冥王星へ出撃1
「やっと着いたわね。ドッグが研究所から少し離れてるから少しばかり面倒だわ。」
そうエイラス博士が言うように研究所からドッグへの道は意外に長い。徒歩で約30分といったところだ。おまけにここは乗り物を走らせられない区域、テーザ区域。戦闘機やら何やらはあまり関係ないらしいが、わざわざ30分でつくようなところに戦闘機を使うのはもったいなさすぎる。
そんなことを思いながらドッグの中へ入っていく。
「お待ちしておりましたエイラス博士。秋山様。」
そう言って俺達を迎えたのは白衣を着た初老の男性だった。俺はこの人のことを知っていた。
「セサル、相変わらず元気そうで何よりだ。」
「いえ、滅相もございません。エイラス博士もお久しゅうございます。」
「ええ。久しぶりね、そもそもこの惑星に来ること自体がなかったものだから……5年ぶりくらいかしらね。」
この人はセサル、宇宙艦の整備士で技量に関しては眼を見張るものがある。ただ、おっとりした性格なせいか出世は叶ってはいないが。
「相変わらずこういう役回りが多いのか?」
「いえ……今回は私が顔見知りということもありましてですね、出迎え役を引き受けることとなったのですよ。私めもお二方にお会いしたくてですね。」
「ふーん。まあいいさ。それじゃあセサル、JFKまで案内を頼む。」
「了解いたしました。……エイラス博士。」
「どうかしたの?」
「……HAVEN・TESTERが確認されています。お気をつけください。」
「……あなた、それを何処で……」
若干2人の雰囲気が悪くなった、HAVEN・TESTER……?
「申し訳ございませんエイラス様。ですが、ご了承くださいませ。我々はあくまで人類の未来を思って行動してることをお忘れなく。」
「はぁ……まあいいわ。さっさとドッグに向かいましょう。」
何も起きずにホッとした。だいぶ雰囲気が悪かったからな。そうこうしている内にどうやらJFKの出撃準備が整ったようだ。
「ご武運をお祈りしています。」
「ああ。」
セサルに見送られながらJFKに乗り込む。最新鋭の宇宙艦と聞いていたが予想より大きい、およそ1,6キロといったところか。用途が収容艦としての運用も考えられてるがためか。
そんなことを思いながら宇宙艦に乗り込んでいく。入ってみると中はやはり広く、部屋数も多そうだった。
「こっちよ秋山くん。」
そう言われ、俺はエイラス博士に着いていく。
……約1分後。Break Roomと書かれた部屋につく。おそらくはここで待機することになるんだろう。
「この部屋で待機していて。私はオペレーションルームに行くから。」
「了解です。」
そう言って博士はやや早歩きで去っていった。俺は言われたとおりにBreak Roomと書かれた部屋に入ることにした。
しばらく待機していると、
「JFK-TO37、まもなく出港します。乗組員は最終確認をお願いします。繰り返します。JFK-TO37、まもなく出港します。乗組員は最終確認をお願いします。」
艦内アナウンスが鳴る。もうそろそろか……更に3分ほど経った後にまたアナウンスが鳴る。
「JFK-TO37、出港10秒前。カウントダウンを開始します。……5……4……3……2……1……出港します!」
ヒュウゥゥゥゥゥ……シュゥゥゥーンッ!
遂にこの星を離れる時が来た。……思えばこの星の名前とか全然聞いてなかったな。そんな暇なかったというのもあるが。
だが今更そんなことはどうでもいい。今目指しているのは冥王星だ。この星じゃない。そう自分に言い聞かせ、俺は1人佇んでいた……
目指す場所は地獄。困難乗り越え任務を完遂してやる。
遅くなってすんません!
ただ、次回更新も遅くなるというジレンマ。。。
今年中に終わらしたいですね(白目)