ルキウスさまの世界2
古代ローマを舞台に5歳の女の子プリューラと、8才の貴族の子息ルキウスが日常生活を送っています。
ルキウスはプリューラが大好きで結婚しようといいました。
そんなふたりを屋敷の使用人たちが見守ってたり出しゃばったりしてます。
詳しくは33話、活動報告10/31の小話を。
「これも、それも、おいしです!」
バエビウスさんの
もってきてくれた
スナックとは、
パンをうすーくきったものの上に
くだものをきれいにきってのせたり
おにくとか、よくわからない、
でも、すごぉーくおいしいのがのってる
かたてでたべられるものでした!
かんどうです!
「プリューラちゃんは、あまいほうが好きなのかな?覚えておくね」
と、料理人のバエビウスさんが
やさしく言ってくれました。
「うわぁ、ありがとうございます!」
ってルキウスさまをみたら、
ルキウスさまはちょっぴり
ふてくされがおです。
「ルキウスさま?
どうしましたか?」
「...べつに。」
って、つーんとしてます。
「そうだ、プッロ。お前も少し休憩をとりなさい。だれか、プッロに屋敷を案内してやって。」
と、ちょうこくかのプッロさんにも
気をつかいます。
ルキウスさまは、ほんとうに
おやさしいとおもいます。
とうちゃんなんて、
ときどきプリューラや、
おにぃたちを、ひとりふたり
わすれるくらいなのに。
ルキウスさまは、いっつも
お屋敷の方全員に
気をかけているようにみえます。
もちろん、プリューラのことも。
そういうルキウスさまが
ほんとうにおとなにみえるから
とてもふしぎです。
プリューラはまだ5さいですが、
ルキウスさまとおなじ
8さいになったとき、
おなじように
みんなに気をつかえるのでしょうか。
うん。
むりな気がします。
でも、がんばろうとおもいます。
だから、ルキウスさまを
たくさん見なければ!
と思いました。
だって、プリューラは、
ルキウスさまとけっこんするのです!
だから、ルキウスさまと、
おんなじようにしなくては!
とおもうのです。
「ごちそうさまでした!
おいしかったです!」
「うん。おいしかったね。」
「はい!ルキウスさまは
どれがいちばんおいしかった
でしたか?」
「ぼく?どうして?」
「プリューラ、ルキウスさまのこと
しりたいんです!」
「...ぼくのことを?」
「はい!ルキウスさまが
なにをすきで、なにをなさって、
どんなことをって、
みんなしりたいんです!」
「...そう...」
あれ?ルキウスさま、
ほっぺたあかいです。
「じゃあ、ぼくのことを話すから、きみのことも、沢山教えてくれる?」
って、ちらりとプリューラをみました。
目が合ってうれしいです!
なのでにっこりわらって、
「はい!」
っておへんじしました。
「...もう。
あぁ、可愛いなぁ。」
ってルキウスさまは、手でおかおを
かくされました。
「ルキウスさま?」
「...うん。ちょっとまってね
にやけてとまらないから」
「?はい...。」
とその時です。
ごえいのコッタさんが
やってきて、ルキウスさまのまえに
ひざまつきました。
「ルキウスさま、農園の使いのものが来ました。」
「そうか。わかった。ここへ通してくれ」
「はっ」
ルキウスさまが返事をすると、
コッタさんはでていきました。
その代わりにカウディーヌさんが
ルキウスさまのよこにきて、
ルキウスさまのトーガをたたみなおし
ささっとかみのけをととのえてます。
ルキウスさまはプリューラを見ると、
「ちょっとまっててね」
と、プリューラからはなれ、
へやのまんなかにある
大きなおいすにすわると、
プリューラはみたことがない、
よそ行きのおかおをされました。
キリッとしてカッコイイです!
つかいの方と言われた方が、
へやへととおされて、
ルキウスさまのまえまですすみ、
ひざまつきました。
「ルキウスさま!本当にお元気になられたのですね!農園のもの皆で喜んでおります!」
「うむ。心配をかけていたな。
この通りすっかり健康になった。
農園のものたちはどうだ?」
「はっ!みな元気で変わりありません。」
「そうか。みながすこやかなら、嬉しく思う。」
「ははっ。もったいないお言葉で...」
「農園はどうだ?」
「はっ。今年も見事にぶどうの花が咲きました。」
「そうか。今年の収穫も期待しているぞ」
「はっ!」
「遠路はるばるご苦労だった。なにか土産を買って帰るといい。みなによろしくな」
「...!ありがとうございます。」
ルキウスさまが、
小さなこぶくろをわたすと、
つかいのかたはありがたそうに
それをうけとり、
でていきました。
「...ふぅ。」
と、ルキウスさまは
一息ついて、
プリューラのよこに戻ってきました。
「おつかれさまでした!」
ってニッコリとルキウスさまをむかえます。
「...!」
「...?」
「あぁ、いや...。
きみが迎えてくれるなら、いいもんだなって。」
とルキウスさまがにがわらいされます。
「?いいものなら、プリューラ、
がんばります!」
と、よくわかりませんが、
ガッツポーズではりきります!
「...うん。ありがとう。ぼくも頑張るよ」
「はい!」
って、ふたりで見合って、
うふふです。
とするとまた、コッタさんがきました。
「ルキウスさま...」
「わかった。」
次は、羊かいたちだそうです。
「ルキウスさま...」
「うむ。」
農園さんが。
「ルキウスさま...」
「うむ」
小麦畑さんが、
「ルキウスさま...」
「う、うむ」
オリーブ園さんが
「ルキウスさま...」
「う...」
山林かんりさんが。
「ルキウスさま...?」
「...」
よその、べっていのかんりさんが...
と、ひっきりなしにルキウスさまに
ごあいさつに、みえました。
つぎつぎとあたらしいかたがきて、
でも、はなすないようは
ほぼおなじのようにきこえました。
「ルキウスさま
だいじょうぶですか...?」
「うん。ちょっと疲れた...」
と、ルキウスさまは
ちょっぴりぐったりです。
プリューラなら、
ぜったいとちゅうであきてました。
でも、ルキウスさまは、
こられたつかいのかたそれぞれに、
にっこりとほほえまれて
はなしをききつづけてました
えらいです!
「ルキウスさま、とってもがんばりました!」
と、イイコイイコしました。
するとルキウスさまは、
プリューラをチラリとみて、
うふふってわらいます。
「?」
「うん...。
きみがいるから、大丈夫。
ありがとう!」
って、シャキっとされました。
よくわかりませんが、
おやくにたてたのなら
うれしいです!
「さ、ぼくが元気になったよって手紙をだしたところは、みんな挨拶にきたし、もう来訪の予定はないから、お昼ご飯にしようか!
プリューラも、疲れたよね?」
と、ルキウスさまがいちばん
おつかれだろうに、
こんどはプリューラをきづかってくれます。
「はい!おなかすきました!
ごはんたべたいです!」
「うん。そうしよう。
あ、お昼ご飯のあとは、またプリューラの好きにしてていいよ。
ぼくはまた、外に行ってくるね」
と、言われました。
「プリューラも...」
「あぶないからダメです。」
「さみしいです...
ルキウスさまといっしょに
いたいです」
「...!!
いやいや、だめ。
そんな可愛い顔しても、
ダメだってば。」
「どうしてですか?」
「うーん…ひみつです。」
すみません、おわりませんでした...




