森の中で ※挿絵有
挿絵の右側にルキウスがいるか確認してください
すみません
こんにちわ!
わたし、プリウスのむすめ、
プリューラです!
5さいです!
とうちゃんとけんかして
いえをでて、
ルキウスさまにきらわれて、
もりのなかに
にげてきてしまいました。
プリューラには、
もうかえるところが
ありません...。
もりの、おくへ、
おくへとすすむほどに
じょじょにあたりが
くらくなってきました。
こ、こわいです。
もりのなかでは、
「ホーっホーっ」
とフクロウさんがないたり、
ときどき、
がさごそとなにかが
にげていったりしています。
プリューラは、
もってきた
本をギュッとすると、
てからあせがでちゃって、
本がシワシワにならないように、
ふくでゴシゴシって
てをふきました。
ご本はルキウスさまからいただいたから、
たいせつなのです。
てくてくとあるきながら、
でもいくさきもきまらないまま、
ビクビクしながらあるきます。
なんどかは、
とうちゃんとにぃちゃんと、
きたことがあるもりです。
まえにきたときは
こわくなんかなかったです。
「うっ、うっ。」
とうちゃんともにいちゃんたちとも
もう会えないんだ、とおもうと、
きゅうにさびしくなりました。
そして、ルキウスさまとも
もうあえないかもしれない...。
そうおもうと、胸がギューって
つらくなりました。
どうしてでしょう。
「ルキウスさまにあいたいよぅ。」
おもわず声にでちゃって、
じぶんでびっくりしちゃって、
でもやっぱりあいたくて、
なみだがポロポロおちちゃいます。
ほんとうは、
ないてるばあいじゃないんです。
プリューラはこのさき、
ひとりでいきていかねば、
ならないのです。
たしかこのさきに、
お水ののめる小川が
あったはずです。
ひとまずは、
そこをめざすことにしました。
てくてく、てくてくと、
あるいていくと、
ぴょっこりと
まっしろなうさぎさんが
かおをだしました!
「わぁ、かわいい!」
っておもわずあとをおいかけます!
けものみちすらなくなっちゃって、
ふようどのモフモフのつちのうえを、
ピョンコピョンコと
とびはねるうさぎさんが
かわいくて、おもわず
マネをします!
「まって、まってよぅ」
と、うふふってわらいながら
おいかけます。
でも、とちゅうで
みうしなってしまいました。
「うさぎさん、
いなくなっちゃった...」
まわりをみわたしても、
もう、しっているばしょでは
ありませんでした。
しかたなく、もときたみちを
もどります。
もうどのくらいあるいたのでしょう。
ときどき、えだをふんで、
パキッ!っておとをたてたり、
はっぱですべったりと、
あるきなれないみちは
プリューラのあしを、
ぼうのようにおもくさせました。
だんだんと、あしが
たかく上がらなくなって、
木のねっこでつまづいたり、
石をよけきれずにあしのゆびさきが
きずついたりしました。
ちが、でちゃいました。
でも、こんなのへいちゃらです!
とうちゃんが、ルキウスさまに
ひどいこといって、
きずついたルキウスさまの
こころにくらべたら、
プリューラ、
ぜんぜんいたくないです!
でも、ちょっぴりつかれちゃったので、
大きな木のしたで
すこしだけやすもうかなって、
ちょこんときのねっこの
もりあがったところにこしかけました。
「パンでも、
もってくればよかったなぁ」
いつのまにか、
お日さまがまうえまできたようで、
うすぐらかったもりに
ひがさしこんできました。
上をみあげれば、
かぜでさわさわとはっぱがなびき、
キラキラとひざしがきれいです。
キラキラ、キラキラ、
ルキウスさまのようです。
「そっか、だからルキウスさまは
ひかりっておなまえなのね」
って、なっとくしました。
そんなことをかんがえながら、
つかれてウトウトしてしまいました。
つぎにめがさめたときは、
もううすぐらくなっちゃって、
バサバサっ!って
おとがしたとおもったら、
フクロウさんが、
さっきのまっしろなうさぎさんを
おそっているしゅんかんでした。
「わー!!
やめてよぅ!
フクロウさん、
うさぎさんを
いじめないでよぅ!!」
って、ひっしにおおごえでさけびました。
だけど、おなかがすきすぎて、
あしがヒリヒリいたくって、
うさぎさんはフクロウさんに
つれていかれてしまったのでした。
「ひっく...!」
はねをのばしたフクロウさんは
とっても、おおきくて、
しろいうさぎさんは
ちいさくて、かわいくて、
まるでとうちゃんが、ルキウスさまを
いじめているようにみえて、
また悲しくなって...
「うわぁぁあーー!!
いやだよぅ!
ルキウスさまぁ!!」
っておおごえでないちゃったのでした。
どれくらいないちゃってたのでしょう。
うさぎさんが、つれていかれたのと、
はんたいがわから、
またぴょこんと
まっしろな、だけど、さっきよりも
ずっとちいさなうさぎさんたちが
ぴょこんぴょこんと
かおをだしたのでした。
「うわぁ、ちいさなうささんだ!」
ってこえをだすと、
ぴょこってみんなきえちゃいます。
しずかにすると、
またぴょこんと、かおをのぞかせるんです。
しーっ、しーなのって、
じぶんで、いいきかせて、
そっとちびうささんのところまで
いたいあしをむりやりうごかして、
あるきました。
するとそこには
なんとあなが!
きっとうさぎさんの
おうちにちがいありません!
うさぎさんのおうち
はじめてみたです!
「こんにちわー...」
ってあなにむかって、
ちいさなこえで
はなしかけてみました。
「.........」
てをみみにあてて、
耳をすませてみても、
なーんにもきこえません。
「おーい、あやしあおものじゃ
ありませんよー...」
って、またちいさいこで
はなしかけてみても、
やっぱりなんにもきこえません。
そっか、うさぎさんは
きっといるすですね。
ならしかたがありません。
プリューラはまつとしましょう。
って、ゴロンってねっころがりました。
しばらくすると、
やっぱりちいさなうさぎさんたちが
ぴょこんぴょこんとかおをだしました。
うわぁ、なんてかわいい!
っておもったのに、
またかくれてしまうんです。
でも、またしずかーにまつと、
ぴょこんとでときて、
とってもかわいいです!
そのときです!
「バササッ!!」
って大きなはね音がしました。
さっきのフクロウです!
プリューラは、
あわててあなのうえに
のっかりました!
「ここには、うさぎさんはいません!
フクロウさんはあっちいけなのです!」
って!
でも、フクロウさんは
かいこいのです。
プリューラに、
そこをどけ!
といわんばかりに
足のつめをたてたり、
たいあたりしてきます
「いたいっ!やめてよう!
ここにはうささん
いないんだよぅー!」
っていっても
きいてくれないんです
せながいたくって、
プリューラがたおれそうになったときでした
「プリューラ!!」
ってプリューラをよぶこえがしました。
まちがえようがありません、
それは
大好きなルキウスさまのおこえです!
「ルキウスさまぁ!
プリューラはここです!」
「プリューラ!」
っていうと、
ルキウスさまは、
わたしがフクロウに
おそわれているのをみて、
もっていた剣をふりまわし、
フクロウをとおくまで
おいはらってくれました
「プリューラ!
プリューラ!!」
ってりょううでをおおきくひろげて、
かけよってくるのがみえます
「ルキウスさまぁ!!」
って、プリューラも
ルキウスさまにかけよります
そして、
ルキウスさまに手が
とどくちょくぜんで、
ぺこーっ!
ってあたまをさげました。
「うちのとうちゃんが、
しつれいをいって
ごめんなさい!!」
って、きめていたとおりに
あやまりました。
あれれ?
ルキウスさま、
ずっこけました!
「ルキウスさまも、
はっぱですべったですか?」
「コホン、
うーん、じゃ、それで」
ってふてくされがおです。
「もういっかい
ごめんなさいするので
きいてもらえますか?」
「...あー...
いや、ううん、
そんなこともあったねって
それでじゅうぶんだよ。」
って、すこぉしざんねんそうに、
でもくくくってわらって
こたえてくれました。
あぁ、ああ!
やっぱりルキウスさまです!
あんしんしたら、
ぜんしんからちからがぬけちゃいました。
「プリューラ!
大丈夫!?」
ってルキウスさまがさっとちかよって
のぞきこんできます。
でも、わたしは
もうこたえるきりょくもなく
そのばにたおれこんだのでした。
ぼーっとするいしきのなかで、
あとからやってきたそんちょうさんのこえや
とうちゃんにだきかかえられるけはいを
かんじながら、
とうちゃんが、ごめん、ごめんって
なんかいもプリューラにあやまるこえが
とおくにきこえたので、
「もうだいじょうぶよ、とうちゃん。
プリューラ、とうちゃんのぶんも、
ルキウスさまにごめんなさい
したからね。」
ってやっととうちゃんに伝えると、
かんぜんにいしきをうしなったのでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
幼児期編も終盤へと入ります。
長かったよーな
短かったよーな...。
話かわります。
今回の挿絵、だいぶ頑張ったつもりで、とてもよくかけたと自分では思ったのですが(背景などは素材を引用してもらいましたが)それを友達に見せたら「溺れてるの?」と言われました。た、たしかにそう見える...(ガクッ)森の中と脳内補正していただけたらありがたい限りです。
次回はルキウスさまsideです。
「傷だらけのキミとともに(仮)」
お惚気になったらいいなぁと思ってます。
あ、ちがう「夢side」かもです。
どっちかです。
よろしくおねがいします




