16、遅ればせながら、あの映画観てきました。②
で。
この庵野監督という方は、僕から言わせれば、「アドルフ・ヒトラー」とか、「村●春樹」的な才能の持ち主なんです。
心技体という区分けで言えば、【技術】だけが天才的に飛びぬけている。
「でも、だけどなあ」
というのが今までの僕の感想だったんですね。
☆☆☆
多分、思想系を入れてくる創作と言うのは、アニメで言えば富野監督とかジブリ系が代表的。そういう意味で庵野監督も、そういうのを自分なりに入れていたんだと思うんですね。
でも、オリンピックのメダリストの人たちを観ればわかる通り、彼らの殆どが幼少の頃より英才教育を受けた、
「ネイティブアスリート」
なんですね。
これは憶測なんですが、富野監督であるとかもそうであって、幼少の頃からそういう思想系に浸りこんでいた方ではないのか、と感じてしまいます。
「それをたまたまアニメーションという表現方法を使って創作しただけなのではないか?」
そんな風に考えています。
それを庵野監督がイデオン風に表現したのが【エヴァンゲリオン】なんだと思うのですが、違うんですよね。これが。
多分、今回の【シン・ゴジラ】がそれの証明だったのではないかと思うんです。
端的に言えば、ポイント2。
2、【オッカムの剃刀を使って、余計なものをそぎ落とした】
ということ。つまり、そういう思想系だとかの要らないものを取り除いて、良質で純粋な怪獣エンターテイメントを創ったのだと思います。
あの写真でしか出てこない博士の言葉、
「好きなことをやった」
は、まず間違いなく庵野監督の言葉そのもの。
怪獣、破壊、危機、軍備。そういう要素を重要視して、思想であるとか何であるとかを極力省いて、
「良質なプロレスごっこ」
をやりきった。そういう事だと思うんです。
庵野監督はそういう意味で、
「怪獣エンタメのネイティブ」
なんです。
☆☆☆
近年の創作者に呪いのようにのしかかる、
【リアル】
という言葉。
庵野監督は、その呪いの言葉を割り切って考え、
「エンタメはリアルっぽければいい。ごっこでいいんだ!」
そう言い聞かして、ああいった会話劇を交えながら終局に向かったのではないだろうか。と、僕は思っています。
まあ、今まで書いたことは憶測であり、かなりネタ的なんですがね。
☆☆☆
どうして僕がそう思ったのかと言うと、あるシーンでの小道具を見たからなんです。
ホント、その小道具は分かる人なら分かるという代物で大したものではないのですが、どアップになっているのですぐそれがそれと分かる感じなんです。
まあ、そういうことにこだわるという【オタク気質】な監督さんであることは周知の事実ですから、
「やりたいことをやった」
という意味合いとして、観ている方もついついクスッって笑えてしまうんです。
☆☆☆
こういうことは、庵野監督に限らず、押井守監督であるとか、漫画家のゆうきまさみ先生であるとか、あの世代の創作者に共通している何かを感じます。
彼らは天才的な演出家であり、天才的なアレンジャーなんです。
ゼロから物を作るよりも、ある程度強烈な要素を見出して、それをまた強烈に動かすことが出来る人たち。
そんな風に僕は思います。
☆☆☆