表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/32

3、果たして彼は、自分を喜ばせたいのか。他人を喜ばせたいのか。③

 で。


 なんというか、少年時代はその8割以上の期間が前に立つ役割であったために、明るくおどけてみせたりなんだりとしていたのですが、中身は強烈なルサンチマンだったために、周囲の期待に応えるために仮面を被りながら何とか上手くやっていくしかなかったわけですね。


 それが、社会に出るとそうも行かない。


 社会は学生時代と違ってシビアそのものですからね。それこそそんじょそこいらに海千山千の強者たちが蔓延っているわけです。そういう人間は見抜かれてしまうものです。


 ☆☆☆


 それは24歳の時でした。

 それまでも濃ゆーいボロボロになる経験を負いながら、何とか生き延びようと知人の紹介である小さな会社の面接を受ける事になりました。

 僕はその会社の門をくぐり、案内されるまま社長室へと入りました。すると、


「ん? お前は本当に人を見透かした目をしているな。まあ、そういう目をしたヤツは珍しいが、商売上この業界では受け入れられん。帰るなら今だぞ」


 一歩足を踏み入れた直後でした。一目見て開口一番にその社長は僕のその部分をズバリと言い放ったのです。

 その時、

(ああ、ここでしばらくやってみてもいいな……)

 って思ったんですよ。この人はそういう“目”を持っている。それだけで俺は今までと違い、何かを学ぶことが出来るかもしれない、と。


 ☆☆☆


 その方は昨年亡くなりました。その頃、その世代、その世代の前の方に大変お世話になったりしましたが、そういう個性的でアクの強い人物が多かったことをよく覚えています。無論、とんでもないひどい人物も少なくなかったのですが、今よりキャラの濃い人物が多数見受けられたのは確かです。


 ☆☆☆




 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ