30、哀戦士と地震と津波とわたし④
僕はね。ザンボット3と初代ガンダムの根底に流れる富野監督の仕掛けたものは、前項で語ったそこにあると思うんですよ。
僕の子供時代の1970年代は、高度成長期ということもありますが、前時代的な価値観を徹底否定していた代表格の時代であったとも思うわけです。
まあ、そこいら辺りは僕が語らずとも皆さんもご存じだろうと思うわけですが。
そんな風潮に遭った時代に、一石を投じるようなことをしたのがこの作品群だったのだろうと僕は前々から勘ぐっていたんですね。
だって、幼児期に躾けられた内容と、ザンボット3や初代ガンダムの内容があまりにも合致するものだから、ハマらずにはおれなかったのですよ。
前にも書きましたが、その時代の教師なんて中身すっからかんの連中ばかりでしたからね。左巻きの。
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僕は小学生であっても、中学生であっても教師という名目の連中に口で負けた記憶がないんです。
これ嘘じゃないんです。
じゃあ、どうして負けなかったのか。
それは……
奴らは現実を語らないから、だったんです。
というか、ありもしない理想ばかりを語るからだったんです。
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例を挙げればキリがないんですが。
僕が中学三年生の時です。その教師(※当時50代)は僕を秘密裏にある教官室に呼び出しました。そしてそこに座れ、と命令口調で正座させようとしました。
僕はそれだけでもむかっ腹が立ったので、
「なんの用か先に言ってくれ」
といいました。すると驚いたことに、
「最近、クラスの○○がいじめに遭いかけている。それは奴の虚言壁が原因かと思われるが、お前、なんとかしてやってくれないか?」
というものでした。
こっちは放課後の忙しい時間を潰してまでやってきて、人を呼び出しておいてそこに座れだのと正座を促す。僕はあまりのその教師の傲慢さにブチ切れて、
「キサマ、何様のつもりで俺を座れと言ったんだ! 自分の無能を棚に上げて、人にものを頼むのになんだその言い草は! ふざけるな!」
とまあ、そんなわけですわ。
その日、15歳の少年が50代の教師に向かって大説教しましたよ。ほんとバカばっか。
だって、自分が出来ないことを少年に頼むなんざ、自分が無能であるという事を認めているようなものじゃないですか。しかも、
「ここにお前を呼んだことは秘密だからな」
って言っていたぐらいだからね。
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その時代でもそうだけど、今じゃ絶対に考えられない事象みたいだね。そういうことって。
だけどこれ本当にあった話なんですよ。話せる話がこの程度なだけで、もっとエグいのがありますからね。
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一石を投じるってのは、本当にリスクのあることなんだと思うんですよ。




