまの
こいじのじゃまをするほど
やぼではありません。
うまにけられたくないのです。
げんかんちかくまでいって、
そっとドアを...
ギギギーって音が出ちゃいましたが、
あけてみました。
ごえいのコッタさんは
見当たりませんでした。
しかたがないので、
ひとりでじぶんのへやに
もどります。
ひま、ひまです!
せめておせんたくだけでも
てつだえないものでしょうか...。
手のけがも、
もうほとんどなおったのに
プリューラにはさせてもらえません。
おやしきにおいてある、
プリューラがよめるかんたんな本は
もうよんでしまいました。
むずかしい本は、本当にむずかしく
まだよむことができません。
文字を目でおっても、
いみがわかりませんでした。
あと。しらないことばも
いっぱいいっぱいでした!
ベットにぼすんっととびこんで、
ぼーっとするしかないなんて、
ちょっとさびしすぎます。
それでも、ここのところ、
一人きりのこのおへやでのよるが
プリューラにはさびしくって、
うとうとってしたとおもったら、
いつのまにかねてしまいました。
そう、めがさめたら、
もう夕方だったのです。
とうちゃんも、おにぃも、
だれもいないこのおやしきて、
きゅうにさびしくなっちゃって、
まるで、せかいに
プリューラしかいない気がして、
ルキウスさまに
きゅうにお会いしたくなっちゃって、
プリューラは、
おへやから
バタバタと飛び出しました
「...ルキウスさま、ルキウスさま!」
ってブツブツ言いながら、
おやしきじゅうを走って
ルキウスさまをさがします。
いつもなら、もうとっくに
かえっていらっしゃるじかんです。
もしかしたら、とおふろものぞきます。
ルキウスさまが、
どこにもみつかりません。
「ルキウスさまぁ〜...」
って、はんなきになりながら、
プリューラはお外にとびだしました。
「ルキウスさま、どこですか!」
って、おやしきのまわりを
ぐるっとまわります
でも、ルキウスさまがみつかりません。
どうしてでしょう?
ルキウスさまは、プリューラを
すてたのでしょうか?
ルキウスさま、
プリューラにはだめって
言ったのに、
まさか森に?
そんなはずはありません。
森にはようなんてないはずです。
では、どこに?
おやしきのまわりにいないのならば、
おやしきのていえんの、
さくにそって、はしりました。
プリューラが家から来る時に、
とおってきていた、
道のほうへと!
たしか、こっちのほうに、
ひろーい原っぱがあったはずです!
「ルキウスさま、ルキウスさまぁ!」
にばしゃでえっちらおっちらとは
ぜんぜんちがうみちのりを
いっしょうけんめい
走りました!
ビンゴです!
そこには、
コッタさんを相手に、
剣をふりまわすルキウスさまが
いらっしゃいました!
「ルキウスさま、いた...
よかった...」
ほっとしました。
ですが、ルキウスさまになんだか
こえをかけられなくて。
ルキウスさまがきがつくまで、
みまもることにしました。
あんなに、大人に見えた
ルキウスさまが、
大きな大きなコッタさんとくらべると
ずいぶん小さくみえます。
そのルキウスさまは
大きな盾と、剣をもって、
ブン!ブン!って
コッタさんめがけて
ふりまわします!
コッタさんはかるがると、
たてでうけながしています。
が、ときどきルキウスさまに
きりかかります!
ルキウスさまは、
それを、たてで、
ときどき、剣でなぎはらいます。
夕日が、ルキウスさまを
キラキラって赤くてらして、
とってもキレイです。
「さぁ、そろそろおしまいにしましようか!
ルキウスさま、今日もよく頑張りましたね!」
「うん、コッタの教え方うまいから、楽しいよ。」
「それは光栄で。
ルキウスさまの動きも、だいぶ大きくなってきましたし、はは、すごい大汗かきましたね!」
「うん、このままだとリーウィアに風邪ひくって怒られるから、ちょっと体を拭いちゃうね」
「はい。かしこまりました。お待ちしますよ
それでぼっちゃん...」
「ん?」
「さっきからあそこで、プリューラが見てますよ」
「えっ?」
「わっ!プリューラ!いつから!!」
「ついさっきです。
ルキウスさまに、会いたくて...」
「えっ?」
「ルキウスさま、ゆうひにひかって
とってもキレイです」
「え、や、いまぼく、汚いから、さわったら汚れが」
「プリューラ、
こんなすてきなだんなさまと
けっこんできてうれしいです」
「え? いまなんて...」
「あー...こほん。
イチャイチャは嬉しいんですけどね、ルキウス様がこのままだと、完全に風邪引くぞー」
「はっ!!」
コッタさんのひとことで、
かんぜんにふたりのせかいから
かえってきたプリューラでした。
その後、おおあわてでおやしきに
かえって、
ルキウスさまにはおふろにはいっていただき、
一緒によるごはんをたべたのでした。
そしてまた、自分のベッドで
ゴロゴロしながら、
ぼーっとルキウスさまのことを
考えます。
(ルキウスさまには、
プリューラのしらないせかいが
あるんだ。)
ってことだけは、よくわかりました。
いやなおとなでも、
ニコニコあいてができる
ルキウスさま。
ほんとうに、いやな大人は、
おことわりできる
ルキウスさま。
力ずくでも、ことばでも、
大人をやりこめる
ルキウスさま。
たくさんの人に、
元気になってよかった!
ってよろこんでもらえる
ルキウスさま。
プリューラをおいて、
剣をならう
ルキウスさま。
そして、夕日をあびて、
キラキラってキレイな
ルキウスさま。
みんな、プリューラのしらなかった
ルキウスさま。
プリューラは、ごびょうきで
ねているルキウスさまと、
やさしく、やさしく
プリューラにほほえんで、
おべんきょうをおしえてくれる
ルキウスさましか
しりませんでした。
もしかしたらこの先も、
プリューラのしらないルキウスさまに
おあいするのでしょうか。
おひるねしちゃったから、
なかなかねむれなくて、
シーンとしたしずかなへやで、
ルキウスさまのことを
考えます。
このへやは、ひろすぎて、
しずかすぎて、
ひとりぽっちで。
プリューラのおうちは
いままで8人でみんなでねていたので。
プリューラには、さみしくて...。
でも、プリューラは、
とうちゃんより、
おにぃより、
ルキウスさまを選んだのです!
だから...
ひとりでこっそりと、
へやのおくの、らせんかいだんを
おりました。
ルキウスさまに、
あうために。
ルキウスさまは、
あれだけうごいていたからか、
ベッドでぐっすりです。
だから、こっそり
ルキウスさまのとなりに
しのびこみました。
だいすきな、
だぁいすきなルキウスさまの
ベッドで、プリューラはようやく
グッスリねむれたのでした。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます!
やっとルキウスさまの世界が書き終わりました!
当初の予定と全然違う感じになり、ちょっと残念です。
プリューラの目線だと、ルキウスさまの世界が表現仕切らないのが残念です。
次回、ちと悩み中です。
「ルキウス様の世界」リーウィアsideの間に、1本小話を挟むか、活動報告で、10万文字記念をなにかやりたいと思います。
よろしくお願いします。




