13、ローリングダンシング⑥
ついこの間、本当に痛ましい事件がありましたね。あの津久井での事件。
あれに関する詳しいことはあまり知りませんが、あの容疑者の手紙の文面から考えれば、彼には介護系は無理でしょう。正直言って僕も無理です。
介護であるとか、看護であるとか、そういう仕事は人間的に言えば【主従の逆転】が発生します。これは双方向的な認識のズレです。
それは介護に限った事ではなく、自分がお姫様とか王様になったことを想像すれば分かります。偉い立場になったからと言って、何でも権勢を振るい自由になるものではありません。
例えば、風呂に入る時も着替えるときもお付きの従者に身を委ねなければならないし、行動も制限されてしまいます。
サブカルで例えるなら、『機動戦士ガンダムF91』のセシリー・フェアチャイルドが、養父らの陰謀で貴族主義を唱えるロナ家に戻らなければならなくなったとき、彼女はその自由の制限を感じ取り、シーブック達との活き活きとした学園生活に郷愁を覚えるようなシーンが所々見られました。
とまあ、話は飛びましたが。
介護とかの職業は、以前から客観的に見て、
「それをするのは、人間の本能として無理がある」
と勝手に思っています。
いや、それがピタリハマる人もいるのが“社会的集団”というものですが、それを無理くり当てはめると壊れてゆくものが出てくるのも自然の摂理だと思います。
白人主体で行われていた奴隷制なんてものが存続しなかったのは、それが人間的に無理のあるものだったからです。
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